東京ガスの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
「快適な暮らしづくり」と「環境に優しい都市づくり」を企業理念に、都市ガスを中心としたエネルギーの提供を行っている、東京ガス。
実際に働く人の口コミによると「社会的な基盤に貢献できる」「自分の仕事がダイレクトに社会に影響を与える」など、社会インフラを支えることにやりがいを感じている様子。近年は海外事業にも力を入れていることから、「大きな仕事に関わりながらバラエティに富んだ仕事を経験し、キャリアパスを形成できる」といった点も、仕事の満足につながるのだとか。
社内の雰囲気は「割と放任」で、「仕事ができる人はどんどんスキルを身に着ける」のだそう。けれども、結果的にただ在籍しているだけの状態になる人もおり、「言われたことだけやっていればいいという人が多い」のが気になる部署もあるようです。
また、「発展を謳ってはいるがお役所仕事」と感じている社員もおり、安定と挑戦の狭間で悩む社員もちらほら。
企業理念には「常に信頼を得て発展」とも書かれていますが、その実現のためには、会社の安定性に寄りかかるのではなく社員一人ひとりが自ら発展していく姿勢が必要です。
「快適な暮らしづくり」や「環境に優しい都市づくり」といった社会的使命に誇りを持ち、自らやりがいと発展性を見出していく。 こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
東京ガスの中途採用について公式HPに情報はなく、転職エージェントを通して情報を得ることになるでしょう。面接回数などについても公式の情報はありませんが、口コミによると筆記試験と面接数回が行われたとのこと。選考期間は2週間から1カ月程度です。
雰囲気は「面接官は明るく真摯な印象」など、話しやすかったという人が多いようです。「チームで成し遂げることを重視していると感じた」「場の空気を読むことが大切」といった口コミもあることから、面接に挑む際は協調性を大切にするとよいでしょう。
面接プロセスについての情報は少ないものの、どのような形式であれ、会社が何を重視しているかは行動基準や行動理念を読むことでうかがい知ることができます。
会社の行動基準には「フェア」「誠実」「公正」といった言葉が並んでおり、社員に高い倫理観を求めていることがうかがえます。今までの仕事の中でどのように周りからの信頼を得てきたか、社会人としての良識を守ってきたかどうかといった点はシビアに観察される可能性が高いでしょう。
行動理念には「向上」「改善」「発展」といった言葉が多用されていることから、今までの職務についても向上心を持って取り組んできたかどうかが重要視されそうです。
■面接内容の傾向は?
「志望動機について突っ込まれた」という口コミが多数見受けられます。深掘りされても論理的に答えられるよう、回答の内容を様々な角度から検証しておきましょう。回答を掘り下げるタイプの質問に対応するためには、企業研究をしっかりと行うことが欠かせません。
後述の経営戦略や競合他社との比較に加え、転職を希望する理由から入社後の目標や、東京ガスで取り組みたいことについてまで、全体を一貫性を持ったストーリーとして語れるように、準備を万全にしておきましょう。
「事前準備をしても答えられない、その場で考えさせる質問が多い」といった内容の口コミも多く、用意してきた回答よりは本音を聞き出そうとする面接官の意図がうかがえます。「嘘をついても話を膨らまされたときに対応できない」という口コミからもわかるように、最終的には素の自分で勝負せざるを得ない面接だと言えるでしょう。
まずは行動基準の通り面接官に「誠実」に、嘘をつかず素直にハキハキと答えるよう心がけたいところです。
東京ガスの面接攻略法(面接対策)
■東京ガスの「中期経営戦略」を理解した上で自己分析をする
東京ガスの面接を受ける際には経営戦略にも目を通しておきましょう。会社の向かう方向性をしっかりと理解することによって、より的を得た志望動機をまとめることにもつながります。しっかりと理解しておきましょう。
東京ガスの経営戦略を知ることにより、今どのような人材が求められているのかを理解することができます。自己分析の際は、経営戦略をしっかりと読みこんだうえで、自身の経歴や考え方と合致する部分を見つけ、自己PRにつなげましょう。
グループ全体の目標としては、電気ガス事業以外に注力する意向であることに注意したいところです。現状は売り上げ規模の小さい、海外事業とソリューション事業に注力し、2030年までに各事業を売り上げの25%にまで成長させる意向です。逆に言うと、2030年には、電気ガス事業が売上全体の50%を占めるに過ぎない状態を目指しているということです。このような多角化によって、現在1200億円の利益を2000億円にまで成長させるとしています。
そしてグループのもう一つの大きな目標が、CO2ネット・ゼロ化への具現化。CO2削減貢献-1000万トンを実現させるため、排出抑制技術の獲得や、再生エネルギーの有効利用に取り組んでいくとのことです。
目標達成のために、注目されている戦略の一つが、環境にやさしいエネルギーとして需要が増している液化天然ガス(LNG)の取扱量の拡大。新会社を設立してグループの柱となるビジネスに成長させるとしています。
このような事業多角化、環境への取り組みに対し、自身がどのように貢献できそうか、具体的なエピソードがあれば自己PRに落とし込んでおきましょう。
■「なぜ東京ガスに転職したいのか」の明確化には他社研究も忘れずに
東京ガスの面接では、「なぜ、当社を志望したのか」という志望動機について深く掘り下げられるとのことでした。志望動機を掘り下げて質問する意図は、「この応募者は即戦力としてなり得るか」「応募者のやりたいことが当社で実現可能か」といった点をチェックするのはもちろんですが、それ以上に「どれくらい当社のことを理解しているのか」という点を審査することにあります。
東京ガスは前述のように多角化を進めている最中のため、今までになかった様々な企業が競合候補として挙がってきています。
例えば平成28年に電力自由化がスタート後、東京ガスを含め、ソフトバンクや東急といった様々な会社が参入しました。ほかには、不動産やライフソリューション事業にも参入しています。一方で平成29年にはガスの自由化が始まり、東急などがガス事業の方に参入してきています。
以下のような企業と比較し、志望理由の「なぜ」を掘り下げて考えておきましょう。
- 大阪ガス株式会社
- ソフトバンク株式会社
- 株式会社 東急パワーサプライ
東京ガスの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、東京ガスの面接準備においては、経営戦略を意識した自己PR内容の整理と、他社研究も踏まえ志望動機についてさらに踏み込んだ自己分析を行っておくことが肝要です。
そして面接当日は「社会的使命に誇りを持ち、自らやりがいと発展性を見出していく」といった社風に合致するエピソードを用意しておき、行動理念や行動基準も参考に、会社の一員となるにふさわしい印象を与えるように気をつけましょう。
さらに、電気ガス事業以外への注力や、環境への配慮といった経営戦略にどのように貢献できるのかを具体的に話し、会社の求める人材と合致するという印象につながるような自己アピールができるとよいでしょう。
実際に面接を受けた方が当日どのような質問をされたか、いくつかご紹介します。志望動機を突っ込まれて窮する状態が伝わってきますので、これらの情報を参考に、しっかりとした準備を心がけてください。
20代後半・男性/代理店営業【結果:一次面接で不採用】
年代非公開・女性/建設コンサルタント【結果:結果待ち】
20代前半・男性/技術関連職【結果:2次面接で不採用】
東京ガスの採用面接に向けて
東京ガスの面接前に、重点的に対策しておきたい点についてご紹介してきました。以下の4つの点に力点を置き、万全な準備を整えて挑みましょう。
- 「社会的使命に誇りを持ち、自らやりがいと発展性を見出していく」という社風に合致するエピソードを準備しておく。
- 競合他社と比較することにより、「なぜ、東京ガスか」を掘り下げて答えられるように準備しておく。
- 退職理由・志望動機・将来の展望を一貫性の持ったストーリーとして語れるようまとめておく。
- 東京ガスの経営戦略に沿って自己分析し、自分が会社にどのように貢献できるのかを具体的に話せるようにまとめる。
- 当日は、行動理念や行動基準も参考に、会社の一員となるにふさわしい態度をこころがける。
準備を整えたら、当日は面接官に誠実に、嘘のない自分の言葉で伝えるようにしましょう。
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慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。