神戸製鋼の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
1905年、神戸の製鋼所として創業した神戸製鋼所(以下、神戸製鋼)は、素材・機械・電力の3つの事業を柱とした、「複合経営」と呼ばれる多様な事業を展開しています。
こうした独自の事業形態のため、「会社としては大企業でも、個々の事業は中小企業的な面がある」「事業部単位でみると、所属している人数が少ない」ことから、「まずは任せてみることで、若い力が育つ」という風土が根付いています。「若手でもすぐに主担当となるため、自分の考えを仕事に反映しやすい」「若手にある程度の権限譲与がなされていて、実力や的確な判断が出来れば、責任ある仕事が任される」という口コミが多く見られます。さらに、「上司のフォローが適切にもらえる」「周りのフォローもあるため、仕事をやっていて安心感がある」と、任せるだけではなく、その仕事を通してしっかりと人材を育成する文化であることも分かります。
また、素材メーカーとしての仕事内容に対しても、社員は大きなやりがいを感じています。「ものづくりの根幹である素材に携わっているという自負を感じる」「世の中を支えているんだ、という使命感を皆が持っている」という声が多く寄せられています。
創業113年という歴史ある企業ゆえ、「結構封建的」「体制が古く昭和的な考え方が根強く残っている」という口コミも見られます。しかし反面、「非常に家族的な環境」「社内の飲み会も多く、家族的な雰囲気」と、その温かみのある風土に対して、高い満足度を感じる声も多く寄せられています。
歴史と家族的な温かみのある風土の中で、若手のうちから、モノづくりを支える大規模な仕事にチャレンジする。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
神戸製鋼の中途採用プロセスでは、WEBエントリー、書類選考後、2回の面接が行われます。1次面接は募集部門のマネージャー級、最終面接は人事部門の社員が担当します。最終面接の際、基礎的な学力を問う筆記試験と、小論文提出も求められます。「特に数学は問題自体は簡易である分時間との勝負」との口コミも見られますので、しっかりと準備をしておきましょう。
神戸製鋼の募集職種は、大きく「技術系」と「事務系」の2つに分類されます。「技術系」は、研究・開発や設計、生産技術、生産・工程管理、品質保証等、開発フェーズによって職種が分かれるほか、事業部門や専門領域によってもさらに細分化されています。一方「事務系」も、営業、生産管理、調達、人事・経理等の管理部門等、活躍の場は多岐にわたります。したがって、募集職種の全体像を把握したうえで、「その中でもなぜその職種に応募したのか」を明確に説明できるようにしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
面接内容には、「歴史と家族的な温かみのある風土の中で、若手のうちから、モノづくりを支える大規模な仕事にチャレンジする」という社風が大いに反映されています。
質問内容としては、転職内容や現職の仕事内容等、オーソドックスなものがほとんどです。特に現職の仕事内容に関しては、「一番大変だったことは?」「失敗したことについて」等、具体的な経験について確認する中で、「大規模な仕事にチャレンジ」できる人材であるかどうかを確認していることが分かります。
また、「もしも上司があなたに間違ったことを指示してきたら、どう対応しますか?」「もし上司の指示が間違っていたり、従いたくないと思ったときはどうしますか?」という質問も目立ちます。「家族的な温かみのある風土」であり、若手をしっかりと人材育成する文化であるため、上司や周囲のメンバーとの人間関係をどのように構築していくのか、も大きな評価ポイントであると言えます。
「専門性よりも人間性の確認が重視されているようだった」という口コミも多数見られ、「中学・高校時代に何をしていましたか?」「あなたについて、高校生時代から遡って話をしてください」という質問も多く見られます。学生時代から一貫した考え方を持って、様々な物事に取り組んできたのかを確認されますので、論理的に回答できるよう、しっかりと準備をしておきましょう。
神戸製鋼の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
神戸製鋼の面接攻略法(面接対策)
■神戸製鋼の中長期経営ビジョン「KOBELCO VISION ”G+"」理解した上で自己分析をする
神戸製鋼の面接を受ける上では、中長期経営ビジョン「KOBELCO VISION "G+"」を理解しておくことが不可欠です。中長期経営ビジョンでは、下記の通り、19~20年度の重点テーマとして2つ、継続テーマとして5つのテーマが明示されています。
<19~20年度の重点テーマ>
① 「素材系を中心とした収益力強化」
ものづくり力の強化と販売価格の改善
戦略投資案件の収益化
「鉄鋼」と「アルミ・銅」の組織改編による「お客様への更なる貢献」
② 「経営資源の効率化と経営基盤の強化」
<次期中期へ向けた継続的テーマ>
自動車軽量化戦略の着実な遂行
コーポレートガバナンスの継続的強化
人材確保・育成への取り組み
IT戦略の強化
当社グループの特長を活かしたサステナビリティ経営の推進
(事業活動を通じた環境・社会への貢献と持続的成長の追求)
神戸製鋼の中長期経営ビジョンは、今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの中長期経営ビジョンに合致する人材であることをアピールしましょう。
神戸製鋼は、「歴史と家族的な温かみのある風土の中で、若手のうちから、モノづくりを支える大規模な仕事にチャレンジする」という社風ですが、この社風をしっかりと理解したうえで、中期経営ビジョンに絡ませたエピソードを紹介することは、強力なアピールとなるでしょう。
中期経営ビジョンの取り組みテーマに共通していることは、組織や人材育成、IT基盤等の経営基盤を強固にすることに力点を置いていることです。これまでの携わったプロジェクトを成功に導くために、まずはチームの体制を強化したり、人材を育成するために工夫してきたエピソードを紹介するとよいでしょう。特に人材育成に関しては、「若手のうちから大規模な仕事にチャレンジする」ことや、それを粘り強くフォローしてきた具体的なエピソードを紹介することで、社風にフィットする人材であることもアピールできます。
■「なぜ神戸製鋼に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
神戸製鋼の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ神戸製鋼か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、神戸製という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- JFEスチール株式会社
- 新日本製鐵株式會社
- 住友金属工業株式会社
神戸製鋼の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、神戸製鋼の採用面接を受ける前には、中長期経営ビジョンに基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「歴史と家族的な温かみのある風土の中で、若手のうちから、モノづくりを支える大規模な仕事にチャレンジする」という社風を意識して、若手の人材育成に注力することで、チーム基盤を強固にし、事業を成功に導くことができる人材であることを印象付けられるよう、様々なエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
26歳男性/法人営業【結果:入社】
27歳男性/ルートセールス【結果:最終面接で不採用】
30歳男性/技術関連職【結果:入社】
28歳男性/海外営業【結果:入社】
神戸製鋼の採用面接に向けて
神戸製鋼の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「歴史と家族的な温かみのある風土の中で、若手のうちから、モノづくりを支える大規模な仕事にチャレンジする」という社風を意識する。そして、若手の人材育成に注力することで、チーム基盤を強固にし、事業を成功に導くことができる人材であることを、自分の言葉でアピールする。
- 神戸製鋼の中長期経営ビジョンを理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社について研究し、「なぜ神戸製鋼か」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。