JR西日本の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
1987年に施行された行政改革「国鉄分割民営化」に伴い、同年の4月1日に発足した西日本旅客鉄道(JR西日本)。鉄道事業においては、東日本旅客鉄道(JR東日本)に次いで国内シェアNo.2を誇ります。
そんな同社は国鉄時代の雰囲気を色濃く残した部署も多く、「昔ながらの年功序列が残る」「トップダウン形式が強い」といった口コミが散見されます。また部署によっては飲み会が多く、体育会系と感じる方も多いようです。一方で、飲み会などプライベートでの交流が盛んなこともあり、上司・部下問わず気軽に話ができる風通しの良さがあります。
業務面では各従業員が利用者の安全と安心の提供に向け、自身の役割の難しさと重要性を理解し、PDCAをまわしながら仕事に取り組む風土が見られます。さらに地震や集中豪雨など予期せぬ災害に遭遇した時も、「こうすればできる」と前向きに考え、部署や支社を越えて協力し合える体制が整っています。
公共性が高く100%の安全性が求められる企業で働くという責任は、時として重く感じることもあるかもしれません。しかしその分、人々の生活を支えるやりがいや地域に密着した社会貢献ができることへの誇りを感じられる点は、鉄道事業を基幹とするJR西日本ならではと言えるでしょう。
JR西日本のキャリア採用では、利用者の安全を第一とし、さらなる技術革新を目指す社風にフィットする人材かどうかを見極められます。
■選考は何次まで?
JR西日本のキャリア採用の選考プロセスは次の通りです。
書類選考→一次面接・筆記試験・クレペリン検査→二次面接・健康診断→最終面接
一次選考では集団面接と同時に、筆記試験とクレペリン検査が行われます。クレペリン検査は適性検査の1種で、性格や能力を判断する検査です。 スマートフォンのアプリや対策本もあるので、事前に練習しておくと良いでしょう。二次選考以降は個人面接です。面接官の人数やポジションは、希望する部門により異なります。
どのプロセスにおいても面接は終始和やかな雰囲気で行われるようですが、入社して何をしたいのか、入社後に何ができるのかを鋭く質問されます。また中には、質疑応答の時間に1分間という制限があったという口コミも見られ、短時間での思考及びパフォーマンス性の高い回答が求められます。
■面接内容の傾向は?
JR西日本における、あらゆるサービス・商品の根幹には「安全」という文字があります。同社の中心事業である鉄道は1日あたり約500万人が利用し、生活の基幹を守るだけではなく、尊い命を預かる事業者としての自覚が必要とされます。
そのためキャリア採用では、自分が担う分野において使命感・責任感を持って誠実に職責を果たせる人材なのか見極められます。選考においては、特に2005年4月に起きたJR福知山線の事故について、コーポレートサイトはもちろんインターネットや新聞などでも情報を集め、知識を深めておくと良いでしょう。
また、人々の生活に欠かせない身近な存在である鉄道を事業の主軸とするJR西日本では、自分と企業についてのミクロの部分だけを分析するだけでは不十分かもしれません。多くの鉄道事業の中でのJR西日本の役割についても分析し、なぜJR西日本なければならないのかを強くアピールできるよう志望動機に落とし込みましょう。
JR西日本の面接攻略法(面接対策)
■JR西日本の中期経営計画2022を理解した上で自己分析をする
JR西日本の面接を受ける上では、中期経営計画2022を理解しておくことが不可欠です。中期経営計画2022では下図のような成長イメージを描いています。
また中期経営計画2022では、鉄道事業と創造事業の2本の柱に分け、基本戦略と事業戦略をそれぞれに掲げています。また下図の計略体系に示されている通り、結果として企業理念・経営ビジョンの実現にも繋がることとなります。
そしてこの推進ビジョンからは、同社の目指す未来・ありたい姿として「安全」「使命」「挑戦」「笑顔」という4つのキーワードが浮かび上がってきます。このキ―ワードはコーポレートサイトの会社紹介にも多くちりばめられており、同社が重要視しているワードであることがうかがえます。
JR西日本の新卒採用のページには、次のようなフレーズが記載されています。
「インフラ企業として鉄道を安全に運営する使命を果たすとともに、地域社会や顧客へ価値のある商品提供をするための挑戦ができる人材を求めている」
これはキャリア採用でも同じです。鉄道事業ならではの安全への配慮や使命感はもちろん、新しいことに挑戦できるか、周りを巻き込み笑顔を提供できる人柄・人材なのかが同社の面接では問われます。
コーポレートサイトを熟読し、どんな人物像を求めているのかを研究した上で自己PRや志望動機に落とし込み、JR西日本が欲している人材であることをアピールするようにしましょう。
■「なぜJR西日本に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
JR西日本の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜJR西日本か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「常に利用者の安全を第一に考えることができる人材なのか」「新規事業開拓の際には即戦力になるのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といったもので、「本当に当社のことを理解しているのか」ということも併せて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、JR西日本という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい他社の研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 大阪市高速電気軌道株式会社
- 阪急電鉄株式会社
- 東日本旅客鉄道株式会社
JR西日本の採用面接で実際に聞かれた質問内容
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかり考えながら面接対策をしておきましょう。
30代前半男性/物流サービス【結果:入社】
20代後半男性/通信設備施工管理【結果:2次面接で不採用】
20代前半男性/設備関連職【結果:入社】
20代後半男性/営業企画【結果:2次面接で不採用】
JR西日本の採用面接に向けて
JR西日本の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●利用者の安全を第一とし、さらなる技術革新を目指す社風を意識して、自分が担う分野において使命感・責任感を持って誠実に職責を果たせる人材であることを自分の言葉でアピールする。
●中期経営計画2022を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
●競合他社についても研究し、「なぜJR西日本で働きたいのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかり準備し、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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経営コンサルティング会社で採用コンサルやデータ分析を行いながらライターとして活動中。得意分野はスタッフ採用と教育。