【平均年収680.7万円】日立造船社員の給料は実際いくらもらっているのか？

日立造船の平均年収は680.7万円です（日立造船有価証券報告書）。キャリコネに投稿された給与明細を参考に日立造船の年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で400〜450万円、30歳代で560〜610万円、40歳代で700〜750万円という結果になりました。正規雇用者の平均年収は495.7万円（国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果）で、比較して約1.38倍の額です。

過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
日立造船の平均年収は前年を下回り680.7万円でした。
過去5年間では2番目に高い額になりました。

続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。

日立造船の年収について、「ベースは同業他社に比べると低い方」という口コミが寄せられます。しかし、高年収を実現できている理由の一つは、実は「出張手当」です。施工管理等の職種の場合、現場への出張が多くあること、そして出張手当が手厚く設定されていることから、「現地工事や出張等が多い職員は日当でかなりの収入増が見込める」「20代半ばでも、出張手当を加えると、年収500～600万円にもなる」とのこと。そうでない社員の場合、20代前半だと「年収350万円」という口コミが見られることを考えると、出張手当がいかに年収を引き上げるかが分かります。

さらに、賞与の支給方法についても特徴的です。基本給4ヶ月分というのが平均的な水準ではありますが、事業部の業績によって「係数」をかける方式を取っています。そのため、所属する事業部によって大きく賞与の支給額に差が付けられており、高いところでは、「4ヶ月分×1.4＝5.6ヶ月分となるところもある」とのことです。

日立造船の給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年2回（6月・12月）の賞与で構成されています。諸手当は、時間外勤務手当、勤務手当、通勤費が主だったものです。しかし時間外勤務手当については、大半の社員が「裁量労働制」適用となるため、実質的には固定給となっています。

賞与は、年間4ヶ月分が平均的な水準ですが、前項の通り、配属された事業部ごとに支給額に大きな差がつけられます。福利厚生としては、寮・社宅、介護・育児休業制度、持株会・財形貯蓄などの制度が整備されているほか、「新婚者住宅補助」として入籍後5年間一定額の住宅補助を受けることができる制度もあります。

日立造船社員の給与明細（キャリコネ）

30代で600万円を超える

20代技術（非管理職）の 給与明細

30代技術（非管理職）の 給与明細

20代から30代で約230万円アップ

20代技術（非管理職）の 給与明細

30代技術（非管理職）の 給与明細

日立造船の職種は、「事務系」（営業、資材調達、管理部門など）と「技術系」（技術系、研究開発、設計など）の大きく2つに分類されます。賃金制度は、両コース共通であるため、職種による年収差が生じることはありません。初任給についても、以下の通り、全職種共通で学歴別に設定されています。
＜初任給（2020年4月入社者実績）＞
●修士了：239,500円
●学部卒：215,000円(高専専攻科卒を含む)
●高専卒：193,500円(本科卒)

先述の通り、職種によっては（特に施工管理）出張手当が大きな金額を占めるため、同じ20代であっても、350万円～600万円と年収レンジは大きくなっています。その後、係長クラスになると、700～800万円程度となります。

日立造船社員の給与明細（キャリコネ）

20代はほぼ横並び

20代管理部門（非管理職）の 給与明細

20代技術（非管理職）の 給与明細

30代以降は大きく差が付けられる

30代技術（非管理職）の 給与明細

30代管理部門（非管理職）の 給与明細

日立造船では等級制度がしかれており、1級→2級→上級→主事→副参事→参事、という順で昇格していきます。主事（係長クラス）までは、一定年次になると昇格試験を受験し、それに合格すると昇格できる、という仕組みになります。「ほとんどの人が合格する」とのことで、実質的には係長クラスまでは横並びに年功序列で昇格するのが実情のようです。しかしそれ以降の昇格については、「上司の推薦も必要となる」「係長以後は同期でも差がついてくる」ようです。

評価制度としては、期初に目標を設定し、半期ごとに上長と面談、その評価結果が賞与と昇給額に反映される、という仕組みです。「評価は部門ごとに行われるが、ほとんど年功序列である」と、やはりここでも年功序列の風土が根強く残っているようです。

日立造船社員の口コミ（キャリコネ）

昇格には試験突破が必須

「筆記試験、論文試験、面接試験がある 最短で32歳で主事になることができる……」

基本的な年功序列だが、配属部署による差も

「主事に上がる際に論文テストがあり国語が苦手な人は苦労する 出世には上司の評価も多少関わるので、配属された部署の運による……」

日立造船の競合や同業界である荏原製作所、三菱重工業、栗田工業の4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、日立造船が680.7万円、荏原製作所が757万円、三菱重工業が863.8万円、栗田工業が909.5万円です。
この4社の中で最高額は栗田工業の909.5万円で、最低額が日立造船の680.7万円。その差はおよそ229万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中では日立造船は4番目に位置します。

日立造船の競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください

出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報－2020年度実績－」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」

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