ローソンの平均年収は633.7万円
ローソンの有価証券報告書によると、平均年収は633.7万円と記載されています。キャリコネに投稿された給与明細を参考にローソンの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で360〜410万円、30歳代で510〜560万円、40歳代で650〜700万円となりました。正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)で、比較して約1.28倍の額です。
■ローソンの平均年収推移
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2022年2月期 | 633.7万円 | 41.3歳 | 14.3年 | 4617人 |
2021年2月期 | 620.8万円 | 40.7歳 | 13.6年 | 4752人 |
2020年2月期 | 653万円 | 40.3歳 | 13.1年 | 4599人 |
20202月期 | 653万円 | 40.3歳 | 13.1年 | 4599人 |
20192月期 | 639万円 | 40.2歳 | 12.8年 | 4551人 |
出典:ローソン・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
ローソンの平均年収は前年を上回り633.7万円でした。
過去5年間では2番めに低い額になりました。
ローソンの年代別平均年収と中央値
■ローソンの年収中央値は30代で529.6万円
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 381.3万円 | 25.1万円 | 68.3万円 | 343.17万円 |
30代 | 529.6万円 | 34.4万円 | 95万円 | 476.64万円 |
40代 | 670.7万円 | 43.2万円 | 120.4万円 | 603.63万円 |
50代 | 795.3万円 | 51万円 | 142.9万円 | 715.77万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
ローソンの年収が高い理由
■賞与は業績・評価によって大きく変動
ローソンの年収が高い理由、それは高水準の賞与です。
ローソンの賞与は業績連動型ですが、支給額は会社全体の業績だけではなく、支店の業績と、個人の評価結果によって金額が変動します。この変動幅は大きく、「同じSVであっても、一度のボーナスで100万円の差がある」「同じ年齢、同じ役職でも2倍近い差が出ることも」といった口コミが多く寄せられています。
とはいえ平均的な支給月数としては、「夏冬で各2ヶ月以上」であり、高レベルの賞与であることは間違いないようです。
ローソンの給与体系・内訳
■充実した諸手当類と福利厚生
ローソンの給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年2回(5月・11月)の賞与で構成されています。
諸手当は、時間外手当はもちろん、役割手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、さらには単身赴任の社員には上乗せで、単身赴任手当・住居手当・帰省補助も支給されます。手当類の充実ぶりはかなり高いものがありますが、とりわけ住宅手当については、「地域によって違うが、6~8万円ほどもらえる」との声も見られ、手厚さが感じられます。
さらに福利厚生制度も充実しており、従業員購入補助、社員持株会、確定拠出年金、財形貯蓄制度、選択型福利厚生制度まで多岐に渡ります。
ローソン社員の給与明細(キャリコネ)
20代から30代で250万円以上の年収アップも
20代営業(非管理職)の 給与明細
20代営業(非管理職)の 給与明細
実力があれば20代でも年収650万円
30代(非管理職)の 給与明細
30代(非管理職)の 給与明細
ローソンの職種別年収
■職種ではなく、職位ランクで給与が決まる
ローソンには、SV(スーパーバイザー)、商品開発、マーケティング、IT、広告販促、海外事業など、幅広い職種が存在します。しかし、賃金制度については、すべての職種に共通したものであり、給与は社内の「職位ランク」によって設定されています。
初任給についても、「総合職」としてすべての職種は括られたうえで、以下の通り学歴別に設定されています。前述の通り、住宅手当が地域によって異なるため、配属地によって金額が異なります。
<初任給【2019年4月定期入社実績】>
※東京23区在住の場合
●大学卒 :211,000円(月給)
●大学院卒:224,620円(月給)
※大阪府在住の場合
●大学卒 :203,500円(月給)
●大学院卒:217,120円(月給)
年代・職位ランクの年収目安としては、新入社員~SV昇格前は350~400万円、SVに昇格すると500~680万円、支店長クラスが850~900万円、部長級になると1000~1300万円、本部長が1300~1500万円、といったあたりです。
ローソン社員の給与明細(キャリコネ)
入社直後は同水準の年収
20代販売系(非管理職)の 給与明細
20代営業(非管理職)の 給与明細
実力により同年齢でも年収100万円以上の差も
30代販売系(非管理職)の 給与明細
30代コンサルタント(非管理職)の 給与明細
ローソンで年収を上げる方法
■実力主義の風土、最短1年半でSVになることも可能
前述の通り、ローソンの給与は職位ランクによって設定されているため、年収を上げるためには、職位ランクを上げることが必要です。
職位ランクは、店舗社員→店舗店長→アシスタントスーパーバイザー→SV→支店長代理→支店長(マネージャー)→部長→本部長の順で昇格していきます。「入社から最短1年半ほどでSVになれる」「30代の部長クラスも少なくない」といった声が多く見られ、年功序列ではなく、実力主義の風土が根付いていることが伺えます。
評価制度としては、期初に目標を設定し、その達成度を定量評価と定性評価の2軸で評価され、その評価結果が賞与や翌年度の職位ランクに結びつくという仕組みです。定量評価は支店ごとの売上に左右されることもあり、「不平等に感じることもある」との口コミも。しかし、評価結果は直属の上長より毎回面談の場でフィードバックされることから、「妥当性はある」と受け止められているようです。
ローソン社員の口コミ(キャリコネ)
業界内では高水準の年収
「給与は、同業界の中でも良い方だと思う 査定制度はいろいろな指標で判断されるが、妥当性はある……」
実力主義のため、早期の昇格も可能
「実力主義である為、数値を残せば早いうちから上を目指せる 新卒の場合は店舗勤務は必須だが、30代の部長クラスも……」
ローソンと競合他社の平均年収を比較
ローソンの競合や同業界であるポプラ、スリーエフ、ミニストップの4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、ローソンが633.7万円、ポプラが392.7万円、スリーエフが631.8万円、ミニストップが599.2万円です。
この4社の中で最高額はローソンの633.7万円で、最低額がポプラの392.7万円。その差はおよそ241万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではローソンは1番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
ローソン | 633.7万円 | 41.3歳 | 14.3年 | 4617人 | 3551.02億円 |
スリーエフ | 631.8万円 | 46歳 | 19.4年 | 39人 | 14.32億円 |
ミニストップ | 599.2万円 | 43.5歳 | 16.1年 | 656人 | 281.89億円 |
ポプラ | 392.7万円 | 47.2歳 | 18.7年 | 121人 | 128.39億円 |
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。