沢井製薬の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
ジェネリック医薬品(後発医薬品)の開発・製造・販売を手がける沢井製薬。その歴史は古く、前身の「澤井薬局」の創業は1929年、その後、国民皆保険制度を機に医療・医薬品を取り扱う企業へと転換し現在に至ります。医療費が年々増加する中、ジェネリックを使用した際の薬価節減効果は約1.3兆円と予想され、保険負担料の節約にもつながるなど、国からの推奨を受ける事業でもあります。
実際に勤務する社員の口コミを見ていくと、医薬品という「人々の命に直接つながる業務」のためか、やりがいを感じる声が多く聞かれます。給与・待遇の良さ、福利厚生の充実も、大手企業ゆえの強みといえるでしょう。「自らで考え開発をおこなえる環境が整備されている」「他部署との距離も近いため、さまざまな経験を積める」との声も見受けられます。
一方では、「年功序列社会のため、新しい提案が受け入れられない」「個人の業務負担が大きい割に、責任感のない人も見受けられる」「いまだにジェネリックに抵抗のある医師が多く相手にされない」といった意見も。さらに、現時点で新薬に変わるジェネリックのシェアが7割を越えているため、まもなく国が推奨する8割に達してしまうことから、将来性への不安を感じる声も聞かれます。上述した他部署間との連携についても「排他的・閉鎖的に思える」など、部署により受け取り方が異なるようです。
「なによりも患者さんのために」、これが同社の企業理念です。医薬品は健康を支えるために欠かせないものであり、そこでは「患者との信頼関係」が最重要です。信用を築いた上で、「さらに役に立つことを考えていけないか?」という創造力を持ち、今以上に「社会への責任を果たしていける」という人材を、同社は求めているといえるでしょう。採用面接では、このような理念に沿った考えを持ち仕事ができる人物かを見極められます。
■選考は何次まで?
沢井製薬の選考の流れを見ていきましょう。コーポレートサイトのキャリア採用情報によると、書類選考後にWebでの適性検査、複数回の面接を経ての内定となり、選考の詳細については個別にアナウンスがあります。応募から内定までの期間は、およそ1〜2ヶ月程度を要します。
面接担当者は、役員、部長、管理部門、現場社員がおこないますが、複数を相手に面接する傾向にあるようで、口コミによれば、回数は2〜3回という意見が見受けられました。
現在の募集職種は、「生産領域担当」「販売領域担当」のシステム2部門となり、それぞれ待遇や必要資格が異なりますので、応募要項をよく確認しましょう。なお、いずれも「非喫煙者」が条件となっていますので(入社後に禁煙実行でも可)、注意してください。
同サイトには、応募方法や入社後の詳細も併せて掲載されていますので、応募前によく目を通しておきましょう。
■面接内容の傾向は?
圧迫面接気味である、という口コミが多く見受けられます。中でも目に入るのは「当社の企業理念をいえるか?」との質問をされたという声。一字一句間違えずに答えることを求められるため、企業サイトに掲載されている理念を記憶することが必須となります。併せて、「その理念についてどう思うか」への回答も準備しておきましょう。
さらに、同社が手がけている製品の名称・品目、直近の売上状況なども聞かれる傾向にあるので、これらに関してもサイトをくまなく熟読し、しっかりと予習をしましょう。一般的な質問もありますが、それぞれを深く掘り下げて聞いてくるので、自分の言葉で明確に答えられるよう整理しておくことも大きなポイントとなります。
ジェネリック医薬品は同社のメイン事業であるため、そこへの熱意も見られています。取り扱う製品を理解するとともに、入社後の自分がどのような形で業務に貢献していけるかをはっきりとさせた上で、面接に臨みましょう。
沢井製薬の面接攻略法(面接対策)
■沢井製薬の「M1 TRUST 2021」を理解した上で自己分析をする
沢井製薬の面接を受ける際には、「M1 TRUST 2021」と呼ばれる同社の中期経営計画を正確に理解することが必要となります。どのような方針であるかを読み解き、分析しておきましょう。
政府は、増加する医療費を懸念し、国内におけるジェネリック医薬品のさらなる使用を推奨しています。これにより同社は、国内市場での確立された地位を背景に、将来へ向けた投資をおこない事業基盤を発展させ、売上の増加を目標としてきました。
しかし、AG(オーソライズドジェネリック)の増加による価格競争激化、消費税引き上げでの薬価改定などにより、前期経営計画で見込んでいた売上目標には届きませんでした。さらに厚生労働省から「薬価制度の抜本改革」が出されたことにより、業界を取り巻く環境はますます厳しくなっているのが現状です。
そこで同社が新たな経営計画として策定したのが「M1 TRUST 2021」です。下図を参照に具体的に紐解くと、国内市場では現在までに構築された経営基盤と信頼を軸に、品質の高い製品の安定供給を続けるとともに、コスト面でも見直しを図り、競争に対応していくとしています。
国外においては、2017年に米国のUSL(Upsher-Smith Laboratories)を買収、その販売網とブランド力を武器に、日本だけにとどまらず、米国の患者に向けて同社の医薬品を販売し、グローバルな企業への変革を狙うとしています。
以上のことから、今後は「生産体制の効率化」「安定した供給の維持」「USLとの相乗効果」をいかに実行していけるかがキーポイントとなるでしょう。大きなシェアを持つとはいえ、上述したように競合の参入や薬価制度の変更など、将来的にも問題は山積しているといえます。そのような中、同社は「なによりも患者さんのために」を第一に考え、「創造力を発揮し挑戦することを忘れない」「常に革新的な考えを発信、実行していける」という人材を求めています。面接ではこういった経営計画をも強く意識し、自己アピールができるよう対策をしていきましょう。
■「なぜ沢井製薬に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
同社の面接では、「なぜ沢井製薬を選んだのか」という質問をされます。このとき、「入社後のビジョンがあるか」「今までの経歴が当社の利益に反映されるか」といった点を見られるだけでなく、「当社について本当に理解しているのか」を見極められています。
業界や職種理解のみにとらわれず、沢井製薬の企業理念、中期経営計画である「M1 TRUST 2021」も正確に理解した上、比較対象になりやすい同業他社を知り、研究してみましょう。一例として、主に「後発医薬品」を取り扱う製薬会社をピックアップしますので、研究の参考にしてみてください。
- 日医工株式会社
- 東和薬品株式会社
- 第一三共株式会社
- 富士製薬工業株式会社
沢井製薬の採用面接で実際に聞かれた質問内容
企業研究を通じて、沢井製薬の経営方針やどういった人材を欲しているかが分かってきたのではないでしょうか。面接の場では、同社の企業理念である「なによりも患者さんのために」を意識し、「常に変革を意識し挑戦を続け、自分自身の成長と人々の希望を考えていける」という人材であると印象づけられるよう、複数のエピソードを準備しておきましょう。
以下は、実際の面接の場で聞かれた質問です。これらに目を通した上で「こういった問いにはどう回答すべきか」「好印象を与えるにはどうしたらよいか」など、シミュレーションしてみてください。
30代前半・男性/その他【結果:最終面接で不採用】
40代前半・女性/その他【結果:1次面接で不採用】
20代後半・男性/研究開発【結果:2次面接で不採用】
女性/MR【結果:入社】
沢井製薬の採用面接に向けて
沢井製薬の採用面接を受けるにあたり、押さえておきたいポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下となります。
- 「患者さんとの信頼関係を築き、社会貢献へつなげていける」という社風を意識して、これにマッチした人材ということをアピールする。
- 沢井製薬の中期経営計画「M1 TRUST 2021」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ沢井製薬か」に対する答えを明確にしておく。
以上3項目についてしっかり準備し、面接当日は自分の言葉でアピールできるようにしましょう。
グローバルウェイ エージェントに直接登録されたい方はこちらのフォームをご利用ください。
「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。