セイコーインスツルの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
「誠実・信頼・感謝」を経営理念、「時を創り、時を活かし、時を豊かに」をコーポレートアイデンティティとして掲げ、半導体・電子・精密機器の製造を行っている、セイコーインスツル。
働く人からは「新しいことに挑戦できる環境」「意欲があれば広範囲の仕事をまかせてもらえる」といったことがやりがいとして挙がっており、多くの社員が「勤勉・創造」という行動指針を実現していることがうかがえます。
社内は「のんびりしている」「失敗をしても強くとがめられることはない」などの口コミが多く、平和な雰囲気を「対立を好まない事なかれ主義」「危機感がない」と感じる人も。実際に2016年を境に業績が伸び悩んでおり、「がんばっても報酬に反映されづらくなっている」ことが、不満や退職理由として挙げられています。
コロナショックで腕時計の部品は伸び悩みそうですが、電子部品にはポテンシャルがあり、中途採用も継続中。
仕事に誠実に取り組み、人との信頼を築き、苦境にあっても感謝の気持ちを忘れない。
このような社風にマッチする人材が求められています。
■選考は何次まで?
HPに中途採用情報はほとんどなく、転職エージェントを通じて応募することになります。キャリコネにも2020年4月時点で5件の求人が掲載されています。書類通過後は、「適性検査と面接2回だった」、「グループディスカッションがあった」などの体験談が寄せられており、技術職では技術テストが行われることも。選考期間は2週間程度と迅速です。
面接の雰囲気については「雰囲気がよく、話しやすかった」「質問にも答えてもらえる」「本音で話せた」といった口コミが多く、和やかな面談であることがうかがえます。「風土にマッチできるかが重要」との声が挙がっており、入社後面接官と飲みに行ったという人も。フィーリングが合いそうかどうかは「面接官は穏やかで真面目な印象」「人当たりがいい人が採用されている」などの口コミが参考になるでしょう。
風土に合うという印象をより強固にするため、「勤勉」「創造」という行動指針や、「匠・ときめき」といった発想指針も参考に、今までの経験からこれらに合致するエピソードをいくつか準備しておき、落ち着いて穏やかに話すとよさそうです。
■面接内容の傾向は?
「志望動機」「キャリアビジョン」「退職理由」「強み弱み」「特技」といった、一般的な質問が多く、基礎的な対策をしっかりとやっておくことが重要です。
その中で「今までのスキルのことはあまり聞かれず、これからどうしたいかが話の焦点になった」という趣旨の口コミが複数寄せられています。注意したいのは本人の希望を聞いているようでおそらく「企業研究をしてきたかどうか」を審査されているということ。例えば営業であれば「お客様に誠実に接し、信頼を寄せられるような存在になりたい、御社の企業理念を読んでそれが可能だと思った」など企業を志望する理由を含めて答えるようにしましょう。そう思った理由を今までの仕事の経験から具体的なエピソードとともに話すことで真実味が増します。
また、「スキルとやりたいことを結び付けて答えるとよい」というアドバイスが寄せられていることから、例えば特技であれば「〇〇を10年続けています、その継続力を〇〇に活かしたい」というように、すべての回答を仕事に結び付けて自己PRにつなげられるようにしておきましょう。
これらは「基本的なこと」で「当たり前」と思うかもしれません。しかし、ざっくばらんな面接ではリラックスしすぎておろそかになりがちなので、要所要所で気をひきしめてしっかりと自己PRにつなげたいところです。
セイコーインスツルの面接攻略法(面接対策)
■セイコーインスツルの「中期経営戦略」を理解した上で自己分析をする
セイコーインスツルの面接対策として、持ち株会社のセイコーホールディングスの経営戦略を参考に、会社の向かう方向性を理解しておきましょう。コロナによる計画の変更にも注意が必要です。
セイコーインスツルの人材戦略は、経営戦略に基づいて決定されます。経営戦略を理解し、会社が向かう方向性に対し自身がどのように貢献できるのか、自己分析しておきましょう。
持ち株会社のセイコーホールディングスの中期経営戦略によると、根幹の電子デバイス事業においては、「成長市場での得意分野に重点的にリソースを注ぐこと」、「新たな成長分野への投資を行うこと」を戦略の二本柱としています。
自社のノウハウの中でも「小型化」、「省エネ化」、「ソリューション提案力」に注目し、時代を動かすような製品を2025年までに生み出すことが目標です。
「時代を動かすような製品」に関わったり支えた経験や「ソリューション提案力」を示すエピソードがあれば積極的にアピールしたいところです。
気になるコロナの影響ですが、3月12日のITメディアの報道によるとセイコーホールディングスは「AIが予測するコロナショックで増益する企業」に選ばれています。影響はあっても軽微か、もしくは電子機器の巣ごもり需要によって増益すると考えられます。
■「なぜセイコーインスツルに転職したいのか」の明確化には他社研究も忘れずに
セイコーインスツルの面接を受ける際には、「なぜセイコーインスツルなのか」という質問に対し的確に回答する必要があります。この質問には、応募者が即戦力となり得る人材か、応募者の希望の仕事が当社で実現できるかといったことを確認する目的もありますが、それ以上に、「本当に当社のことを理解して応募してきたか」を評価するという目的を兼ね備えています。
同じ業界や職種の中でもセイコーインスツルを志望する理由を明確にする。そのためには、競合他社の企業理念や経営戦略と比較し、セイコーインスツルの優れた部分を理解しておく必要があります。
また、花形の腕時計の企画製造販売事業は、2020年、「セイコーウォッチ株式会社」に移管されました。セイコーインスツルでは電子部品や電池のみ製造しているようなので、志望動機を述べる際には特に気をつけましょう。
- カシオ計算機株式会社
- シチズン時計株式会社
- ソニーLSIデザイン株式会社
セイコーインスツルの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、セイコーインスツルの面接対策としては、自分の強みの中から経営戦略に合致する部分を見つけ、同業他社やグループ会社との比較の中で「なぜセイコーインスツルなのか」という志望動機を深堀りしておくことが大切です。
「仕事に誠実に取り組み、人との信頼を築き、苦境にあっても感謝の気持ちを忘れない。」という社風に合うことを示すようなエピソード、「時代を動かす製品・ソリューション提案力」といった経営戦略に合致するエピソードを用意しておき、当日は面接官との和を重んじながらそれらの自己PRを話の中に盛り込むとよいでしょう。
実際に面接を受けた人がどのような質問をされたのかをご紹介します。回答例からは、ざっくばらんな雰囲気に流されてつい本音が出てしまう受験者の様子が伝わってきます。面接が和やかだとしても、面接であることを忘れずに、話を進めるようにしましょう。
20代後半男性/技術関連職【結果:入社】
20代前半女性/機械設計【結果:面接中止】
40代前半男性/電気・電子回路設計【結果:1次面接で不採用】
30代前半男性/研究開発【結果:入社】
セイコーインスツルの採用面接に向けて
セイコーインスツルの面接準備では何が重要か、まとめてご紹介してきました。以下の4点について、再度しっかりと頭に入れたうえで準備を進めてください。
- 「仕事に誠実に取り組み、人との信頼を築き、苦境にあっても感謝の気持ちを忘れない。」という社風に合致する言動を心がける。
- セイコーインスツルの経営戦略で重視される「時代を動かす製品・ソリューション提案力」に合致するエピソードを自己PRに落とし込む。
- 行動指針や発想指針も参考に、「一般的な面接の質問」に対する対策を行う。
- 競合他社・グループ会社の事業内容や経営理念、経営戦略などを比較し、「セイコーインスツルを志望する理由」を明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。