船井電機の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
液晶テレビやDVD・ブルーレイディスクなど、AV機器の製造・販売を手がける船井電機。1台のミシンから始まった同社は、1970年代に「FPS(フナイ・プロダクション・システム)」と呼ばれる独自の生産システムを構築し、これにより多様な家電製品を安価で大量生産することを可能にしました。
売上の約65%を北米市場が占め、北米では高いブランド認知度を誇ります。一方、国内では、2017年から家電量販店のヤマダ電機で独占販売を開始しました。しかし、北米市場におけるテレビ事業の不振により業績が悪化。2014年から3年半で社長が4回交代するなど、経営は迷走した感が否めません。口コミ上でも、当時の混乱した状況を不安視する向きが少なからず見受けられます。
一方で、現場は、「仕事をしたければしたいだけやらせてもらえる社風」「若いうちからいろんなことを任されることが多いので、主体的な動きをすると可能性が広がる」といった声が聞かれ、手を挙げた人にはチャンスが与えられる環境であることがうかがえます。また、「営業は基本アメリカ、技術は中国が中心」というように、海外で仕事をしたい人にはチャンスの多い会社だと言えるでしょう。
新卒社員と中途社員との待遇の違いに関しての口コミは、「転職者は多いので、転職者に対する風当たりなどは感じられません」というものから、「社内でしか通用しない常識が蔓延しており、その常識に慣れるまでが大変」というものまでさまざまですが、比較的中途社員の多い会社ですので、本人次第で活躍の場を得ることは可能です。
現在、業績改善に向けた取り組みを続けている同社では、経営資源を集中させる領域として、「市場開拓」「新製品開発」「組織強化」をあげています。その核として、中途採用を含めた人材確保を積極的におこなう方針です。したがって、面接にあたっては、同社の社風や経営状態を理解したうえで、主体的にチャレンジできる人材であることを伝えられるとよいでしょう。そのためにさまざまなエピソードを用意しておくことをおすすめします。
■選考は何次まで?
コーポレートサイトに選考フローに関する記載はありませんが、書類選考を経て、複数回の面接で合否が決まるようです。内定までの期間は数週間程度と、比較的スピーディーに進められます。
同社のコーポレートサイトでは2020年3月現在、エンジニア系、スタッフ系、営業・資材系の各分野における複数の職種で中途採用を募集しています。職種ごとに望まれる要件等が記載されていますので、関心のある人はコーポレートサイトを必ずチェックしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
奇をてらった質問は少なく、「自己PR」「志望動機」「入社後にやりたいこと」といった一般的な内容がほとんどです。だからこそ、しっかりと自己分析をおこない、同社のビジョンと自分の方向性が整合するのかを確認する必要があります。「自分がやりたいこと」を明確にすることはもちろん、それが「どういった形で会社への貢献につながるのか」という視点を持つことが大切です。実際に、そのような切り口で質問された面接経験者は、「自分ができることを説明したが、それはあなたがしたいことだと詰められて、とても困った」と振り返ります。ぜひ、説得力のある回答ができるように準備を進めてください。また、職種によっては英語力があると有利になりますので、どれくらいのスキルを持ち合わせているのかをアピールできるとよいでしょう。
面接の雰囲気は、総じて和やかなようです。人柄やコミュニケーション力が見られる傾向にありますので、「一緒に働きたい人物」と印象づけられるよう、明るく前向きな対応を心がけましょう。
船井電機の面接攻略法(面接対策)
■船井電機の中期経営方針を理解した上で自己分析をする
船井電機では、2018年度を赤字脱却に向けた期間とし、既存事業の再構築と新製品の投入による収益基盤の確立を目指してきました。これにより2018年度の黒字化計画を達成したことから、2020年度に向けた期間を「事業再構築の総仕上げと持続的成長への布石」と位置づけ、持続的成長のステージへとステップアップしたい考えです。
具体的には、アライアンスを通じた新規事業展開を加速させる方針で、車載関連や医療・ヘルスケア機器における新規事業を本格化させるほか、プリンターヘッド技術を応用した製品の事業化を目指すとしています。既存のAV事業に関しては、厳しい状況が続いているものの、引き続き北米市場でのシェア拡大や国内でのFUNAIブランドの浸透に向けて取り組む考えです。
こうした施策を実行していくうえで重要になってくるのが、人材マネジメントとガバナンスの徹底です。とりわけ、人材マネジメントにおいては採用や育成に力を入れる構えで、同社を持続的成長ステージへと導いていけるような実行力のある人材が求められるでしょう。面接にあたっては、こうした中期経営方針をしっかりと理解し、自己分析に落とし込む必要があります。そのうえで、自分がどんな貢献ができるのかを具体的に語れるようにしたいところです。
■「なぜ船井電機に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接では、「なぜ船井電機か」という質問に説得力をもって答える必要があります。この質問には「応募者がどんな仕事をしたいのか」「それがここで実現できるのか」を確かめる目的もありますが、応募者がしっかりと企業研究したうえで応募しているかを確認する意図もあります。その業界や職種の魅力だけでなく、船井電機だからこそ実現できることを見つけ出し、訴求することが大切です。
そのためには、以下のような競業他社についても研究をおこなったうえで、「なぜ船井電機か」について語れるようにしておきましょう。
- シャープ株式会社
- 株式会社JVCケンウッド
- LGエレクトロニクス・ジャパン株式会社
船井電機の採用面接で実際に聞かれた質問内容
船井電機が目指している方向性や、どういった人材が求められているのかが分かってきたのではないでしょうか。
船井電機は、北米でのテレビ事業に強みを持つものの、競争激化によって業績不振に陥り、現在はその立て直し期にあります。事業再構築の総仕上げと持続的成長への布石を打つ意味で非常に大事なフェーズにある今、会社にどんな貢献ができるのかという視点を持つことが重要です。こうした視点を持ったうえで自己分析をおこない、入社後のビジョンについて具体的に語れるようにしておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[30代後半・男性/機械設計] 【結果:入社】
[20代前半・男性/プログラマ] 【結果:内定を辞退】
[40代前半・男性/技術関連職] 【結果:一次面接で不採用】
船井電機の採用面接に向けて
船井電機の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 船井電機の社風や経営状態を理解したうえで、主体的にチャレンジできる人材であることを具体的なエピソードを交えて伝える。
- 船井電機の中期経営方針を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる
- 競合他社についての理解を深め、「なぜ船井電機なのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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