【平均年収806.7万円】住友重機械工業の給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

住友重機械工業の歴史は元禄4年にまでさかのぼります。四国の別子銅山の開坑により、銅山で使われる機械と器具の製作・修理を請け負うための「工作方」として創業されました。古くから日本のものづくりをリードし、そして国の発展に力を尽くしてきた同社がこの度、画期的な新技術を開発しました。

同社が開発した「STAF（スタッフ）」は、従来の鉄の加工方法と比べて重さを約3割も抑え、自動車の骨格部材の軽量設計を可能にする独自技術です。鉄でありながら軽量素材のアルミニウムとほぼ同じ重さの軽量化の実現により、高級車やスポーツカーに使われる炭素繊維複合材やアルミニウムよりコストも抑えられるため、量販車の燃費性能を高めることも可能であります。すでに複数の自動車メーカーと共同開発し、2018年度内には設備の採用段階へ進むと見込んでいます。環境規制強化により高まる自動車の軽量化需要に対し、住友重機械工業は素材追求から加工技術へと新しい流れを作り出そうとしているのです。

また住友重機械工業は年収が高いことでも有名で、3000社を超える上場企業の中でも常に上位に位置しています。
では一体どれくらい高いのか、高い理由はなにか、年収の高さ以外のメリットやデメリットはあるのかなどに迫っていきましょう。

住友重機械工業に新卒で入社した場合の昇給金額は、4月に行われる年1回の昇給で月給が約1万円ずつ上がる他に、入社4、5年目で階級が上がる際に4万円から5万円程度上がるようです。賞与は基本給の5か月程度が目安ですが、所属する事業部の業績によって賞与額を計算する係数が存在するため、多少変動があるかもしれません。

また年齢や役職ごとの年収目安は、30歳で650万程度、35歳前後で課長代理になると800万円程度になります。さらに40歳を超えて管理職になれば、1000万円前後となるでしょう。
その他に営業職には営業手当が別途支給されます。日当や残業代、住宅手当も加わるため、住んでいる地域や残業時間によって異なりますが、手当の合計は15万円ぐらいになるようです。

年収の高さばかりに目を奪われがちですが、就職・転職を検討するにあたり気をつけなければならないことはないのでしょうか。

住友重機械工業が買収した循環流動層（CFB）ボイラー事業において、国内の需要が減少する懸念があります。同社が世界首位であるイギリスのエイメックフォスターウィラー社（AFW）より、事業を買収してから1年が経ちました。CFBボイラーは、バイオマスや低品位燃料など多様な燃料を高効率に燃焼するだけでなく、燃料の微粉砕が不要であるなどの特徴をもちます。住友重機械工業はこのニッチ市場で国内シェア6割を握っています。さらに世界首位のSumitomo SHI FW Energie B.V.（SFW）を連結子会社化したことで、確固たる地位を確立しました。

しかしながらバイオマスであっても火力発電のため、多くの課題も抱えています。燃料価格の上昇や、国が定めた再生可能エネルギー買い取り制度の価格引き下げに伴って、国内のCFBボイラー需要が減少する可能性もあり、懸念点も少なくありません。

ここまで住友重機械工業の年収面を見てきました。ただ就職先、転職先として年収の高さだけで決めることはできません。その他にメリットは無いのでしょうか？

住友重機械工業は過去10年間に営業キャッシュフローの1割をM＆Aに使っており、自律的なオーガニック成長に加えて、非オーガニック成長を促すことでも事業の拡大を進めています。主力のボイラー事業以外にも、成長が見込まれるロボット用機器の拡大を目指し、イタリアの産業用モーターメーカーのラファート社を買収しました。

住友重機械工業のギアとラファート社のモーターを組み合わせた「ギア一体型モーター」の製造と開発を行い、ロボットの位置決め製品だけでなく、搬送物流のオートメーション化や風力発電などにも活用できると見込んでいます。

造船事業の長期低迷や国内原子力発電所の操業停止など、重工各社への向かい風が吹き続くなか、自らの強みを生かして経営のかじを切る同社の特色は、働く人にとって魅力的に映る要素といえます。

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