エイベックスの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
エイベックスの特徴は独立系のレコードレーベルであること。大手レコード会社と言えば、ワーナーのように米国を本拠地とする会社、ソニーのように電機メーカーが興した会社、ジャニーズのように芸能プロダクションが主な事業である会社など、音楽以外の事業から派生した会社がほとんどです。それに対し、エイベックスは輸入レコードの卸売りから事業をスタート。「音楽ヒットを飛ばすこと」だけで大きくなったと言えます。日本レコード協会に加盟して、名実ともに「メジャー」となったのは1995年のこと。しかし、近年の音楽市場の縮小を受けて、近年は映像事業などにも力を注いでおり、人材の募集ジャンルも幅広くなっています。
口コミからは「変わった経歴の人が多い」「ノリのいい人が多い」など、新興レコード会社であった頃の雰囲気が残っているのがうかがえます。仕事については「現場は相当なハードワークだがやりがいあり、管理部門はプライベートも充実するが仕事はまったり」とのこと。
採用ページのキャッチコピーは"志採用"。学歴や経歴にこだわらず、強い志を持っている人を求めています。
叶えたい夢や目標に向かって強い思いを持って取り組む。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
エイベックスの採用は「作る(制作や企画など)」「届ける(営業・マーケティング)」「支える(バックオフィス業務)」の3部門に分けて行われています。中途採用にも積極的。HPに入社した先輩のインタビューが多数掲載されているので、ぜひ参考にしましょう。
書類選考と面接は多くの人が3回ですが1回だった人や4回だった人も。応募人数が多いためか、入社まで3カ月かかったという人が続出しているので、スケジュールの調整には注意が必要です。面接はグループ面接のこともありますが、応募者どうしで討論になることはあまりなく、あくまで面接官と話をする形式です。
面接の雰囲気は独特。アーティスト風に着飾っている部長がいてびっくりしたり、面接官の「筋金入りの業界人」ならではの迫力に委縮してしまったという人も。「実際に話してみると話しやすかった」との声も挙がっています。臆せず自己アピールしてみましょう。
面接はHPにも、「服装自由」「私服で来るように」と書かれています。ミュージシャンのような服装で来る人も。部署によってはスーツがむしろNGという雰囲気を感じた人もいるので、注意しましょう。
■面接内容の傾向は?
必ずと言っていいほど聞かれるのが「音楽が好きか」「エイベックスが好きか」ということ。面接を受ける前に自分の好きなアーティストの所属レーベルを確認しておきましょう。しかし、口コミでは「よほど好きじゃないと話に入れない」といった声が挙がる一方、「好きをアピールしすぎるとアーティストの野次馬とみなされる」との声も。応募してみないとわからないブラックボックスでもあります。
次に多いのが「不規則で拘束時間の長い仕事に耐えられるか」という質問。特に「作る」側の仕事ではテレビの深夜番組などもあり、労働時間の調整が容易ではない部署も多いのが現実です。体力的に恵まれていることも必要でしょう。
志望動機など、基本的な質問の後は、「どんな雑誌を読むか」「趣味は何か」などプライベートな部分を聞かれることも。採用という面では「いい雰囲気を作れる人か」が見られており、かつ面接官にとっては何が流行っているのかのマーケティング的な意味合いもありそうです。話を膨らませるよう、自分の「好きなもの」について、詳しく調べたり、どこが魅力なのかを言葉にできるよう書き出しておくと役に立ちそうです。
エイベックスの面接攻略法(面接対策)
■エイベックスの経営戦略を理解した上で自己分析をする
エイベックスの面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
注力3事業領域が国内市場において安定した収益基盤を確立
エイベックスの経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
エイベックスが2019年に掲げた成長戦略の二大キーワードは「グローバル」と「テクノロジー」。これらの領域で、既存事業と合わせて2024年の3月期に200億円の営業利益を見込んでいます。注力事業としては、アニメオリジナル作品の増強と、映像配信サービス・音楽ストリーミングサービスが挙げられています。これにともなって、映像特にアニメ関連業務、テクノロジーを活用したサービス企画業務などで積極的に中途採用が行われている模様。これらの分野での経験を活かして転職を目指すことができそうです。
また、海外ではアジアマーケットに力を入れているため、中国語などアジア系の言語を学んだことがあれば、自己PRにつながるでしょう。
■「なぜエイベックスに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
エイベックスの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜエイベックスか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、エイベックスという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
- 株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
- 株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
エイベックスの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、エイベックスの採用面接を受ける前には、行動指針に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「叶えたいことやそれに対する想いの強さを重視」という社風を意識しつつ、「エイベックスでやりたい夢がありそれを実現できる」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
行動規範には「他人から『おかしい』と思われることでも真摯に追い求める」とあります。夢を持つだけでなく、そのためにどんな努力をしてきたか、困難に直面しても諦めなかったか、周りの人の信頼を得てきたかどうかが重要。夢を実現させるために起こした行動や、結果が伴わないときにどうしたのかについて、言語化しておくといいでしょう。
面接は「フランクな雰囲気」という声が多く「自己PR」というまとまった時間がもらえるわけではない可能性が高いです。その場の話の流れを重視しつつ、PRを会話に盛り込めるように工夫して話しましょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代後半男性/制作ディレクター【結果:結果待ち】
20代後半男性/制作ディレクター【結果:入社】
30代後半男性/管理関連職【結果:入社】
30代後半男性/経理【結果:結果待ち】
エイベックスの採用面接に向けて
エイベックスの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
- 「叶えたいことやそれに対する想いの強さを重視」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- エイベックスの経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜエイベックスか」に対する答えを明確にしておく。
- 服装に注意。「私服で」と書かれていたら、スーツではなく私服で行くこと。
- プライベートについての雑談で話を膨らませられるよう、趣味についても調べたり、魅力を言葉で語れるようにしておく。
グローバルウェイ エージェントについてお知りになりたい方はこちらのサイトをご覧ください。こちらからでも登録できます。
「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。