BCGの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
1963年にアメリカで創業したボストン・ コンサルティング ・グループ(以下、BCG)。3年後には初の海外拠点として日本法人を設立しました。現在では世界中に拠点を持ち、イスラエルの首相やマサチューセッツ州の知事などを輩出していることでも知られます。「人間の潜在能力を解き放つことが世界を前進させる」という理念の元、クライアントの変革や困難な課題の解決に取り組んでいます。
口コミからは「アップオアアウト(向上するか辞めるか)」などいかにも「外資」というコメントが並んでいます。社員の特徴は「誰よりも働き、誰よりも稼ぎたい人の集まり」という言葉がすべてを集約していると言えるでしょう。「電車で帰れることはほぼない」という状態ですが、成果を出せば若いうちから認められ、収入やポジションもついてきます。「ポストに人数制限がなく、同僚を蹴落とす必要がない」とあり、社員どうしは意外と協力的な様子。「たまに国の将来に関わる仕事ができる」など、社会を動かしている実感を得られるのがやりがいとなっているようです。
上昇志向を持って、社会の変革に取り組んでいく。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
書類選考後、面接が行われますが、選考期間はかなり長引くことがあります。1カ月以内に内定が出る人がいる一方、3カ月以上かけて5次6次と面接が行われることも。スケジュール管理に気を付けたいところです。
必ず出される課題として、ケーススタディとフェルミ推定があります。ケーススタディは資料を渡され、「どうすればこの会社の売り上げを上げることができるか」などを考えて答えるもの。考える時間は5分程度で、そのあと面接官とディスカッションを行います。例えば課題が「中規模ドラッグストアの成長戦略」であれば、現状のマーケット分析、要因分析、仮説の構築、施策を検討するという順番で話が進みます。途中かなり突っ込まれるので根拠を持って説明することが重要。また、面接官から助言が与えられることもあるので、素直に聞き入れることも大事です。フェルミ推定は、「ペン業界の市場規模を推定する」などのざっくりとした数字を出すための思考能力を問うもの。ベースとなる数字は調べられない環境のため、仮定で話を進める必要があります。
ケーススタディもフェルミ推定も攻略本が出ているので、まずは一通り目を通しておくことをおすすめします。
■面接内容の傾向は?
前半が質疑応答、後半がケーススタディとなります。質疑応答で聞かれるのは、志望動機や今までの実績や業務内容を踏まえて貢献できること、入社してやりたいこと、キャリアプランといった一般的な質問がほとんどです。口コミからはロジックを重視したドライな雰囲気の面接であることが伝わってきます。論理的に答えられるように準備をしておけば、スムーズに答えられるでしょう。
加えて、「今後IT企業はどうなっていくか」「50年後テレビはどうなっていると思うか」など、未来を予想する質問も頻出しています。かなりマクロな視点を求められるため、経済ニュースをこまめにチェックし、各業界の動向をざっと把握しておくといいでしょう。
現状人材募集の要綱は「コンサル経験不問」とあり、実際30代で公務員から転職に成功した人も。大幅なキャリアチェンジの可能性が残されていますが、業界経験者にとってケーススタディは「簡単」。未経験の場合は特にしっかりと準備をしていきましょう。
BCGの面接攻略法(面接対策)
■BCGの行動指針を理解した上で自己分析をする
BCGの面接を受ける上では、行動指針を理解しておくことが不可欠です。主だった行動指針には以下のようなものがあります。
・integrity(誠実さ)
・respect for the individual (個人の尊重)
・Diversity(多様性)
・Clients come first(顧客ファースト)
・The strategic perspective(戦略的視点)
・Expanding the art of possible(可能性を広げる)
・Value delivered(もたらされた価値)
・Partnarship(パートナーシップ)
・Social impact(社会的インパクト)
BCGの行動指針は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解したうえで自己分析に落とし込み、面接でこの行動指針に合致する人材であることをアピールしましょう。
BCGには明確なカルチャーがあり、それがBCGとクライアント双方の成長をけん引する力となっています。このカルチャーは「BCG values」として、上に挙げた9つのキーワードにまとめられています。今までの経験に照らし合わせ、これらの価値観にあてはまるエピソードがあれば、簡潔に話せるよう準備しておくといいでしょう。
「BCG values」を読み解くと、前職での経験を語る際には、誠実さをもって仕事をしてきた点や異文化の人と一緒に仕事をしてきた経験、他社との協業で良好な関係を築き上げた経験などもアピール材料になることがわかります。実績をアピールする際には、戦略的視点をアピールしつつ、その仕事がどのような価値をもたらしたか、社会的にどのような影響を与えたかといった点にも言及するとよさそうです。
また、BCGで働く社員のインタビューでは、BCGの強みとしていきたいこととして、「人材の多様性」「クライアントにノウハウを提供するだけでなく、成果が出るまで伴走する」「デジタル・テクノロジーの活用」の3点が挙げられていました。今後の採用でこれらが重視される可能性も高いため、今までの経験の中でこれらのキーワードに当てはまるものがあればピックアップしてエピソードとして話せるようにしておきましょう。
■「なぜBCGに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
BCGの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜボストン・コンサルティング・グループか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、BCGという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社
- アクセンチュア株式会社
- アビームコンサルティング株式会社
BCGの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、ボストン・コンサルティング・グループの採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「上昇志向を持って、社会の変革に取り組んでいく」という社風を意識して、「BCG values」の価値観に合致する人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
選考プロセスではケーススタディにばかり目が行きがちですが「自分の本心が本心たる所以を表現する能力を身につけるべき」という口コミもあり、志望動機について「今の職業で実現できないのか」などと突っ込まれて言葉に詰まってしまった人も。自己分析をして「なぜ」を明確にしておくのも忘れないようにしましょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代後半・女性/経営コンサルタント【結果:内定を辞退】
20代後半男性/経営コンサルタント【結果:内定を辞退】
20代後半男性/経営コンサルタント【結果:3次面接を辞退】
30代後半男性/経営コンサルタント【結果:入社】
BCGの採用面接に向けて
BCGの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
- 「上昇志向を持って、社会の変革に取り組んでいく」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- ケーススタディと、フェルミ推定の準備をしておく。
- 面接はドライな雰囲気。論理的に会話を。
- 「BCG values」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜBCGか」に対する答えを明確にしておく。
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慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。