【面接対策】コスモ石油の中途採用面接では何を聞かれるのか

石油事業を包括的におこなうコスモエネルギーグループで、主に石油・原油の輸出入、精製、供給などの事業を担っているコスモ石油。「調和と共生」「未来価値の創造」というグループの理念にのっとり、テレビコマーシャルで誰もが耳にしたことのあるメッセージスローガンを掲げて持続的な発展を追求しています。

業界では大手2社に続き3位につける同社。本社をはじめ、製油所、研究所、油槽所など各所で活躍する社員による口コミを見てみましょう。「給与は、他社に比べて低いが安定性はある」「多種メーカーと比べても悪くはない」と、報酬の水準には納得している人が多いようです。「パソコンの起動時間で管理され、サービス残業はできない仕組みになっている」「休日出勤を強制されることはない」といった口コミからは、フレックスタイム制の活用や有給休暇消化の奨励、長時間労働の削減などを推し進めた働き方改革が奏功していることがわかります。

また「人びとの生活に欠かせない事業に携わっていることを誇りに感じる」「事業以外にも緑化活動や交通遺児へのボランティアに力を入れている」など、社会貢献度の高さを多くの社員が実感し、使命感や責任感を持っていることも特徴のひとつです。「高い意識を持つ社員がとても多い」と評する口コミもありました。

社員一人ひとりの高い意識と、職場環境の積極的な整備は、同社のグループ理念の実現に向けても不可欠な要素であり、会社の成長を支える基盤となっています。中途採用では、こうした環境にフィットし、活躍できる人材であるかが見極められます。

コスモグループの中途採用への応募は、一括してコスモエネルギーホールディングスで受け付けています。まずはコーポレートサイトの採用情報ページで応募職種などの詳細を確認しましょう。2020年4月現在、コスモ石油では製油所の保全や石油プラントの運転員、研究開発などのポジションで人員を募集しています。

選考フローはコーポレートサイトには明記されていませんが、口コミによると書類選考後、2～3回の面接がおこなわれるとのこと。面接官は、人事や部門の担当者、店長、役員クラスなど、段階や希望する部門により異なります。選考にかかる期間は平均2週間程度、中には1ヵ月を要したという口コミもありました。

応募は、履歴書と職務経歴書を採用窓口宛てにメールで提出、または採用情報ページの応募登録フォームにて送信します。同社の案件を扱うエージェントもあるので、相談をしてみるのもよいでしょう。

コスモ石油の中途採用面接にあたっては、エネルギー業界についての理解を深め、自分なりの意見を述べられるよう準備しておくことが大切です。「石油業界において重要なキーワードは何だと思うか」など業界に関する質問が多く、「内定を勝ち取るためにはかなりの勉強が必要だ」という口コミが見られました。

また、頻度の高い質問として「なぜこの仕事を選んだのか」「入社して何をしたいのか」などがあげられます。志望動機を「年収アップのためと素直に答えた」という内定者の口コミも複数みられました。それらに共通しているのは、同業種からの転職であり、前職で取得した資格や営業実績、持ち場での経験値などをきちんとアピールした点です。中途採用の候補者に対し、即戦力としての活躍が期待されていることがわかります。ステップアップを目的とした転職は多いと思いますが、「志望動機」を自身のキャリア、会社の方向性、業界の可能性などさまざまな観点から整理し、前向きさをアピールすることが有効といえるでしょう。

さらに「使う立場と使われる立場どちらが得意か」と質問されたという口コミも。入社後の人員配置の判断材料になりうると同時に、自分自身の得手不得手をどの程度把握し、いかに仕事に活かせるかを確認する意図もありそうです。

コスモ石油の中途採用に挑戦するにあたり、コスモエネルギーグループの第6次連結中期経営計画を理解しておくことが重要です。2022年までの5年間を実施期間とするこの計画は、長期スパンでの事業ポートフォリオの移行を視野に入れて策定されています。

石油事業において、地球温暖化対策への取り組みは重要視されるものです。日本も批准したパリ協定の発効や、それらの流れを受け活発になっている電気自動車（EV）の開発など、業界の情勢は大きな変化の中にあります。コスモ石油では、2030年頃までは微減の傾向はあれど石油ビジネスが健在であると見通した上で、既存事業の改善・強化と新事業の構築を強固かつバランスよく推し進める計画です。

このエネルギー事業の過渡期ともいえる現在を「Oil & New」と表現し、中期経営計画の基本方針として位置づけました。「Oil」は既存の石油事業を、「New」は再生可能エネルギーなど石油以外の事業を指しています。これに準拠しグループ各社が具体的な戦略を設ける中、コスモ石油でも以下のような施策を定めました。

石油事業においては、石油の伸びしろを見落さずに収益化すべく、燃料としてだけでなく素材・原料としての可能性にも着目。徐々に比重をシフトさせていく予定です。さらにコーカー（重質油熱分解装置）への投資や製油所のIT化を推進することで、既存事業の効率化と稼働率の向上を図ります。また「New」の分野では石化事業との相乗効果を狙うなど、前述したポートフォリオの変容に寄与するものとなる予定です。

国際海事機関（IMO）が定める、船舶燃料規制の変更による油種構成の変革や、2018年の千葉製油所の新パイプラインの完成など、あらゆる変化を好機ととらえ、2017年度比で390億円の増益を目指しています。

このようなグループの描く未来と、その中でコスモ石油が担う役割を把握し、ともに同じゴールを目指す一員としてふさわしい人材であることをPRできれば、入社が見えてくるでしょう。

コスモ石油の中途面接にあたっては、「なぜコスモ石油か」という質問に対する回答を明確にしておくことが重要です。面接官は、「前職までのキャリアで候補者が経験したことは何か」「それを当社でどのように活かしてくれるのか」をこの問いにより確認しています。また志望動機からは、候補者が会社のことをどれだけ理解しているのかも見極められます。

そこで、コスモ石油をよく理解するために、競合他社の研究をおすすめします。日本の石油業界には比較的明瞭な業界マップが存在し、各社の相関関係や、統合・合併の歴史、提携内容などを知ることで、理解が深まります。その上でそれぞれの事業規模や特徴をつかめば、自ずとコスモ石油の立ち位置や独自性が見えてくるのではないでしょうか。具体的には、以下のような企業についてあらかじめ研究しておくとよいでしょう。

• JXTGホールディングス株式会社
• 出光興産株式会社
• 太陽石油株式会社
• キグナス石油株式会社

企業研究や他社との比較といった作業を通し、コスモ石油の目指す方向性や必要としている人材像がだんだん見えてきたのではないでしょうか。コスモ石油の場合、変革期を迎えようとする石油業界で、グループが一丸となって目指すゴールを理解し、高い意識を持って仕事に臨める人材であると印象づけたいところです。

企業について研究を重ねるとともに、自身のキャリアやプライベートで得た経験や知識、また将来の展望などをていねいに整理しておくことも大切です。そして会社の方向性と照らし合わせ、理路整然と自己アピールできるよう対策を進めましょう。面接でどのような質問をされても臆さぬよう、さまざまなエピソードを棚卸しし、シミュレーションしておくとよいでしょう。

以下、実際に経験者が面接で聞かれた質問をご紹介します。

コスモ石油の採用面接に向けて、ぜひ押さえておきたい重要なポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

• ポートフォリオの移行を見据えるコスモエネルギーグループが一丸となって目指すゴールを理解し、高い意識を持って業務に当たれる人材あることをアピールする。


• 連結中期経営計画と、その基本方針「Oil & New」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。


• 石油業界と競合他社について研究し、「なぜコスモ石油か」に対する答えを明確にしておく。