マクニカの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1972年、既存の同業他社が市場を占める中、従業員数名の規模でスタートしたジャパンマクニクスを前身とするマクニカ。半導体などの電子部品の取り扱いおよびオリジナル製品の開発・販売を経営の両輪として成長してきた同社は、技術発掘力・開発力に定評があります。2015年には富士エレクトロニクスと経営統合し、マクニカ・富士エレホールディングスを設立。現在はその完全子会社というポジションにあり、これまで以上に積極的に海外進出するなど、拡大したグループ規模を活かした事業展開をおこなっています。
創業当初から成果の追求と技術力養成にこだわる姿勢で経営をおこなってきたマクニカの社風は、フラットで実力主義色が強いようです。「社内の風通しが良い」「若くても『できる人』は評価される社風がある」「確実にステップアップできる環境が整っている」といった口コミが多く寄せられています。「担当者に権限が委譲されており、物事をおこなう際に常に承認を取らなくても実行できる」との口コミもあり、主体的に業務を進められる人には適したフィールドがあるよう。その一方で、「仕事のプレッシャーや残業過多などから体調を崩し、退職を決断した」という人もいるため、就業にあたっては、裁量権の大きさに耐えうる精神力や体力が必要と言えそうです。
同業他社の中では比較的若い企業であることが一因だと推測される、こうしたマクニカの企業文化ですが、経営統合によるグループの組織拡大に伴い、「コミュニケーションミスによる業務への悪影響などの『大企業病』も見られる」との声も。職場の雰囲気が部署や上司によって大きく左右されると感じる人も多いことから、応募の際には部署の状況や業務内容の確認が重要です。
フラットで実力主義色の強いマクニカの社風にフィットし、与えられた裁量権を適切に行使して成果を挙げられる人材であるかどうかは、採用面接において重視されるポイントです。創業当初から続くスピリットをはじめとする企業研究や、働き方やキャリア形成の方向性も含めた自己分析といった、多方面からの対策が欠かせません。項目ごとに整理していきましょう。
■選考は何次まで?
コーポレートサイトによると、マクニカの中途採用面接の選考は、メールまたは書面によるエントリーからスタートします。エントリー情報をもとにした書類選考通過後、2回の面接(人事面接・配属部門面接)およびSPI・適性検査、となっています(職種により異なる場合あり)。「筆記試験は文系(出身者)には難しかった」との口コミが見受けられるため、文系出身の応募者は事前にしっかりと対策しておく必要があります。
2020年5月現在、マクニカではネットワーク系の技術職と営業職で中途採用をおこなっています。採用ページには、中途入社社員による対談や、革新的なプロジェクトに焦点を当てた「プロジェクトストーリー」といったコンテンツが用意されています。また、新卒・中途共通採用ページには、マクニカの事業や企業文化、求める人材像といった、面接対策に役立つ情報が多く盛り込まれているため、必ず目を通すようにしましょう。
■面接内容の傾向は?
マクニカの面接では、応募者がどのようなビジョンを持っているかが重視されます。
「現在の仕事をベースに、将来的にどういうことをしたいか」「どのようなイメージを持って当社で活躍していきたいと思うか?」「20年後の理想像を教えてください」など、業務への取り組み方を未来志向で問われるのが特徴です。中には「10年後には管理職になっていたいか、もしくは担当として現場で働いていたいか?」と、かなり具体的に問われた人も。マクニカの事業やカラーに即したキャリアビジョンを明確に描いておくことが必要です。そのためには自己分析と企業研究の結果をすり合わせ、自分のどのような点がマクニカでの業務に活かせるのかをはっきりさせておくとよいでしょう。自分の強みだけでなく、弱みについても掘り下げ、ビジョン実現のために弱みをどのようにカバーしていくかも考えておきましょう。
また、志望動機を問われることが多く、趣味、人生を変えた出来事などについても質問されることがあるようです。ビジョンとともに人物理解を重視する傾向も見られるため、中途採用面接でオーソドックスと思われる質問に対しては事前に回答を用意しておくと役立ちます。特に志望動機については、マクニカの社風や企業文化、創業以来続くものづくりへの姿勢などを理解していることを盛り込むとよいでしょう。
マクニカの面接攻略法(面接対策)
■グループ中期経営計画とマクニカのコアバリューを理解した上で自己分析をする
面接に臨む前に必ず押さえておきたいのが、マクニカ・富士エレホールディングス(以下、マクニカ・富士エレHD)の中期経営計画です。2019~2021年度を対象としたこの中期経営計画では、統合後10年となる2025年をひとつの節目とし、その中間に当たるこの3年間を転換期と設定。成長戦略とともに新規付加価値の創出に注力することとしています。
成長戦略の骨子は、半導体事業の国内ポジションの維持および事業領域拡大と、ネットワーク事業の対象市場拡大および独自技術サービスによる競争優位性の維持。半導体の流通のみならずその応用ビジネスの可能性を探り、デジタルトランスフォーメーションを支援するソリューションの開発などに取り組むとしています。
新規付加価値事業戦略としては、収益性の高い企業へと転換を図るため、半導体事業・ネットワーク事業に次ぐ第三の付加価値事業の創出、事業ポートフォリオの変革に重点を置きます。未来志向の組織体質を存分に活かし、既に始動しているIoTソリューション、自動運転ソリューション、サービスロボットなどの事業分野の可能性をさらに広げていきたい考えです。
こうした取り組みを通じて達成を目指すのは、上図のような数値目標です。そのためには3年間で累計100億円まで営業キャッシュフローを高め、それを重点領域に投資するとともに、健全な手元流動性も維持する方針です。
また、マクニカのコアバリュー「T.E.A.M.S.」も押さえておきたいところ。「T.E.A.M.S.」とは、マクニカが重視する5つの価値観「Trust」「Excitement」「Aggressiveness」「Move」「Stretch」の頭文字をとったものです。
社員を信頼し、権限を委譲することで、社員の自律性や主体性を育てる「Trust」や、エネルギーあふれる姿勢でビジネスに前向きに取り組むことを表す「Excitement」など、約50年でここまで企業規模を大きくしたマクニカの根幹をなす精神であり、社員の行動指針です。中途採用においても、「挑戦心を持ち、主体的・自律的かつ前向きな姿勢で仕事に取り組む人材」が求められます。グループ中期経営計画を理解した上で、この「T.E.A.M.S.」に沿った行動で成果を挙げられる素地があることをアピールできると有利です。主体的な行動で目標を達成した経験や、難局を切り拓くポジティブさや粘り強さなど、さまざまや角度から自己PRを練ってみましょう。
■「なぜマクニカに転職したいのか」を明確化するには他社研究が必要
マクニカに限らず、中途採用面接では「なぜ当社なのか」と問われることが多々あります。志望動機を問うことにより企業研究の度合いはもちろん、「根幹にある精神やマクニカならではのビジネスへのアプローチ法を理解した行動が取れ、成果に結びつけられる人材かどうか」を探ろうとしています。
面接官のこうした意図に応えるためには、同業他社の研究を通じてマクニカのカラーを浮かび上がらせ、企業理解を深めておく必要があります。具体的には、以下のような企業について調べておくことをおすすめします。
- 株式会社日立ハイテク
- 株式会社トーメンデバイス
- 株式会社カナデン
- 加賀電子株式会社
マクニカの採用面接で実際に聞かれた質問内容
マクニカのカラーや、どういった人材を求めているのかが具体化してきたのではないでしょうか。マクニカの場合、グループ中期経営計画やコアバリュー「T.E.A.M.S.」を理解した上で主体性のあるアプローチで業務を遂行する姿勢が重視されます。
「フラットで実力主義色の強い社風」を踏まえた上で、「挑戦心を持ち、主体的・自律的かつ前向きな姿勢で仕事に取り組む人材」であると印象づけられるようなエピソードを、過去の経験からピックアップしておきましょう。「一緒に働きたい」と思わせるような内容であれば尚よいでしょう。
以下、面接経験者が実際に聞かれた質問を口コミの中からご紹介します。ぜひ、実際の面接に挑むつもりでシミュレーションをしてみてください。
[40代前半・男性/経理] 【結果:一次面接で不採用】
[20代後半・男性/法人営業] 【結果:面接中止】
[20代後半・男性/財務・会計関連職] 【結果:二次面接を辞退】
[20代後半・女性/カウンターセールス] 【結果:入社】
[30代前半・女性/社内SE] 【結果:入社】
マクニカの採用面接に向けて
ここまで、マクニカの採用面接を受けるにあたって押さえておきたい重要なポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「フラットで実力主義色の強い社風」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- グループ中期経営計画とマクニカのコアバリュー「T.E.A.M.S.」を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜマクニカなのか」に対する答えを明確にしておく。
この3点について深く分析し、自分なりの言葉で整理した上で、面接ではポジティブさの伝わる応対を心がけましょう。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。