【年収研究シリーズ】ナブテスコの年収・給与・ボーナス・報酬について、ただ額面に注目するだけではなく、高い理由や、デメリット、同業他社や、年代、職種間での比較を通じて実態に迫ります。転職先決定の判断材料にご活用ください。
テレビCM「ナブテスコって、ナンデスコ?」をご存知でしょうか。一体、何を扱っている会社なのか興味を引くところですが、実はこのCMキャラクター3人のナブテスコモンスターズは、ナブテスコがモーションコントロール技術で貢献している分野について紹介しているものなのです。
ナブテスコモンスターズのうち1番大きな茶色のカカオはタンカーのエンジンを、次に中くらいの大きさで緑色のピスタは飛行機のフライトコントロールを、そして1番小さな赤色のベリーは電車のブレーキやドアの開閉などを表現しています。ナブテスコは船用エンジン遠隔制御システムにおいて国内で約50%、世界で約40%のシェアを持ち、飛行機のフライト・コントロール・アクチュエーション・システムはなんと国内シェア100%を誇っているのです。その他にも、鉄道車両用ブレーキシステムは国内シェア50%、鉄道車両用ドア開閉装置については国内シェア70%と確固たる地位を築いています。
以上のことから、まさにCMの中に広がる世界のように、日常におけるさまざまな場所にはナブテスコによる技術が生かされていることがわかります。
またナブテスコは年収が高いことでも有名で、3000社を超える上場企業の中でも常に上位に位置しています。
では一体どれくらい高いのか、高い理由はなにか、年収の高さ以外のメリットやデメリットはあるのかなどに迫っていきましょう。
ナブテスコの平均年収は716.5万円
それでは、はじめにナブテスコの平均年収について見ていきます。ナブテスコの平均年収は、ナブテスコの有価証券報告書によると、716.5万円です。キャリコネに寄せられた給与明細から算出したナブテスコ年代別年収レンジは、20歳代で420〜470万円、30歳代で590〜640万円、40歳代で740〜790万円となっています。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ1.45倍の額です。
■ナブテスコの平均年収推移
ナブテスコ・5年間の平均年収・平均年齢・従業員数(単体)の推移
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
ナブテスコの平均年収は前年を上回り716.5万円でした。
過去5年間では2番めに低い額になりました。
ナブテスコの年代別平均年収と中央値
■ナブテスコの年収中央値は30代で607.8万円
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
ナブテスコと競合他社の平均年収を比較
ナブテスコの競合や同業界であるSMC、ハーモニック・ドライブ・システムズ、IDECの4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、ナブテスコが716.5万円、SMCが852.9万円、ハーモニック・ドライブ・システムズが753.3万円、IDECが680.4万円です。
この4社の中で最高額はSMCの852.9万円で、最低額がIDECの680.4万円。その差はおよそ173万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではナブテスコは3番目に位置します。
ナブテスコの競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください
ナブテスコ社内で年収が高い職種・役職は?
先述したとおり、ナブテスコでは賞与が年収に占める割合が大きいため、より高額の賞与を得ている人材は年収が高いといえるでしょう。管理職以下の役職の場合は、業績が賞与に対して直接的に響くことはありません。しかしながら年2回支給される賞与は年間平均6カ月分以上にも上るため、やはり大きな存在です。
入社1年目から3年目で400万円~450万円ほどだった年収は、係長級で700万円前後となり、課長級で900万円~1100万円へと急激に伸びていきます。
実は、会社の業績や個人に対する評価が大きく賞与に影響を与えるようになるのは、管理職に就いてからのことなのです。つまりナブテスコでは、評価を受けた課長級以上の役職の年収がきわめて高いといえます。
キャリコネに寄せられた給与明細を見ると、世代間での違い、同年代・同職種なのになんでこんなに差が生まれるのかの理由が確認できます。
ナブテスコ社員の給与明細(キャリコネ)
同年代同職種でも、賞与や手当の額で差が…
20代・生産製造技術(非管理職)の
給与明細
20代・生産製造技術(非管理職)の
給与明細
年収の高さばかりに目を奪われがちですが、就職・転職を検討するにあたり気をつけなければならないことはないのでしょうか。
ナブテスコの見落としがちな留意点、課題は?
懸念すべき点は、各事業所や配属先によってワークライフバランスが取りやすいか否かが異なることです。とくに設計開発部門は、事業の特徴ゆえに社内でも業務量が多いことから残業が発生してしまいます。会社としての残業規制が定められてはいるものの、業務量をこなすために時間外勤務が多く発生し、結果として就業が夜遅くや休日にまで及ぶこともあるようです。
現状では定時退社日の導入や強制的な休日出勤を指示されることはありませんが、いわば自主的な土日出勤をしている人も多いといいます。平日でも設計部門を中心として21時から22時まで残ることが多々あり、プライベートの時間を確保しづらい点はあらかじめ理解しておくとよいでしょう。
ナブテスコには年収以外にメリットはある?
ここまでナブテスコの年収面を見てきました。ただ就職先、転職先として年収の高さだけで決めることはできません。その他にメリットは無いのでしょうか?
ナブテスコの自己都合による退職率は1%前後と非常に低く、過去も同水準で推移していることが大きな特徴です。社員の平均年齢は42歳で、メーカーの一般的な水準であるにもかかわらず、平均勤続年数は17年と長期就業の傾向が顕著です。
こうした離職率1%かつ長期就業可能な環境を維持するため、ナブテスコでは離職者に対してアンケートを実施しています。その結果からデータを作成し、分析したものを社員の労務管理の改善や各種施策へとつなげているのです。具体的には労働環境の改善の一環として、サービス残業撲滅運動を実施しています。PCログを監視することによって勤怠実績との乖離を確認するなど、いわゆるサービス残業を一掃するために人事部が主体となり取り組んでいるのです。
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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