スターバックスの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1996年、日本1号店の開店以来、現在では全国に1530店舗を構え順調に拡大してきたスターバックスコーヒージャパン(以下、スターバックス)。
「人々の心を豊かで活力のあるものにするために— ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」というミッションを掲げ、とても大切にしています。アルバイトから正社員まで一貫してこのミッションを理解し、自分なりに落とし込み実践していくことが求められています。特に、店舗ではこのミッションが各従業員に浸透していることこそが素晴らしいサービスの提供へと密接に結びつくことから、その重要性は一層増すと言っても過言ではないでしょう。故に、このミッションに共感できるかどうか、これが同社で働く上で重要となってきます。
外資系企業であることから、社内は個人を尊重しお互いを認め合うという雰囲気で、風通しも良く、女性も多く活躍しています。アルバイトでも社員と同じようにミッションやバリューを浸透させ、健康保険等の福利厚生も充実させることにより、仕事に誇りとやりがいを持たせることに成功し、アルバイトの離職率は低くなっています。
同社のミッションに共感しお客様に最高のサービスを提供することに貢献していける。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
書類選考を通過した後、Webでの適性検査が行われます。その後、面接が行われます。面接回数は、職種により異なりますが、大体2回であることが多いようです。
一次面接は人事、二次面接では応募部署のHiring Managerとその上司であったという口コミが見られます。
選考期間は職種により幅があり、早い人では1週間で内定となる場合もあるようですが、およそ1か月とみておくと良いでしょう。
転勤の有無、勤務地など、店舗勤務と本社勤務では異なる点が多くあります。中途採用サイトをよく読み、自分のキャリア形成やライフスタイルに沿った職種を見極めて応募する必要があります。現在、ストアマネージャー候補となる店舗正社員をはじめ、本社勤務では、経営企画、店舗開発、商品企画、デジタルマーケティング、サプライチェーンなど、幅広い職種で採用を行っています。
■面接内容の傾向は?
同社の面接では、志望動機、前職での経験など一般的な内容はもちろん、ブランドイメージやコーヒーについての質問もあるようです。「あなたは当社のコーヒー豆の種類だと何に似てますか?」と聞かれたという口コミも見られます。面接を受けるにあたり、店舗へ行ってみたり、同社の扱うコーヒー豆やサービスなどにも知見を深めておくと、幅広い質問にも柔軟に対応できるでしょう。
店舗スタッフでは、「なぜこの店舗なのか?」「良いサービスとは?」といった質問があったという口コミが散見されます。具体的なエピソードを交えながら自分の意見をまとめておくと良いでしょう。
本社はアメリカのシアトルにあります。子会社である同社は、本社の意向や施策を日本市場で展開しています。そのためには、職種によっては英語のスキルが必須となります。面接でも英語スキルについて聞かれることもあるでしょう。
スターバックスの面接攻略法(面接対策)
■スターバックスの中長期戦略を理解した上で自己分析をする
2018年11月、スターバックス・コーポレーション(米国本社)は、2021年までの3年間における日本市場でのビジネス戦略を発表しました。顧客体験の価値を向上させ成長を維持していくために、新規店舗のオープンは年間100店舗、2021年末までに1700店舗を目指しています。
従来のやり方にこだわらず、時代の流れに乗った新しい形態でのサービスも積極的に取り入れています。2018年にはUber Eatsを導入。デリバリーサービスにも参入しました。2019年2月に、高級コーヒー豆の焙煎工場を備えたリザーブ®・ロースタリーの日本1号店をオープン。そして、一部店舗では「Mobile&Pay」サービスが始まりました。事前にアプリで注文し支払いを済ませることにより、長い列に並ばずに商品を購入できるようになりました。さらに、LINE株式会社と提携し、デジタル領域での事業展開も加速させています。
同社は、広告活動や値下げをすることなく強力なブランド力を構築し、高い付加価値を提供することで他社と差別化し、事業を拡大してきました。同社の立地戦略は「Main&Main」と呼ばれています。街の中心部に出店することにより、その店舗の存在が広告となります。人の往来が多いエリアに店舗を構えることにより、人の「数」だけでなく街の持つ雰囲気「質」にもこだわり、同社のブランドを作り上げてきました。ロゴに企業名を入れない事で街へ溶け込む、こういった戦略は他社とは一線を画しています。
また、同社の経営戦略を考える上で、重要なコンセプトに「サードプレイス」があります。同社の店舗は単にコーヒーを飲むだけの場所ではなく、スターバックスという場を「エクスペリエンス」するということをとても重視しています。そのために、ソファなどの家具やインテリア、店内で流れる音楽などにもこだわり、顧客にスタバならではでのエクスペリエンスを提供してきました。こうしたイメージ戦略が、世界的コーヒーチェーン店へと同社を育てたのです。
このような本社のビジネス戦略は、全世界で統一され徹底されています。日本市場も例外ではありません。子会社である同社の面接を受けるにあたり、本社のビジネス戦略もきちんと理解することが重要です。そして、自分のこれまでの経験やスキルを棚卸しして、同社で「何ができるか」「どのように貢献していけるか」を自分なりにまとめ、明確に述べられるように十分準備をして面接に臨みましょう。
■「なぜスターバックスに転職したいのか」の明確化には他社研究を
同社の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ当社か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「これまでの経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面もあわせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、スターバックスという企業についてしっかり理解し、入社意欲をアピールする。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- タリーズコーヒージャパン株式会社
- 株式会社ドトールコーヒー
- ブルーボトルコーヒージャパン合同会社
スターバックスの採用面接で実際に聞かれた質問内容
同社が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。このように同社の採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。 そして面接の場では、同社のミッションに共感しお客様に最高のサービスを提供することに貢献していける人材と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
以下では、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[20代前半・男性/スーパーバイザー] 【結果:入社】
[30代前半・女性/店長] 【結果:入社】
[20代後半・男性/法人営業] 【結果:内定を辞退】
[30代後半・女性/マーケティング] 【結果:入社】
[20代前半・女性/店舗スタッフ関連職] 【結果:二次面接で不採用】
[20代後半・男性/店長] 【結果:入社】
[20代後半・男性/店長] 【結果:入社】
スターバックスの採用面接に向けて
同社の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「人々の心を豊かで活力のあるものにするために-ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」というミッションを理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- 米国本社のビジネス戦略ならびに2021年までの3年間における日本市場でのビジネス戦略を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜスターバックスなのか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。