フコク生命の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1923年、徴兵保険の取り扱いからスタートした富国生命保険(以下、フコク生命)。創業以来、相互会社という形態を貫き、再編の動きが著しい近年の保険業界において一度も合併をおこなっていないことでも知られます。「契約者の利益擁護」を経営理念のひとつに掲げ、複合型保険、学資保険、医療保険を主力として事業展開しています。
そんなフコク生命の口コミから見えてくるのは、ノルマ達成を重視する体育会系の企業風土です。「転勤と根性によって成り立っている」「営業現場に近いほど気合と根性論のような風潮が強くなる」といった口コミが見受けられ、ノルマ達成のためには長時間残業や休日出勤をいとわない姿勢が要求されます。「お客様に嫌な顔をされても耐えられる人か気にしない人であれば頑張れると思う」という意見もあるように、就業にあたっては、精神面・体力面ともに強靭さが必要と言えそうです。縦割りの組織文化が残り、新卒入社・中途入社の別による差があると感じる職員もいるなど、古い企業体質もうかがえます。
また、「女性同士の関わり合いが苦手な人には不向き」「男性にとっては(女性の)心情管理や職員間の仲裁などで神経をすり減らすことが多い」といった声も聞かれるなど、女性が多い職場ならではの気苦労もあるようです。相手の感情を細やかにくみ取るコミュニケーション能力や対人スキルが必須と言えます。
一方で、女性が働きやすい制度が整備されており、福利厚生も充実しているなど、安定した労働環境が用意されていることに評価の声も上がります。成果主義の評価制度についても、「業績を求められる分、それを達成したときの満足感・達成感が得られる」「やっただけ給料が上がるため、やりがいがある」といった口コミも見受けられ、努力の末に挙げた成果が報酬に反映されることにやりがいを見出す人も多いよう。
体育会系の体質はあるものの、働きやすさとやりがいがある社風に馴染みつつ、業務においても実績を挙げられる人材であるかどうかを面接では見極められます。自己分析と企業研究の両面から対策をおこなっていきましょう。
■選考は何次まで?
フコク生命の選考プロセスは、営業総合職の場合、書類選考→支社面談→本社選考(面接および筆記試験)、というのが一般的な流れとなっています。支社面談では採用担当者や支社長との面談のほか、営業所見学もおこなわれます。他の職種においては選考プロセスについてコーポレートサイト上に明記はありませんが、これに準ずるものと推測されます。
2020年3月現在、フコク生命では営業総合職のほか、お客さまサービス担当職・お客さまアドバイザーの計3職種で中途採用をおこなっています。職種ごとに募集要項が異なっているため、自分の希望する職種についてコーポレートサイト内の採用情報ページをしっかりと読んでおきましょう。
■面接内容の傾向は?
フコク生命の面接では、人物理解と仕事への意欲の両方を重視する傾向が見られます。
「オーソドックスな質問が多い」との口コミが見られるように、基本的な質問を通じて応募者の人柄を見ているようです。自己分析を徹底しておこなうとともに、履歴書や職務経歴書の内容に関しては何を聞かれても答えられるよう準備をしておきましょう。中でも志望動機について聞かれることが多いため、「なぜフコク生命を選んだか」を理路整然と説明できる回答を用意しておくとよいでしょう。これまでのキャリアにブランクがある場合、その理由をポジティブに説明できるようにしておくことも重要です。
また、「どのような保険外交員になりたいか?」「当社に入ってやりたいことは?」と聞かれたという口コミも見受けられました。この質問からは、入社後のビジョン、仕事への意欲を探る意図がうかがえます。自己分析の際、「実現させたいキャリアビジョン」についても洗い出し、企業研究の結果と照らし合わせて「フコク生命で叶えたいビジョン」を導き出しておきましょう。フコク生命での業務をしっかりとこなせる軸を持った人物であることを伝えられると好印象です。
フコク生命の面接攻略法(面接対策)
■フコク生命の中期経営計画および経営理念体系を理解した上で自己分析をする
面接に臨む前に必ずおさえておきたいのが、フコク生命の中期経営計画です。
「最大たらんよりは最優たれ」をモットーとするフコク生命。前中期経営計画においては、他社との徹底した差別化に取り組んだ結果、顧客満足度の上昇という成果を上げることに成功しました。この差別化路線を踏襲し、「顧客から最も評価される会社となる」ことをビジョンとして経営を行っていく方針です。
この中期経営計画では、職員の意識を高めてモチベーションを上げることが最終的には顧客満足や顧客のロイヤルティ向上に結びつくという好循環を巡らせることで、事業の質的向上と持続的成長を実現していくとしています。また、10年後にありたい企業としての姿(長期経営ビジョン)を上図右のように設定し、人口変動などの市場変化に対応可能なビジネスモデルの構築やIT技術の活用にも力を入れていく姿勢です。
こうした「他社との差別化」というテーマにおいて非常に重要なのが、「お客さま基点」という価値観です。顧客のニーズに迅速かつ確実に応えることを示すこの価値観は、フコク生命の経営理念体系に組み込まれており、他社と一線を画す「フコク生命らしさ」を実現するためのものとして経営方針や行動原則の基本となっています。中途採用においても、「顧客基点で業務に取り組み、顧客に寄り添ったサービスを提供できる人材」が求められていると言えます。したがって、面接に臨むにあたっては、中期経営計画とともに経営理念体系(経営理念・価値観・経営方針・行動原則)についてもしっかりと理解しておく必要があります。「業務プロセスの質や職員の意識を向上させることが企業としての成長に繋がる」というフコク生命の姿勢に共感し、顧客目線に立てる人物であることをアピールできれば有利です。
■「なぜフコク生命に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接では「なぜフコク生命か」という質問に対する論理的かつ熱意ある回答が求められます。志望動機を問うことで面接官は「これまでの経験や実績をどのように当社で活かすつもりなのか」といった入社後のビジョンとともに、「当社のことをどれだけ理解しているか」「当社の戦略だけでなく、根幹にある価値観や理念までも理解した上で業務に取り組める人物なのか」を見極めようとしています。
自分の希望する職種・業務内容への理解だけでなく、フコク生命の戦略と経営理念体系についてしっかりと理解した上での自己PRが必要です。その一環として、競合となりやすい企業の他社研究も忘れずにおこないましょう。「なぜ他社ではダメなのか」という視点から志望動機を説明できれば、顧客基点を重視する同社の価値観に沿って成果を出せる素地があることもアピールできます。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- プルデンシャル生命保険株式会社
- 三井住友海上あいおい生命保険株式会社
- SOMPOひまわり生命保険株式会社
フコク生命の採用面接で実際に聞かれた質問内容
フコク生命が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。フコク生命の場合、中期経営計画を理解した上で、顧客の目線に立った発想をもとに業務に取り組む姿勢が重視されます。
「体育会系の体質と働きやすさ・やりがいが共存する社風」を意識して、「顧客基点を重視する同社の価値観に沿って成果を出せる人材」と印象づけられるよう、これまでのキャリアや経験からエピソードを選び出しておくと役に立ちます。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、自分の場合に置き換えて回答例を作成することで、面接対策のひとつとしてみてください。
[30代後半・女性/営業マネージャー] 【結果:三次面接で不採用】
[30代前半・女性/営業] 【結果:入社】
[20代前半・女性/営業] 【結果:入社】
[30代前半・女性/営業マネージャー] 【結果:入社】
フコク生命の採用面接に向けて
フコク生命の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「体育会系の体質と働きやすさ・やりがいが共存する社風」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- フコク生命の中期経営計画および経営理念体系を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜフコク生命なのか」に対する答えを明確にしておく。
グローバルウェイ エージェントについてお知りになりたい方はこちらのサイトをご覧ください。こちらからでも登録できます。
「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。