理想科学工業の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1946年に謄写印刷業として創業、インクの自社開発・製造を経て、現在ではオフィスや学校、自治体に向けてのデジタル印刷機や高速カラープリンターの開発・製造・販売をおこなう理想科学工業(以下、RISO)。かつて家庭用の簡易印刷機として大ヒット商品となった「プリントゴッコ」を販売していたのも同社です。
勤務する人の声を聞いていくと、「印刷機という身近な製品を開発しているので、商品化された際の喜びは大きい」「少人数制での業務、そして若くても仕事を割り当てられるのでさまざまな経験を積める」といったやりがいを感じる意見が多く見て取れます。福利厚生の充実を評価する声もあり、産休・育休もとりやすく女性にも働きやすい環境にあるようです。
一方、近年のコンプライアンス面から見た残業削減により、仕事の量は増えても納期は変わらず、無理な仕事を要求される点に不満を感じている口コミも。「年功序列」「縦割り社会」と、歴史のある会社ゆえの古い社風が残っている現状もあるようです。さらに、既存事業に重点を置き過ぎている、ペーパーレス化の未来が見えていないなど、将来性に不安がある声も聞かれます。
社名の「RISO」は、創業者が掲げた「理想を貫いていこう」との信念に基づいています。開発ポリシーである「世界に類のないものを創る」ことで発展してきた同社は、「何が必要とされているかを考え、形にしていける」といった人を求めているといえるでしょう。採用面接では、こうした社風に合う人材であるかを見極められます。
■選考は何次まで?
同社の選考過程は、口コミによると書類選考後に1〜3回の面接を経て内定という流れになっています。選考期間はおおむね1〜2週間と早い傾向にあるようですが、中には3ヶ月を要したとの意見も見受けられます。
面接官は現場社員、部長、管理部門がおこない、1対1の場合もあれば集団面接のときもあり、これは応募職種や時期によって異なるようです。
現在のキャリア募集は、コーポレートサイトの採用情報によると、「営業」「研究開発」「技術」「管理部門他」となります。職種によって勤務地や必須資格、対象年齢が異なりますので、募集要項をよく読んで確認しておきましょう。
採用サイトには、人事部長・採用担当・社員のインタビューほか、業務内容、育成制度と、さまざまな情報が掲載されているので、応募前に目を通し、どのような会社であるかを知るのも大切なポイントとなります。
■面接内容の傾向は?
和やかで話しやすい雰囲気の中、志望動機、前職の退職理由、入社後に何をしたいかなど一般的な質問を聞かれながら進んでいきます。
「自分を無理に飾らず、リラックスして臨むと良い」「にこやかに振る舞って、明るく受け答えができると好印象」といった口コミが多いことから、人柄重視の面接であることが伺えます。そのため、明朗で快活な印象を与えられるかがポイントとなるでしょう。
口コミの中には「面接官が毎年変わるため、年によって入社する社員に違う特徴が見られる」といったユニークな意見も。上述のように人物を見られているので、どのような面接官に対しても、自分の考えをはっきりと回答できるような対策をしておくことが必要です。併せて事業内容や取り扱う製品などを深く知り、志望動機を明確にして臨むことが重要となります。
理想科学の面接攻略法(面接対策)
■理想科学の「RISO Vision 22」を理解した上で自己分析をする
理想科学の面接を受ける際には、同社の中期経営計画「RISO Vision22」を正確に理解することです。下図を参照すると、大きく分けて「既存事業の拡大と強化」を柱とし、併せて「新規事業の創出を図る」となっています。
近年の業績を見ていくと、高速カラープリンター「オルフィス」に代表されるインクジェット部門では伸びを見せているものの、孔版印刷部門では売上の低下が見られます。そこで同社は、既存事業である両者の強化・拡販を図るとともに、社内の効率を改善し、利益をあげていくとしています。同時に、国内では利益を出すも、海外では減益となっている現状を考慮し、採算を取れる組織にするための改革をしていく方針です。
そして注目すべきは「営業本部の体質転換」「経営・管理の改革による企画機能の向上」であり、「社風への理解」の項でも述べた「古い体質」から抜け出そうという意欲が見られる点です。これは時代とともに驚異的な速度で移り変わる現状を加味し、新規事業の創出に着手するとの戦略にもつながります。同社のこうした成長戦略を把握することも、大きなポイントになるといえるでしょう。
以上のことから「既存事業の拡販をするとともに、顧客が現在求めているものは何かを敏感に察知し、新たなモノづくりをしていく」というプランが見て取れます。「古きものにとらわれ過ぎず、新規事業にも果敢に挑戦していく心を失わない」との意欲を持ち、これらに応じた受け答えができるよう心がけて面接に臨みましょう。
■「なぜ理想科学に転職したいのか」をはっきりさせるためには他社研究が必要
同社の面接では、「なぜ理想科学を選んだのか」という質問をされます。面接官はそれにより「入社後のプランを持っているか」「現在までの経歴が当社にどれだけ活かされるのか」といった回答を欲してもいますが、同時に「当社を本当に理解しているのか」との側面を見極められてもいます。
業務や職種理解の枠のみにとどまらず、RISOという企業の理念、社風、「RISO Vision 22」をしっかりと理解した上で、比較されやすい同業他社を研究しておくことも必要です。以下の競合企業を参考に、研究の材料としてみてください。
- セイコーエプソン株式会社
- キヤノン株式会社
- 株式会社大塚商会
- ブラザー工業株式会社
理想科学の採用面接で実際に聞かれた質問内容
RISOが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが、企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。同社のポリシーである「世界に類のないものを創る」を意識し、「顧客が今何を必要としているかを常に考えられる」「理想を見失わず新しい分野にも貪欲にチャレンジしていける」との人材であると印象づけられるよう、数多くのエピソードを用意しておくとよいでしょう。
実際に面接経験者が聞かれた質問をご紹介します。これらの問いにはどのような回答をするのが最適か、また、質問の意図なども考慮しながら対策を考えてみてください。
20代後半・女性/その他【結果:入社】
30代前半・男性/経理【結果:1次面接で不採用】
30代前半・男性/プロジェクトマネージャー【結果:1次面接で不採用】
30代前半・男性/プロジェクトマネージャー【結果:1次面接で不採用】
理想科学の採用面接に向けて
理想科学の採用面接を受けるにあたって、重要となるポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「必要な価値を創造し、製品やサービスとして形にする」という社風を意識して、これに合致した人材であるとアピールする。
- 「RISO Vision 22」を把握し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合となる企業について研究し、「なぜ理想科学なのか」に対する回答を確実に答えられるようにする。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。