日立コンサルの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
2002年、日立製作所の100%出資で設立された日立コンサルティング(以下、日立コンサル)。日立グループのナレッジを活用したコンサルティングを強みとし、マネジメントコンサルティング、業務コンサルティング、ITコンサルティングなどをサービス領域としています。
そんな同社の口コミには、「日立絡みの案件が多い」といった内容が多く見られます。特に、ITコンサルでは、日立からのシステムインテグレーション案件を扱うことが多いようです。そのため、「ITコンサル系は日立製作所の雰囲気を継いでおり、休日出勤は少なく、残業も多くない」という声もありました。一方で、「ビジネスコンサル系はいわゆるコンサル的な働き方になりがち」という声も。このように、扱う領域によってコンサルスタイルや部門の雰囲気も違うため、「入社前にイメージしているコンサルタントの仕事とギャップを抱いている人が多いのではないだろうか」といったコメントも見受けられます。入社後にギャップを生じさせないためにも、事前に領域ごとの特徴について調べておくことが重要でしょう。
そのほかには、「自由闊達な人が多く、能力とやる気があれば、提案やデリバリーも自由にやらせてもらえる」「チームワークがとてもよく、互いに助け合って苦難を乗り越えられる」といった口コミが見られました。こうした口コミからは、主体性と協調性を重視したフラットな社風がうかがえます。性別や国籍に関係なく能力を発揮できる環境も、そうした社風を表しているといえるでしょう。
社風にフィットするかどうかは、入社を決める上で重要なポイントのひとつです。ここで紹介した社風を参考に、自己分析をおこなってみるとよいでしょう。
■選考は何次まで?
原則的な選考プロセスは以下のとおりです。
1. エントリー(採用ページのエントリーフォームより希望職種に応募します)
2. 書類選考
3. Web適性テスト
4. 一次面接(応募部門の面接官)
5. 志望動機書(志望動機を書面にまとめます)
6. 二次面接(応募部門上位職の面接官・人事面接官)
7. 内定
応募から内定までの所要期間は1カ月~1.5カ月程度ですが、職種によっては2カ月程度かかる場合もあります。なお、内定に至らなかった場合でも、原則として1年以内の再応募はできません。
2020年5月現在、各種領域のビジネスコンサルタントを募集中です。詳しくは、コーポレートサイトに設けられた採用ページで確認をしてください。
■面接内容の傾向は?
一般的な中途採用面接での質問にくわえ、コンサルならではの質問対策が必要です。たとえば、過去には、「北海道にピアノの調律師は何人いるか?」「東京から京都までの間に、新幹線で売られるお弁当の数はいくつだと考えられるか?」といった質問が出ました。このように、限られた情報をもとに仮説を立てて思考をすすめていく「フェルミ推定」は、コンサル業界では非常によく出る質問です。これは、コンサルの仕事が論理的思考力を必要とするものだからでしょう。どんな質問に対しても論理的な説明を心がけてください。
また、具体的なビジネス課題をどう解決するかという「ケース問題」も頻出します。こうした面接への対策としては、事前に対策本を読むといったこともあげられますが、日頃から判断の理由を数字やデータで裏付けたり、論理に一貫性を持たせたりする意識を持つことが大切です。
コンサルタントには難しい問題から逃げ出さず、楽しみながら取り組める資質が求められます。面接では、「正解」を出すこと以上に、そうしたコンサルタントとしての資質が見極められるといえるでしょう。考えること自体を楽しめる知的体幹の強さやコミュニケーション力をアピールできれば、内定へ一歩近づけるはずです。
日立コンサルの面接攻略法(面接対策)
■「日立コンサルティング・アイデンティティ」を理解した上で自己分析をする
日立コンサルの面接を受ける前に、同社が目指す姿を理解しておきましょう。
同社では、MISSION・VALUES・VISIONを「日立コンサルティング・アイデンティティ」として定めています。その源流にあるのは、日立グループとしてのアイデンティティです。
多種多様な企業がそれぞれの強みを生かして、“ビジネスエコシステム”を創り出すことが重要だと考えている同社。そのために、事業会社が抱える課題解決に向けたソリューションを提供することはもちろん、企業・団体・産業・国境を越えた協創の機会を創り、その具現化と定着を推進する役割を担うとしています。こうした役割によって、社会イノベーションを実現させることが同社の目指す姿です。
同社への入社を目指す場合には、「日立グループアイデンティティ」ならびに「日立コンサルティング・アイデンティティ」への理解が不可欠です。同社が実現したい世界をしっかりと見据え、その上でコンサルタントとしてどういったアプローチで関わっていきたいのかを具体的に考えてみるとよいでしょう。
■「なぜ日立コンサルに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ日立コンサルなのか」というものがあります。この問いに答えるためには、志望動機を掘り下げて明確にすることが大切です。同社についての情報を収集・分析することにくわえ、業界や職種への理解を深めることで、より説得力のある回答につなげられるでしょう。同業他社について調べることは、コンサルスタイルの特徴だけでなく、組織文化や風土の違いを知ることにつながります。そうした違いを明らかにしたうえで、「なぜ日立コンサルなのか」という問いに対して、自分の考えを論理的にしっかりと語りましょう。
ここでは、研究対象の例として4社をピックアップします。
- アクセンチュア 株式会社
- 株式会社 クニエ
- アビームコンサルティング 株式会社
- 日本アイ・ビー・エム 株式会社
日立コンサルの採用面接で実際に聞かれた質問内容
日立コンサルが目指している方向性や、求める人材像が明らかになってきたのではないでしょうか。
日立製作所100%出資のコンサル会社である同社は、日立との関わりが非常に大きくなっています。日立グループの幅広い経験値や知見をベースに仕事に取り組める点は大きなメリットであり、仕事を通じて世の中に与えるインパクトも大きいといえるでしょう。そうした社会的責任をしっかりと認識した上で、コンサルタントとして主体的に価値を出していける人材であることをアピールしたいところです。また、企業のコンサルをおこなうにあたり、視座の高さを持ち合わせていることを伝えられるようなエピソードを用意しておくとよいでしょう。
ここからは、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。面接対策の参考にしてください。
[20代後半・男性/コンサルティング営業] 【結果:一次面接で不採用】
[20代後半・男性/経営幹部] 【結果:二次面接を辞退】
[20代後半・男性/経営コンサルタント] 【結果:一次面接で不採用】
[20代後半・男性/生産・物流コンサルタント] 【結果:二次面接で不採用】
日立コンサルの採用面接に向けて
日立コンサルの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 主体性と協調性を重視したフラットな社風のなかで、コンサルタントとしてどういった価値を出していきたいのかを明確に伝える。
- 「日立コンサルティング・アイデンティティ」を理解し、これに沿った自己分析をおこなうことで有益な自己PRにつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜ日立コンサルなのか」に対する答えを明確にしておく。
以上を参考に準備をすすめ、面接当日は論理の一貫性を意識して臨みましょう。
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