スギ薬局の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1976年12月に、わずか16坪の薬局からスタートしたスギ薬局。創業時から「調剤併設型ドラッグストア」というビジネスモデルを主軸に中部から関西、関東へと事業領域を拡大していきました。店舗の数は年々増加し現在では、中部エリアを中心に1,319店舗の出店数を誇っています(2020年5月末)。
スギ薬局で実際に働いた人の口コミによると「入社年数に関わらず、実力があれば裁量権を与えてもらえる」「売り上げや成績が給料に反映される」といった、実力重視の風土がうかがえる口コミが多数見られました。そのため自分の能力を存分に発揮したい人に向いているといえます。その反面、急速にチェーン展開を行っているスギ薬局では、慢性的な人材不足状態にあります。「労働環境に疑問を感じる」「サービス残業が当たり前」という声もあり、勤務体制に不満を感じ退職する人もいるようです。
しかし「地域の人々の健康に貢献しているという誇りを持って仕事をしている」「一人ひとりに合わせた化粧品や医薬品の提案ができる」という口コミからは、同社が掲げている「身近で、気軽に、頼れる存在」というビジョンが社員にしっかりと浸透していることがわかります。このように仕事のやりがいを感じられる場面が多いことも確かです。
「地域への貢献」「あらゆる人々の幸福を願う」という同社の理念のもと、身近で頼りになる存在であることを大切にしている同社。そのため面接では、「地域のお客様の笑顔のために」という想いに共感できる人材かどうかが見極められます。
■選考は何次まで?
中途採用の採用情報は、コーポレートサイトに記載されており、書類選考と面接が2回おこなわれます。書類選考後、面接の前に筆記試験がおこなわれることもあるようです。1次面接ではエリアマネージャークラスや部門長との面談、最終選考は役員との面談が設定されます。
募集職種は薬剤師・登録販売者・ビューティーアドバイザーの3種類。スギ薬局の薬剤師はOTC医薬品の取り扱いや在宅訪問など、同社独自のビジネスニーズにマッチした人材が求められます。登録販売者は主に店長、エリアマネージャーと段階的にキャリアアップのステージが用意されており、キャリアビジョンを明確に持ち合わせている人材を必要としています。ビューティーアドバイザーは、メーカーの垣根なく商品を提案できる、スギ薬局の強みを活かした接客をできる人材が望まれます。
■面接内容の傾向は?
スギ薬局の面接では、「転職理由」「なぜスギ薬局なのか」「入社後のビジョン」の3点を中心に質問がなされます。それぞれの質問に対し、同社の経営理念を理解して、スギ薬局の経営スタイルに合わせた回答を用意している人が内定に繋がっているようです。
さらに面接経験者からは「なぜスギ薬局なのかが重要なようです」という口コミが目立ち、競合企業との違いを明確にしておくことが重要と言えるでしょう。競合企業の店舗も含め実際に店舗へ行き接客を受けることで自分なりに他社店舗との違いを明確にしておきましょう。各店舗で接客を受けた感想をベースに、スギ薬局の店舗で何を創り上げていきたいのかを面接官に伝えると、意欲を強くアピールすることができます。
スギ薬局の面接攻略法(面接対策)
■スギホールディングスの経営戦略を理解した上で自己分析をする
スギ薬局の面接を受ける際は、必ずスギホールディングスの最新の決算説明会資料に目を通しておくようにしましょう。スギホールディングスの経営戦略を読み解くことで、今後同社でどのような人材が求められるのか予測することができます。自分なりにしっかり咀嚼し、自己分析に落とし込みましょう。
経営戦略のキャッチコピーは「地域のヘルスケアステーション」。デジタル活用・医療データ連携・インバウンドなどにも戦略的に取り組む姿勢が見られます。そのことからも今回の経営戦略では、同社の事業柱である調剤併設型ストアから、総合的なヘルスケアサポート機能も付加した次世代型ストアへの転換をはかっていることがわかります。
ここ最近は新型コロナウイルス絡みで注目されているドラッグストア業界ですが、それ以前から高齢化や健康寿命への関心の高まりを背景に、地域医療施設と連携したヘルスケア領域が大きく伸びています。このように、地域に密着したトータルヘルスケア戦略推進の動きは今後さらに加速すると見込まれており、スギ薬局はさらなる成長が期待できるでしょう。
この戦略からは「地域に密着したヘルスケア価値」を自ら生み出し発展させ、収益に乗せる体制づくりに寄与できる人材を求めていることが予想されます。顧客ニーズを満たすサービスを考案し実現させた経験や、お客様の要望を現場に映させた経験があればまとめておくとよいでしょう。
■「なぜスギ薬局に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
同社の選考では「なぜスギ薬局なのか」という質問が重要視されます。そのため、この質問に対して面接官が納得できる説得力のある回答を用意しておくことが大切です。競合しやすい他社について研究し、それぞれの企業の違いを理解し、志望動機に落とし込みましょう。
薬局・ドラッグストアチェーンでは、社会情勢にマッチしたQOL向上に取り組む姿勢がみられます。ウエルシアホールディングス、サンドラッグにおいては健康寿命の延伸としての売場展開、病気の進行を抑える調剤をおこない事業拡大を図っています。またマツモトキヨシホールディングスでは、ヘルス&ビューティーケア商品に力を入れており、調剤重視型のスギ薬局とは異なる戦略で事業を拡大している点に注目し、企業分析をおこないましょう。
このようにさまざまな競合企業を分析することにより、スギ薬局の経営戦略や強みを明確にし、志望動機を深堀りされた際に対応できるよう準備をしておくことをおすすめします。
- ウエルシアホールディングス
- マツモトキヨシホールディングス
- サンドラッグ
スギ薬局の採用面接で実際に聞かれた質問内容
企業研究を通して、スギ薬局の企業理念や社風や求める人物像が見えてきたのではないでしょうか。同社の場合、地域貢献の精神を重んじる風土にマッチし、地域の人々の健康や美容の悩みに本気で向き合える人材が歓迎されるでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問には、志望動機や自己PRのようなベーシックな質問の他に業界理解を見極めるものがあります。以下、面接経験者が実際に聞かれた質問です。これらを参考に具体的な回答を用意し、面接に臨みましょう。
[30代前半・男性/薬剤師] 【結果:内定を辞退】
[20代前半・男性/薬剤師] 【結果:入社】
[20代後半・女性/薬剤師] 【結果:二次を辞退】
[20代前半・男性/薬剤師] 【結果:入社】
スギ薬局の採用面接に向けて
スギ薬局の採用面接を受けるにあたり、押さえておきたいポイントをご紹介してきました。中でもスギホールディングスの経営戦略は、同社がどのような人材を求めているのかを知る上で大切な情報です。グループ会社を含めた経営方針の理解を深めておきましょう。
- 「かかりつけ機能を発揮した、ヘルスケア薬局として地域住民の健康を守る」という社風を意識して、自分の強みと社風がマッチしていることをアピールする。
- スギホールディングスの「経営戦略」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合となり得る企業の戦略や事業軸の違いを理解し、「なぜスギ薬局なのか」に対する答えを準備しておく。
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経営コンサルティング会社で採用コンサルやデータ分析を行いながらライターとして活動中。得意分野はスタッフ採用と教育。