エイベックスの転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

エイベックスの転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

エイベックスの2026年3月期3Q決算は、営業利益が前年赤字から30億円超の黒字へ転換。ライヴ動員回復とアニメ海外配信が好調です。サンリオとの戦略提携や子会社売却などの構造改革が進み、グローバルIP企業への変革が加速。「なぜ今エイベックスなのか?」転職希望者が担えるグローバルな役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

事業ポートフォリオの選択と集中を断行する

当3Qにおいて、バーチャル・エイベックス、aNCHOR、fuzzの子会社3社および1事業の譲渡を実行しました。ノンコア事業(本業以外の事業)の整理を進め、経営資源を音楽やアニメなどの主力IP(知的財産)へ集中させる構造改革を推進しており、転職者にとっても事業の方向性がより明確になっています。

過去最高の売上高を更新し営業利益も黒字転換する

音楽事業での大型ライヴ公演の増加やアニメの海外配信が寄与し、第3四半期累計としてコロナ禍以降で過去最高の売上高を達成しました。前年同期の赤字から営業利益3,013百万円へと大幅な増益を実現しており、コスト管理の徹底と収益力の向上が目に見える成果として現れています。

サンリオとの戦略的提携でグローバル展開を加速する

2025年12月に株式会社サンリオと戦略的パートナーシップの基本合意を締結しました。音楽制作やイベント分野での協働に加え、人材交流も予定されています。世界的なIPを持つパートナーとの連携強化により、海外市場におけるキャリア機会がさらに拡大するポジティブな構造変化が起きています。

1 連結業績ハイライト

音楽・アニメ両事業の好調により増収増益。通期利益予想を第3四半期時点で既に上回る力強い推移を見せています。
連結業績概要

出典:2026年3月期 第3四半期業績説明資料 P.3

売上高 103,060百万円 +11.3%
営業利益 3,013百万円 黒字転換
四半期純利益 3,067百万円 +42.3%

当第3四半期累計の業績は、売上高が前年同期比11.3%増、営業利益は前年の赤字から30億円超の黒字へと劇的に改善しました。大型ライヴの動員数増加に加え、販管費(販売費及び一般管理費)の効率化、特に貸倒引当金の計上減少や費用執行の見直しが利益を押し上げています。また、サンリオ東南アジア法人の株式譲渡に伴い、約10億円の投資利益および特別利益を計上したことも純利益の増加に寄与しました。

通期予想に対する進捗状況は、営業利益が目標3,000百万円に対し3,013百万円(進捗率100.4%)に達しており、極めて順調な推移です。会社側は当期パイプラインや今後の費用執行を勘案して予想を据え置いていますが、実質的には目標を既にクリアする勢いを見せています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

ライヴエンタテインメントの復活と、アニメ・映像のデジタル配信が成長の両輪となっています。
セグメント別業績推移

出典:2026年3月期 第3四半期業績説明資料 P.7

音楽事業

【事業内容】アーティストのマネジメント、ライヴの企画・制作、音楽配信、パッケージ(CD/DVD)の販売などを一貫して提供。

【業績推移】売上高は85,312百万円(前年同期比+7.6%)、営業利益は2,328百万円(前年は904百万円の損失)と黒字化。

【注目ポイント】アリーナ会場を中心とした大型ライヴ公演の増加が最大の増収要因です。特にチケット平均単価が12,833円まで上昇しており、動員数も222万人と大幅に伸びています。音楽配信も13.3%増と堅調で、リアルとデジタルのハイブリッドな収益構造への転換が進んでいます。

注目職種:ライヴ制作プロデューサー、デジタルマーケティング、アーティストマネージャー

アニメ・映像事業

【事業内容】アニメーション作品の企画・制作・販売、実写映像作品のプロデュース、これらに伴うライセンス展開。

【業績推移】売上高は15,750百万円(前年同期比+10.3%)、営業利益は947百万円(同+327.3%)と爆増。

【注目ポイント】アニメ作品の海外配信が好調に推移したことが利益を大きく押し上げました。実写映像は減少したものの、収益性の高いアニメ配信が成長を牽引しています。日本発のIPをグローバルへ届ける力が強まっており、海外展開の専門スキルを持つ人材の価値が高まっています。

注目職種:海外ライセンス営業、アニメ製作プロデューサー、デジタルコンテンツ企画

海外事業

【事業内容】北米、アジア等の海外拠点における音楽出版、エージェント業務、IP開発支援。

【業績推移】売上高は2,853百万円、セグメント利益は266百万円(注:2026年3月期より一部拠点を新規連結)。

【注目ポイント】北米拠点Avex Music Group所属のKamal Wilsonが、第68回グラミー賞「最優秀R&Bソング賞」を受賞するという快挙を成し遂げました。世界最高峰の音楽シーンでの実績が着実に積み上がっており、グローバルな制作・出版体制の強化が期待されています。

注目職種:海外事業開発、A&R(アーティスト発掘・育成)、グローバル音楽出版

その他事業

【事業内容】旅行業などの付帯サービス。旧デジタル事業の映像配信受託(終了済み)なども含む。

【業績推移】売上高は3,358百万円(前年同期比+8.8%)、営業利益は257百万円の赤字(赤字幅は縮小)。

【注目ポイント】全社的な販管費の見直しや管理体制の最適化により、赤字幅を前年の586百万円から半分以下へ圧縮しています。構造改革の成果が着実に現れており、効率的な組織運営への転換が進んでいます。

注目職種:経営管理、バックオフィススペシャリスト

3 今後の見通しと採用の注目点

強力なコンテンツパイプラインが待機。グローバル基準のIP創出が次の成長ステージとなります。
今後のリリース予定

出典:2026年3月期 第3四半期業績説明資料 P.15

今後の展望として、BLACKPINKやXG、TREASUREといったグローバルアーティストの大型公演や新作リリースが目白押しです。特に2026年1月〜3月期(4Q)はBLACKPINKのワールドツアー東京公演や、Snow Manのスタジアムライヴ映像作品の発売などが予定されており、高水準の売上が継続する見込みです。

また、藤本タツキ氏の作品をアニメ化するプロジェクト『藤本タツキ 17-26』の世界独占配信など、映像IPの多角的な海外展開も加速します。これらは中期経営計画「avex vision 2027」の重点施策である「才能の発掘・育成」に基づいたものであり、一過性のブームではなく、長期的なバリューチェーンの構築を狙っています。音楽とアニメの融合、そしてサンリオとの提携を通じた新しいエンタテインメントの形を創り出せる人材へのニーズは、今後さらに強まるでしょう。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

エイベックスは今、「日本国内」から「グローバルなIP企業」への変革期にあります。グラミー賞受賞作家の所属やサンリオとの提携など、世界を舞台にしたプロジェクトが具体化しているため、自身の専門性を海外市場の開拓やグローバルビジネスにどう活かせるかを語るのが効果的です。また、子会社の整理を通じた「選択と集中」という経営姿勢に共感し、主軸事業の成長にどう貢献できるかをアピールしましょう。

Q&A 面接での逆質問例

・サンリオとの戦略的提携において、具体的にどのような新しいIP展開やコラボレーションを最優先で検討されていますか?
・事業ポートフォリオの見直しが一段落した今、今後新たに投資を強化する「次なる成長領域」について教えてください。
・海外事業においてグラミー賞受賞などの成果が出ていますが、現地の拠点と日本の本社が連携する上で、どのようなマインドセットやスキルが中途採用者に求められますか?

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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アンテナの高い方でないと生き残っていけない

エンタメが好きで、新しい時代に乗り遅れることなく、アンテナの高い方でないと生き残っていけません。

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健康診断は配偶者健診までカバー

当然保険等はしっかりしていますし、健康診断は配偶者健診までカバーしてもらえます。ハワイに保養所、長野県に保養所、全国に宿泊施設のディスカウント等があります。

(40代前半・法務・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第3四半期業績説明資料
  • 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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