2022年06月17日
買い切りモデルからサブスクリプションモデルに転向したことで2019年の年間粗利率97%という驚異的な数字を達成している、アドビへの転職。中途採用ではこれまでの実績が重視されるのはもちろんのこと、企業文化になじむかどうかも含めて総合的に審査されます。事前にしっかり対策しておきましょう。
デザイナーやクリエイターのためのソリューションツールの分野で長い間リーディングカンパニーとして君臨しているアドビ。クラウド化によって絶好調なため、1000万円選手がざらにいる状況のようです。実際に働く人のインタビューによると「独自性の強い企業なので、アドビならではの提案ができる」「人材に多様性があり、社内に活気がある」といったことがモチベーションにつながっている様子。アドビの企業理念には「卓越した」「革新的な」などの言葉が並んでおり、実際に勤務する人も自身の仕事が時代への影響力を持っていることを実感しているようです。
一方、「毎年一定数の社員がいなくなる」「部長は『使えない部下は(部署移動などではなく)すぐ首にすべき』と言っている」など人間関係はかなりドライ。「長期的に会社にとどまるのは大変」と実感している人も多く、徹底した成果主義の厳しさがうかがえます。それでも「報酬がよすぎて転職ができない」と、皆必死で食らいついている模様。
「卓越した」「革新的な」仕事をして食らいついてでも成果を挙げ続ける。
こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
アドビのHPにある採用情報はすべて英語。これは英語がペラペラじゃないと話にならないのではと思いがちですが、口コミを調べてみると英語力は全く問われなかったという人も。では選考へ進んだ人たちはどうやってその機会を得たかというと、人材会社への登録時に紹介を受けたり、ヘッドハンターから連絡が来たとのこと。まずは人材会社に登録するところから始める必要がありそうです。ただし、誘いがあったからといって必ずしも合格率は高くない模様。ヘッドハンティングが来たと浮かれることなく、通常の面接と同じように気を引き締めて取り組みたいところです。
選考プロセスは一次面接、二次面接、最終面接と国内企業と特に違いはありません。結果は早い人では1週間、遅い人でも1カ月とかなり迅速です。
部署によって英語力の要求度にかなり差がある模様で、「面接はすべて英語だった」「海外と英語で電話面接をした」という人から「読み書きの実務ができれば問題ない」という人までいますが、全くできないのでは難しそうです。誘いが来たら、英語がどれくらい必要とされるか、職務の内容と併せて確認しておきましょう。
最低限、自己紹介と自分の実績、そして将来の展望について英語で説明できるようにしておきましょう。特に実績については「成績がよかった年のことだけ履歴書に書いたが、その前年、そのまた前年の実績まで突っ込まれ…」という人もいて、上手くいかなかった時期についてもしっかりと自己分析しておく必要がありそうです。また、今まで以上に活躍していく意気込みを示すのも大切でしょう。
実際に面接を受けた人の感想は「頭の回転の速さを求められている」「次々と質問してくる」とのこと。英語で話すと主語と述語が明確になり必然的に明瞭な回答になりがちですが、日本語であっても「あいまいにして明確な回答を避ける」といった印象は好まれない可能性が高いでしょう。スピード感を持って、テキパキと答えるようにしたいところ。
面接受験者の中には「部下への指導時に『Yes, But』の考え方を重視する会社だ」と感じた人も。「『Yes, But』の考え方」とは、意見がぶつかったとき相手の意見を肯定しいったん受け止めた上で、反対意見を述べるという話法で、人間関係を円滑にするため活用されています。話し方の参考にするといいでしょう。
アドビの面接を受ける前にアドビの経営戦略を研究しましょう。「経営戦略」として明記はされていないものの、社長の「年頭所感」にて次のように述べられています。
デジタルマーケティングツールによって、あらゆる規模・分野の企業を支援し、日本のデジタルトランスフォーメーションを牽引
出典:アドビのサイトより
アドビは経営戦略に沿って人材の採用を進めていきます。HPに経営戦略として明記されてはいないため、関連記事をしっかりと読み込んで今後必要とされる人材を予測し、企業の方向性に対し自分がどのように貢献できるのかを自己分析しておきましょう。
代表取締役社長の年頭所感によると、今後の計画の骨子のひとつめは「アプリ版の拡大」。「あらゆる人に創造性を発揮する場所を提供」とあり、プロ用ツールとしてではなく個人の楽しみ支援ツールとして売り上げ規模を拡大していきたいようです。企画系であれば限られた市場で一定のニーズがある商品が汎用性を高めて普及率が上がった例などを調べ、どのようにすればアドビがビジネスを拡大できるのか予測しておきたいところです。技術系はモバイル技術が重視されることが予想されるため、自身の経験からアピールできることをピックアップしておきましょう。
ふたつめは「電子署名など書類の電子化のニーズに対応」。こちらについても、実績の中から関連のあるものを取り出しエピソードとしてまとめておくほか、今までの仕事の中で書類の電子化についてどのようなニーズがあったかなどもまとめておくと役に立つかもしれません。
アドビの面接では「なぜアドビなのか」を聞かれることが多いでしょう。この質問には、志望者がやりたい仕事と実際の業務内容が乖離していないかをチェックする意図がありますが、その回答内容によって「企業のことをしっかりと理解した上で応募しているか」を見極める目的もあります。
同じ業界・職種の中でもアドビの仕事にしかない魅力をしっかりと伝える。そのためには、競合他社研究にじっくりと取り組むことが大切です。PhotoshopやPDFは実質アドビの独占市場となっているため、競合他社と言ってもイメージが湧きづらい部分もありますが、今後趣味用ツールとして市場拡大を狙うのであれば、あらゆるジャンルのクリエイティブツールが競合となりえること、電子署名に力を入れることから、以下のような企業を研究しておくといいでしょう。
●セールスフォース ドットコム
●SAPジャパン
●コンカー
●Workday
●日本マイクロソフト
このように、アドビの面接を受ける前には、経営戦略に関連する記事を読み込み自己分析に活用すること、そして他社研究に基づいて「アドビならではの仕事の魅力」を前面に押し出した志望動機の考案が必要です。そして面接の際は、「『卓越した』『革新的な』仕事をして食らいついてでも成果を挙げ続ける」ことが求められる環境で力を発揮できそうだという印象を与えるよう心がけ、「アプリ版の拡大」や「電子署名、ペーパーレス化」といった分野の成長に貢献できることを示すため、さまざまなエピソードを自己PRとしてまとめておくとよいでしょう。日本語だけではなく英語版も準備しておけば万全です。
実際に面接を受けた人が聞かれた質問をいくつかご紹介します。もし自分が聞かれたらどのように答えるか、不合格になった人はどのように答えるべきだったのかなどを考えながら読み、面接に役立ててください。
アドビの面接対策において、しっかりと準備しておきたいポイントをご紹介してきました。ぜひ準備しておきたいのは以下の5つです。
●「『卓越した』『革新的な』仕事をして食らいついてでも成果を挙げ続ける」という企業文化になじむ印象を与える。
●回答はスピード感をもってテキパキと明確に。
●アドビの経営戦略に関わる記事を読んで今後必要とされる人材像を予測し、自己PRにつなげる。
●すべての回答を日本語と英語の2カ国語で準備しておく。
●今後競合となりえる企業について研究し、志望動機ではアドビならではの仕事の魅力を伝える。
ここまでしっかりと準備した上で、当日はその場の状況や流れを見ながら自分の言葉で伝えるように心がけましょう。
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