マイクロンジャパンの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
「『これから』を想像するために」を企業理念に、メモリの生産や高速ストレージ技術を開発する米マイクロン社の日本法人であるマイクロンジャパン。働く人からは「空きポストがでると社内で公募がかかり、実力さえあれば目指すポジションに就ける」「英語を活かすことができる」などがやりがいとして挙げられており、典型的な外資系企業といった雰囲気が伝わってきます。海外勤務も公募により可能なので、海外志向の人は特に目標を持ちやりがいを感じることができる様子です。
給与については「同業他社と比べても良い」という声が多いですが、業績が市況に左右されやすいため、頑張ってもインセンティブが出づらい時期もあるようです。
なお、リストラに関しては相当ドライな様子もある同社。口コミには「本社の方針に沿って組織をスクラップ&ビルドしていく」「担当部署が日本からなくなってしまうので退社した」などの声が挙がり、リストラの際は「希望を聞くこともなく問答無用」との意見もありました。そもそも、「労働者は1か所で腰を落ち着けて働くべきだ」という発想自体がないようにも見えます。同社のコーポレートサイトでも「アイデア」「イノベーション」という言葉が多用されており、変化を重視する価値観が伝わってきます。
「これから」を創造するために、アイデアやイノベーションを大切にして、変化を怖がらない。こうした社風にフィットする人材かどうか、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
マイクロンジャパンの求人情報は、エージェント経由か、コーポレートサイトから得ることができます。気になる英語力についてですが、英語力が必須の職種に関しては、応募要項そのものが英語で記載されています。英語力が最優先でない職種は求人票も日本語です。例えば、逆に「日本語ができる」ことが要件で英語力に関する記載がない求人や、「辞書を使って英語の読み書きができる」レベルが要件となっている求人もあります。しっかりと確認の上、応募しましょう。
また、多くの職種で「半導体に関する基本的な知識」が要件となっています。どのような知識があるのかわかるよう、書類をまとめておいてください。
コーポレートサイトに選考フローの情報はありませんが、口コミによると簡単な漢字や算数の筆記試験と、面接2~3回がおこなわれるとのこと。日本人以外が面接官を務める場合もあるようです。選考期間は1週間から3カ月以上と、人によって異なります。スケジュールに余裕をもって応募しましょう。
■面接内容の傾向は?
面接の雰囲気は職種によってかなり異なり、「全て英語で行われた」という人もいれば「雑談のような感じだった」という人、「志望動機など、一般的な質問を重視していた」という人もいます。
「英語をもっと勉強しておけばよかった」と感じた人もいることから、英語力に関する要件が記載されている職種では特に、志望動機や今までの職務などの質問に対して英語でも回答できるよう、準備しておきましょう。
質問内容としては、「なぜあなたを採用すべきなのか」について掘り下げて質問されることがあるようです。後述の「経営戦略」も参考に、会社のニーズに沿った自分の強みをわかりやすく説明できるようにしておきましょう。バックオフィス系の職種では、「社員の英語力をアップさせるにはどうしたらいいか」など、会社の課題に対してどうするかを判断する質問もされます。
相手が日本人以外であることも多いため、実際に面接を受けた人からは「要点を簡潔に話す」「自己アピールに力を入れる」などのアドバイスが寄せられています。この2点を意識して話すようにしましょう。
マイクロンジャパンの面接攻略法(面接対策)
■マイクロンジャパンの経営戦略を理解した上で自己分析をする
マイクロンジャパンの面接を受ける前に、同社の経営戦略について調べておきましょう。決算資料やニュースから、会社の目標や課題が見えてきますし、同時に今後どのような人材が必要とされるかを理解することができます。
今後の世界では5Gの普及やAIの発展により、DRAMやNAND型フラッシュメモリの需要が伸びることが予想されます。米マイクロン社の2019年決算発表によると、20年はDRAM市場の伸びに対して供給の伸びが低い見通し。NAND型フラッシュメモリも、供給が需要を下回ることを見込んでいます。
このような市況を踏まえ、米マイクロン社は2020年に最大80億ドルの設備投資を実施するとしています。その中には、広島に新棟を建設する予定もあります。組み立て・テストを台湾・台中の新工場でおこなうなど後行程の内製化に努めており、マレーシアにも後行程を担う工場を建設中。最終的に、自社生産の割合を50%以上に高めることが目標です。 技術面ではDRAM事業・NAND事業のそれぞれで、微細化や多層化が最重要課題としています。
新工場のオープニングスタッフとして貢献した経験や、台湾やマレーシアの企業との取引経験などがあれば、自己PRに取り入れるとよいかもしれません。
■「なぜマイクロンジャパンに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
マイクロンジャパンの面接では、「なぜマイクロンなのか」について掘り下げて質問されることがあります。応募者は「こういう仕事ができそうだから」「今までの経験を活かせそうだから」といった理由を答えがちです。しかし面接官が最も重視するのは、「どれだけ当社について調べたうえで応募してきているか」という点でしょう。
同じ業界や職種の中でもなぜマイクロンなのか。面接官を納得させるためには、同業他社について調べ、その違いを理解しておく必要があります。例えば次のような企業について、経営理念や経営戦略などを見比べてみてください。そしてマイクロン社だけの魅力を見つけ、簡潔に伝えられるよう英語と日本語でまとめておくとよいでしょう。
- サムスングループ
- キオクシア株式会社(旧・東芝メモリ株式会社)
- インテル株式会社
マイクロンジャパンの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、マイクロンジャパンの面接準備には、志望動機の中で「なぜマイクロンなのか」を明確にするため競合他社と比較し、「会社にどのように貢献できるのか」を具体的にするため、経営戦略に沿って自分の強みを分析しておくことが不可欠です。これらについて、できる限り日本語・英語の両方で説明できるようにしておきましょう。
そして面接当日は「『これから』を創造するために、アイデアやイノベーションを大切にして、変化を怖がらない」という社風を踏まえ、積極的に自己アピールしてください。また「後行程の内製化」や「DRAM・NANDの微細化や多層化」に貢献できる人材であることを示せるエピソードをいくつか用意しておくとよいでしょう。
同社コーポレートサイトには「メモリやストレージは単に情報を保存するだけではなく、その意味や価値を活用するためのツールへと進化」と書かれています。そのため、メモリやストレージを日ごろどのように活用し、どのような可能性を感じているかについてもまとめておくとよいかもしれません。
面接経験者が実際にどのような質問をされたのか、いくつかご紹介します。自分ならどう答えるか、面接をイメージしながら読んでみてください。
[20代後半・男性/オペレーター] 【結果:入社】
[30代後半・男性/経営企画] 【結果:1次面接で不採用】
[40代後半・男性/代理店営業] 【結果:入社】
マイクロンジャパンの採用面接に向けて
マイクロンジャパンの面接の傾向と対策についてご紹介しました。特に以下の4点について、しっかりと準備を整えておきましょう。
- 「『これから』を創造するために、アイデアやイノベーションを大切にして、変化を怖がらない」という社風を念頭に置いて、適切なふるまいを心がける。
- マイクロンジャパンの経営戦略に沿って自分の強みを分析し、「当社はなぜあなたを採用すべきか」明確に説明できるようにしておく。
- 回答は英語・日本語の両方で用意しておく。
- 競合他社と比較し、「なぜマイクロンなのか」について明確な答えを用意しておく。
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慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。