エムスリーの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
2004年のマザーズ上場時には25名だった社員規模を僅か15年で6,000名規模にまで拡大させたエムスリー。大規模の中にも20~50人の独立組織「カンパニー」を作り、各カンパニーのトップには役員同等の決裁権を与えるなどして、ベンチャー企業としての組織づくりを意識してきました。そんな同社が心がけているのは「正しい理論が通るフラットな組織」。年齢や社歴、性別や国籍といった要素で業務が影響されないよう「誰が言うか」ではなく「何を提案して実行するか」を重要視しています。
現場で働く社員たちにもこの意識は浸透しており「意見をぶつけ合うことによって雰囲気が悪くなることはない」「年齢や社歴の異なる多くの社員が同じ立場で仕事を進めることができる」といった声がよく見られます。
また、マッキンゼーでパートナーを務めていた創業者の谷村氏を筆頭に、多数のプロフェッショナルファーム出身者を抱えていることもあり「仕事ができる人が多いのは間違いない」と断言する社員の声も。
特徴として、数字を重視する傾向はあるため、人によっては「何事もROIで判断されるため、些細だが数値にしづらい課題が長く放置される傾向にある」「何をするにもROIが求められ承認を受けないと案件が進められない」など現状に対する指摘の声も見られます。同社は社員に「経営者目線にたって自分の目の前の課題を考える社長意識」を求めているため、数字意識はそうした企業文化の表れともいえるでしょう。
「フラットなディスカッションと社長意識が求められる」こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
選考のプロセスとして、書類選考後に3回の面接があります。1次面接は現場の社員、2次面接は役員、最終面接は社長が担当します。
選考のいずれかのフェーズでSPIの自宅受検が必要となります。久しぶりにSPIを受けるという方は、参考書などで「どんな問題がでるのか」おさらいしておくとよいでしょう。エンジニア採用の場合は書類選考後にWebプログラミングテストがあります。SPI、Webプログラミングテストいずれもオンラインで実施されますので、自宅での受検が可能です。
中途での募集採用職種は、エンジニア採用か否かで大きく2つに分かれます。エンジニア採用でない場合は、メディカルマーケティング支援事業のソリューションパートナービジネスユニット(通称:SPBU)での採用となります。中途採用には各採用ルートの詳細情報が更新されていますので、都度確認してみましょう。
■面接内容の傾向は?
面接ではこれまでのキャリアや志望動機など、ご自身のことをきく質問と共にロジカルシンキングの素質を試す質問が出される傾向にあります。
ご自身のことをきく質問では「短所を10個あげてください」のように多くの要素を即答することを求められるようです。対策として、長所や短所などオーソドックスな質問に対して5~10個の要素を予め挙げておくなど深い自己分析が必要となるでしょう。
またロジカルシンキングの素質を問う質問では「アメリカの銃犯罪件数」や「東京都内にある電球の数」などのフェルミ推定を要する質問が行われているようです。フェルミ推定に不安を覚える方は、今一度その考え方を復習しておく必要があります。
さらにロジカルシンキングの研修でよく取り上げられる項目に「エレベータートーク」というものがあります。これは相手と同じエレベーターに乗り合わせた際に話せる程度の短い時間で、自分の言いたいことを相手に伝えるスキルを指しますが、エムスリーの面接でも「1分でこれまでの経歴を話してください」のように上記スキルを間接的にみる質問をされるケースがあります。短く分かりやすく伝える意識を忘れないようにしましょう。
エムスリーの面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
エムスリーの面接攻略法(面接対策)
■エムスリーの経営戦略を理解した上で自己分析をする
エムスリーの面接を受ける上では、同社の経営戦略を理解しておくことが不可欠です。同社は2017年度から、新戦略アプローチとして以下を掲げています。
エムスリーの経営戦略は、今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこれに合致する人材であることをアピールしましょう。
新戦略において掲げられた「ターゲット市場の拡大」。エムスリーはこの目的のために、今ある製品・技術の枠組みにとらわれずに、ヘルスケアシステムのあるべき姿を模索し、その実現のための課題設定・解決を進めるアプローチを新しい事業開拓の方向性としています。
そのため面接では、ロジカルシンキングの素養だけでなく、上記を意識した具体的なエピソードを話すことがエムスリーに相応しい人材であることのアピールにつながるでしょう。
例えば、成熟したフェーズで現状を打破しさらに上を目指した経験や、新規プロジェクトにゼロベースで取り組み数字をあげた経験などを紹介することをおすすめします。
■「なぜエムスリーに転職したいのか」の明確化には他社研究を
エムスリーの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜエムスリーか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、エムスリーという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 総合メディカルホールディングス株式会社
- エス・エム・エス
- ケアネット
エムスリーの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、エムスリーの採用面接を受ける前には、同社の戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。
そして面接の場では「フラットなディスカッションと社長意識が求められる」という社風を意識して、「ロジカルシンキングの素養を持ち、かつ現状打破に向けて動き数字実績をつくった経験がある」人材であると印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代後半男性/調査・分析【1次面接で不採用】
30代前半男性/コンサルタント【結果:面接中止】
20代後半女性/企画営業【結果:最終面接を辞退】
30代前半男性/Web関連職【結果:1次面接で不採用】
エムスリーの採用面接に向けて
エムスリーの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「フラットなディスカッションと社長意識が求められる」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- エムスリーの最新の経営戦略を確認し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜエムスリーか」に対する答えを明確にしておく。
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大学キャリアセンターに対する就職支援コンサルティングに従事後、経団連会員企業で採用戦略の立案や面接官指導などを担当。