ローソンの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
誰もが知っているコンビニ、ローソン。「マチの暮らしを幸せにする」ことを企業理念に、今日も全国で24時間営業しています。
多くの場合、どの職種でも初めの仕事は接客「お客様からのクレームは日常茶飯事」、「24時間営業のスケジュールに振り回される」といった勤務の大変さをマイナスに感じる社員が多い一方で「接客のスキルがついた」「お客様の感謝を身近で感じられる」「常連さんを掴めて嬉しい」とやりがいを感じる人も。
ルーティーンワークになりがちな日々の中で、自分なりの目標と喜びを見いだせるかどうかが問われます。個々の仕事の成果が見えやすく、結果を出せば評価される可能性が高いため、実力主義とも言えます。
仕事はハードですが一方で「コンビニ業界No.1の給与水準」「健康診断等に力を入れている」「住宅手当」といった待遇面には満足度が高め。女性が働き易い会社「なでしこ銘柄」に選ばれた実績もあり、実際に働く社員からも「女性の産休がとりやすく復帰後の時短勤務が可能」「管理職の女性が身近にいる」といった声が多く挙がっています。
こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
書類選考後、面接は2回または3回行われます。一次面接は外部委託の人材会社によって行われることも。選考が進むにつれて、人事担当者、配属される部署の部長や役員の方などと話すことになります。選考期間は一週間から一カ月程度です。
面接では、「あなたを物に例えると」「あなたをアイドルに例えると」「マイケルジャクソンを、プロデュースしろ」など、意図がわかりにくい質問が必ずといっていいほど出てきます。
「印象がいい答え」をしようとすると、面接官によって評価が分かれてしまいます。好き嫌いで判断されないよう、ビジネス面での自分の長所をアピールできるような内容がぱっと答えられればベストかもしれませんが、思い浮かばないこともあるでしょう。
何を聞かれるか予測が難しい質問ですから、答え方に失敗したと感じてもあせらないようにしましょう。
それよりもまずは「志望動機」「当社でやりたいこと」といった一般的な質問への用意を。変化球の質問で失敗してもカバーできるくらい準備万端にしておけば、心に余裕をもつことができるはずです。
■面接内容の傾向は?
店舗経営に関する職種の場合、数年の店舗勤務を経て各部署への配属となるため、覚悟を問われることが多いでしょう。「仕事が大変だ」ということを強調され、圧迫面接と感じた人も。
システム関連職では「IoTを使うならどのようなケースが考えられるか?」など、マネジメント側の視点で物事を見る能力を問われる質問が目立ちます。開発の技術だけに頼らず、「なぜこの開発が必要なのか」「会社にどのように役に立っているのか」「自分ならどうするか」といったことを考えながら仕事するクセを身につけておくといいでしょう。
また職種に関係なく「世の中の景気が変動するのはなぜか」「コンビニ業界が発展していくにはどうしたらいいか」など、マーケティングの知識を問われる可能性も高め。こういった質問に的確に答えられた場合、応募時の年収よりも採用時の年収がアップしている事例も見受けられるので、面接前にぜひ事前学習を。
ローソンの面接攻略法(面接対策)
■ローソンの経営戦略を理解した上で自己分析をする
ローソンの面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
ローソンは創業以来、社会の変化に対応し、お客さまのニーズを見極め、新たな商品・サービスを創り出してきました。マチに暮らす人々の生活全般を支える“なくてはならない存在”であり続けるために、お客さま起点の「ローソン型次世代コンビニエンスストアモデル」をさらに追求し、進化させていきます。
ローソンの経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
少子高齢化・女性の社会進出・核家族化といった時代の変化に対応できるよう、ローソンは独自のコンビニエンスストアモデルを追求し続けており、現在は「1000日全員実行プロジェクト」を推進中です。内容は、次の4つの柱で構成されています。
・商品力強化
・売り場力強化
・新店力強化
・加盟店支援強化
こういった分野で成果を挙げた経験は、評価される可能性も高いため、エピソードがあれば簡潔に話せるよう事前にまとめておくとよいでしょう。
また、地元の人のニーズを綿密に調査し、マチに密着した店舗づくりをする。そうやって健全な店舗数増加を続けてきたことが、同社の誇りであり、今後も継続していきたい目標でもあります。
時代のニーズ、地域のニーズにこたえられるコンビニを作るために何が必要なのか、マーケティングの視点で考えておきましょう。
■「なぜローソンに転職したいのか」の明確化には他社研究も忘れずに
ローソンの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜローソンか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、ローソンという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
●セブンイレブン
●ファミリーマート
●ミニストップ
ローソンの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、ローソンの採用面接を受ける前には、行動指針に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「個々の仕事の結果が見えやすく、結果を出せば評価される」という社風を意識して、「商品力強化・売り場力強化・新店力強化・加盟店支援強化」のいずれかに貢献できる人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
一見店舗運営は関係ない職種に応募する場合も、コンビニに足を運んでいる人の客層、購入している商品、店舗ごとの違いなどをできる限り毎日観察してみましょう。数字で見ただけではわからないコンビニ業界の姿が見えてくるかもしれません。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代後半男性/経営コンサルタント【結果:入社】
10代後半男性/マーケティング【結果:入社】
30代前半男性/プロジェクトリーダー【結果:1次面接で不採用】
30代前半男性/販売アドバイザー【結果:入社】
ローソンの採用面接に向けて
ローソンの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
●「結果を出せば評価される実力主義」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
●ローソンが「なくてはならない」存在であり続けるために、一体何が必要なのか、マーケティングの視点で考えておく。
●ローソンの経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜローソンか」に対する答えを明確にしておく。
●商品力強化・売り場力強化・新店力強化・加盟店支援強化のいずれかに関わる実績があれば、説明できるようにしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。