J:COMの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
住友商事と米国テレコミュニケーションズ(当時)の合弁会社としてスタートしたJ:COM。次々と地方ケーブルテレビ局を買収することで大きく成長し、現在は国内加入世帯数が550万を超える、国内最大のケーブルテレビ事業者です。主力であるケーブルテレビ・インターネット事業のほか、電力関連事業、通販事業にも進出するなど、積極的に事業分野を拡大しています。
そんな同社の口コミからは、シビアな営業姿勢と体育会系の企業風土が浮かび上がります。「テレビ局のイメージを抱いて入社すると大きなギャップを感じる」という口コミが見られるように、地域での加入者獲得のための営業業務が主体となっている現状があるようです。そのため、営業職では「数字にかなりシビア」という声が多く聞かれます。オペレーターの場合も「業務実績は完全に数値化されて徹底管理されている」との口コミがあり、成果を数値化してインセンティブを与える評価制度が全社的に徹底されているようです。
しかし、こうした評価制度を「実力主義」ととらえる人も少なくない様子。「数字での評価がシンプルなため頑張れば評価されやすい」「頑張り次第で稼げる」などの口コミが多く見受けられ、明朗な評価制度を励みに業務に邁進する社員の姿がうかがえます。「本気で営業道を極めたいという意思表示をすれば、先輩が夜中まで(営業トークの)ロールプレイングにつきあってくれる」といった口コミもあり、「やる気と成果」を重視する体育会系の企業風土が醸成されているようです。社内イベントも盛んで、和気あいあいとした雰囲気があることに加えて、福利厚生も充実、女性が管理職を目指せる環境があるなど、労働環境に恵まれている面もあります。
こうした実力主義かつ体育会系のJ:COMの社風にうまく順応し、求められる成果を出していけるかどうかという観点から、対策をおこなう必要があります。
■選考は何次まで?
コーポレートサイトによると、J:COMの選考プロセスはキャリア採用ページを経由してエントリーすることから始まります。その後のフローについてコーポレートサイトに明記はありませんが、口コミによると複数回の面接を経て内定が出ることが多いようです。選考期間は1週間から3ヶ月程度と、人によって大きく異なることも事前に把握しておきましょう。
2020年3月現在、同社ではデータ分析スタッフや営業職といった職種でキャリア採用をおこなっています。2021年度新卒者向けの採用サイトには、「求める人物像」は、経営方針の基本姿勢である「3C(CHANGE・CHALLENGE・CREATE)」を備えた人物だと明確に記載されています。その他のコンテンツもキャリア採用への応募者にとって有益な内容となっています。企業研究の一環および自己分析の手立てとして目を通しておくとよいでしょう。
■面接内容の傾向は?
実際の面接では、人物評価を重視する傾向が見られます。「(あなたは)どれくらい真面目か?」「絶対人に負けないと思うことは?」といった質問を通じて、応募者の人柄や性格を見ていると考えられます。自己分析はしっかりとおこない、自分の個性を的確に面接官に伝えられる準備をしておきましょう。「ともに働きたい人物」「3Cを備えた人物」という印象を与えられるようなエピソードをいくつか選定し、会話の流れに応じて披露できるようにしておくと役立ちます。また、誠実さが伝わる物腰で受け答えすることも大事です。
シビアな営業姿勢のJ:COMは、実務能力を重視する傾向もあるようです。「前職で成績を伸ばすために努力していたことは?」「当社の営業はきついが耐えられるか?」と聞かれた人も。入社後、即戦力として成果を上げられることをアピールする必要があります。これまでのキャリアを整理し、「業務における自分の強みは何か」を明確にしておきましょう。業務遂行を可能にするタフさを示す経験やエピソードがあると説得力が増します。「頑張ります」で終わらない効果的な自己PRを練ってみてください。
J:COMの面接攻略法(面接対策)
■J:COMの経営方針およびビジョンを理解した上で自己分析をする
「もっと、あなたに響くこと。」をブランドスローガンとする同社。「心に響く」エンターテインメントとサービスを提供すること、人々の生活を他方面から支えることで明るい未来に貢献することを企業理念としています。
この企業理念に沿って策定された経営方針では、先にも少し触れた「3C(CHANGE・CHALLENGE・CREATE)」を基本姿勢としています。変革・挑戦・創造の3精神を根底に置き、エンターテインメントを通じて顧客の生活に新たな価値を添えるとともに地域社会に貢献することを目指します。事業活動の推進にあたっては、従業員の幸福および高い企業倫理も追求していく方針であり、社会的責任を果たすための健全経営施策にも注力していくとしています。
こうした事業を通じてJ:COMが実現したいのは上図のようなビジョンです。ケーブルテレビ事業者としての業界随一のネットワーク力を基盤に、電話や電力、インターネット事業などを加えた総合サービスを提供する「コミュニティサービスパートナー」となることを見据えています。
また、「『いたるところで』人々の生活を支える『J:COM』」へと成長するために、全従業員が従うべき「J:COM WAY」と呼ばれる行動指針も明確に定められています。中途採用にあたっても、こうした行動指針に則って成果を出せる人材が求められていると言えます。したがって、経営方針とビジョンだけでなく、行動指針も理解し、自己分析に落とし込んでおくことが必要になります。
■「なぜJ:COMに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
J:COMの面接では「なぜ当社なのか」と聞かれる場面が多く見られます。この場合、志望動機を問うことで面接官は「これまで培ってきたスキルや素養をどのように当社で活かすつもりなのか」といったキャリアビジョンと併せて、「当社のことをどれだけ理解しているか」「当社の強みや方向性を理解した上で成果を出せる人物なのか」を見極めようとしています。
自分の希望する職種への理解だけでなく、J:COMという企業が描くビジョンとその実現に向けた経営方針についてしっかりと理解した上での自己PRが大切です。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れずにおこないましょう。業界トップという理由からだけでなく、「なぜ他社ではなくJ:COMを志望するのか」を論理的に説明することは、自己PRに説得力を添えて後押しする意味を持ちます。具体的には、ケーブルテレビのライバル的存在である衛星放送を提供する以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- スカパーJSAT株式会社
- 株式会社WOWOW
J:COMの採用面接で実際に聞かれた質問内容
J:COMが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。同社の場合、事業を通じて人々の快適な生活に貢献する姿勢とともに確実に業務を遂行する能力が重視されます。「実力主義かつ体育会系の社風」を意識して、「経営方針や行動指針に則りつつ、J:COMブランドの成長のために成果を上げられる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
以下に、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[30代前半・男性/カスタマーサポート] 【結果:面接中止】
[20代前半・男性/代理店営業] 【結果:最終面接で不採用】
[20代後半・男性/代理店営業] 【結果:二次面接を辞退】
[20代後半・女性/その他] 【結果:入社】
J:COMの採用面接に向けて
J:COMの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「実力主義かつ体育会系の社風」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- J:COMの経営方針およびビジョンを理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜJ:COMなのか」に対する答えを明確にしておく。
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大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。