松竹の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
映画の配給や製作を手がけることで有名な松竹は、『男はつらいよ』(渥美清・主演)や『幸福の黄色いハンカチ』(高倉健・主演)の制作、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(J・R・R・トールキン原作)の配給など、国内外を問わずさまざまなヒット作を世に送り出してきました。また、全国で松竹グループの映画館を運営するなど、映画界では不動の地位を築く歴史ある会社です。
映画のイメージが強い同社ですが、創業当時から伝統芸能である歌舞伎の興行をおこなっています。今ではテレビアニメや、衛星放送(CS・BS)で自主制作番組を放送するなど、さまざまなエンターテイメントの分野で展開。また、京都撮影所や歌舞伎座タワー、松竹ビルを保有するなど不動産事業でも高い収益を得ています。
口コミによると、「映画が好きだったのでどれだけ大変でもやっていけた」「芸能人と関わる機会が多く楽しんで働ける」など、多忙であるものの、映画や演劇好きにとっては強いやりがいを感じられる社風のようです。一方で、「古い日本企業の体質」「上下関係が厳しい」「女性のキャリアアップは難しい」などの声もあり、昔ながらの体質が色濃く残っている会社だといえるでしょう。
また、「わからないことを聞いたら怒られた」「困った時にすぐ助けてもらえない」などの口コミからは、「自ら学ぶ姿勢、何事にも積極的に挑む行動力、高いコミュニケーション能力」を重視する社風だということがわかります。こうした社風を理解し、自身の考えをしっかり持ち意欲的に行動できる人材であることをアピールしましょう。
■選考は何次まで?
応募に関しては、コーポレートサイトもしくは転職サイトにてエントリーが可能です。2020年6月現在、コーポレートサイトでの募集は停止していますが、転職サイトでは不動産事業の開発・企画担当にて募集がおこなわれています。業務内容は保有不動産の有効活用やマーケティング、賃貸・売買、エリアマネジメントなどです。これらはエンターテインメントとは関係ないようにも思われますが、映画館運営や舞台制作などを維持するために欠かせない重要な職務です。
コーポレートサイトの募集情報は随時更新されますので、希望職種の募集がない場合はこまめにチェックすることをおすすめします。
選考フローは、書類選考→適性検査→面接(複数回)となっており、口コミによると面接は3回おこなわれるとのこと。異なるケースもありますが、大まかな面接官の詳細は以下のとおりです。
一次面接・二次面接:人事・所属長の課長等3名
最終面接:映像・管理・歌舞伎・人事の各部長4名
最終面接では各部署の部長クラスが複数名で対応するため、緊張する人も多いようです。適性検査については、筆記試験を受けたという口コミがあがっています。採用までの道のりは長いため、気を引き締めて臨みましょう。
■面接内容の傾向は?
面接では志望動機やキャリアプランを問う一般的な質問に加え、「好きな映画は?」「最近見たお芝居は?」「歌舞伎は知っているか?」など、同社ならではの質問を多くされます。中には「映画館の広告手段で最もよいと思ったものは?」という、映画好きでなければ答えられないような質問もあるようです。
一方で、「松竹=映画だけではない」ということを理解しているのか、歌舞伎や演劇への興味・知識についてもほぼ必ず問われます。同社が関わった作品を事前に鑑賞し、魅力をしっかりと語れるようにしておくと、好印象を与えやすいでしょう。
また、同社は経験やスキルよりも人柄を重視する傾向にあるため、たわいもないやりとりの中でも「会話のキャッチボール」ができているかチェックされます。テンポのよい会話を心がけつつ的確な回答がができるよう、落ち着いて質問の意図をくみましょう。
エンターテインメントの世界に関わるということをしっかりと意識し、自主的に教養を深め、同社の発展に貢献できる人材であることをアピールしてください。
松竹の面接攻略法(面接対策)
■松竹の経営方針を理解した上で自己分析をする
同社の面接に臨むにあたり、まずは経営方針をしっかりと理解しておく必要があります。
映画のイメージが強い同社ですが、経営方針のメインは「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する」こととしています。ここから、同社がいかに伝統芸能事業に注力しているかが伝わってくるでしょう。また、映画や演劇の収益は予想と実績の差が大きいとし、経営指標を定めていません。
映画は好きだけど歌舞伎や演劇は分からないという人も、「興味がない」「知らない」で済ませるのではなく、実際に歌舞伎や演劇に触れて学んでみてください。「自ら学ぶ姿勢」を大切にする同社では、新しいことや未知のものを積極的に取り入れ、成長できる人が求められていると考えられます。自ら学ぶことで新しい自分を発見するきっかけにもなり、自己分析の質も向上するはずです。
このように新たな目線で自己分析をおこない、日本文化の伝承や発展に尽力できる人材であることをアピールしましょう。
■「なぜ松竹へ転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接でほぼ必ず聞かれる質問のひとつに「なぜ松竹なのか」というものがあります。この質問で面接官は、応募者が「当社で何をしたいのか」「当社で活かせる経歴やスキルを持っているのか」ということだけでなく、「当社をどれだけ理解しているのか」「当社の理念や方向性をしっかりと把握できているか」ということも見極めます。
同社についてより深く理解するためには、競合他社研究が不可欠です。以下に競合とされる企業を挙げますので、参考にしてください。とくに東宝は映画・演劇・不動産事業と、松竹とほぼ同じ事業領域で活躍する企業、東映は映像制作をメインに勝負し続ける企業です。こうした企業と松竹の違いについて確認しておきましょう。
- 東宝株式会社
- 東映株式会社
松竹の採用面接で実際に聞かれた質問内容
松竹が求める人材像や、社風について理解が深まってきたのではないでしょうか。面接の場では「自ら学ぶ姿勢、何事にも積極的に挑む行動力、高いコミュニケーション能力を重視する社風」であることを意識し、会話のキャッチボールが途切れないように注意してください。また、昔ながらの気風が残る会社のため、快活な印象を与えつつも謙虚な姿勢を忘れないよう意識してください。日本文化の伝承と発展に貢献できる人材であることをアピールしましょう。
以下に、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。いざ本番で回答に詰まらないよう、これらの質問を参考にシミュレーションしておくことが望ましいです。
[20代後半・女性/代理店営業] 【結果:入社】
[20代前半・男性/企画営業] 【結果:一次面接で不採用】
[20代前半・女性/経営企画] 【結果:最終面接で不採用】
[20代前半・男性/海外営業] 【結果:入社】
松竹の採用面接に向けて
松竹の面接を受けるにあたり、押さえておきたい重要なポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいことは、以下の3つです。
- 「自ら学ぶ姿勢、何事にも積極的に挑む行動力、高いコミュニケーション能力を重視する社風」を理解し、日本文化の伝承や発展に貢献できる人材であることをアピールする。
- 松竹の経営方針を理解し、これに沿った自己分析をおこない、自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ松竹なのか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。