三菱倉庫の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1887年に創設された三菱倉庫。その名の通り三菱グループの一角であり、倉庫業界では大手のひとつに数えられます。120年の歴史と伝統により培われた事業は顧客からの信頼も厚く、国内外に多くのグループ会社を保有しています。主要業務は倉庫事業や運送関連の物流業務ですが、オフィスビルや商業施設、住宅の開発・賃貸など不動産業務も手がけています。
歴史の長い会社だけに古い体質が残る面もあるようで、「年功序列の傾向が強い」「規則が非常に多い」といった声も散見されます。しかし、それらは批判対象ではなく、「競争のないのんびりとした会社」「評価を気にせずマイペースで仕事ができる」「品質管理がしっかりしている」との意見につながるものです。給与や福利厚生についても高評価の意見が多く、安定性や将来性についても、よほどのことがない限り心配はしていないといった口コミが見られました。
一方、業務面では「現場と事務の労働の差が激しい」「物流という仕事柄、365日のサービスを要求される」といった声も。残業代が支給されるとはいえ、プライベートの時間を持てないなど、全体的なワークバランスを問題にあげる意見も見受けられます。
同社は経営方針として「顧客目線」「安全と品質の向上」「活気のある職場づくり」を掲げています。安定性のある事業とはいえ、今後も信用度の高いサービスを提供するには、厳格な管理が必要とされます。以上から「誠実な人柄を持ち合わせている」「自らを律し行動ができる」「周囲と協力して仕事をしていける」人材を求めているといえるでしょう。採用面接では、こうした方針に共感し、実現できる人物であるかを見極められます。
■選考は何次まで?
次に、同社の採用フローを見ていきましょう。コーポレートサイトのキャリア採用情報によると、希望する職種と勤務地を明記した履歴書を採用担当まで郵送し、書類選考、1〜3回の面接を経て内定といった流れになっています。面接回数は、応募職種や時期によって変更があるようです。
面接は役員、部長、現場社員がおこない、グループ面接や複数を相手にした形式とさまざまです。選考期間は短くて2週間、長くて3ヶ月を要し、「書類選考に時間をかけているのではないか」との口コミが見られました。
現在の募集職種は「総合職」「地域職」となり、それぞれ必要資格、待遇、勤務地が異なりますので、要項をしっかりと確認しましょう。
なお、新卒採用サイトには、詳しい仕事内容や社員インタビューの掲載もあるので、会社の雰囲気を知るためにも、ぜひ目を通しておくことをおすすめします。
■面接内容の傾向は?
特に変わった質問をされることもなく、穏やかな雰囲気で進むという口コミが見られます。志望動機、経歴、入社後のビジョンなどはしっかりと整理し、自分の言葉で誠実に伝えることを心がけましょう。「なぜ物流を選択したのか?」との問いにも、円滑な回答ができるよう準備が必要です。
人柄を重視する傾向にあるので、明るく元気な印象を与えると同時に、コミュニケーション能力も重要となります。質問のひとつひとつを理解し、自分を必要以上によく見せようとせず、言葉に詰まってしまっても、仕事への意欲や得意なことを自己アピールしていきましょう。
業務内容や就業時間に関しては「面接時に要確認」という意見が見られるので、自分が希望している内容とズレがないか、募集要項との差異がないかなど、納得がいくまで確認することも必要です。
海外にも多数の拠点を持つ企業なので、語学力に自信がある、海外勤務に興味があるなどの場合は、積極的にアピールしていきましょう。
三菱倉庫の面接攻略法(面接対策)
■三菱倉庫の「MLC2030ビジョン」を理解した上で自己分析をする
三菱倉庫の面接を受ける際は、同社の目指す「MLC2030ビジョン」と、新中期経営計画を正しく理解することが必要となります。この項では、どのような方針であるかを読み解くとともに、自己分析に落とし込むための考察をしていきます。
まずは同社のここ10年の連結営業利益を見ていきましょう。下図のグラフによると、大幅な推移は見られず、横ばいの状態を維持しています。セグメント別に見ると、不動産事業が前期比でマイナス5%となりましたが、物流事業では8%の増益をあげています。
現在の物流・不動産業界を取り巻く環境としては、競争の激化やコストの増加が問題となっており、そこで打ち出されたのが「MLC2030ビジョン」です。MLCとは同社の英文表記である「Mitsubishi Logistics Corporation」の略称で、2030年に向けての成長戦略として新たに策定されました。具体的な施策としては、
- 顧客を起点としたサポート体制の確率
- 海外需要の増加を狙った事業拡大
- 港運・不動産事業の利益確保
などがあげられ、今後目指す企業の姿として以下のようにまとめています。
次に「新中期経営計画」を見ていきましょう。上述のビジョン実現のため、2019〜2021年の3ヵ年を目処に、8項目の施策に取り組むとしています。主に既存事業の維持・強化をあげており、これら以外にも投資の増加を予定するなど、経営基盤の増強を図る方針です。
世界的な視野では、経済状況は緩やかな上昇傾向にあるとはいえ、環境変化の波はいつどういった状況で起こるかは予測ができません。そういった中、既存事業の強みを生かした業務拡大の計画は、足元をしっかりと見据えた上での堅実な経営方針といえるでしょう。
以上から、「誠実を第一に仕事ができる」「変化に対する柔軟性を持ち合わせている」人材を同社は求めているといえます。面接の場では、こうした意欲を持ち業務にあたることができる人物であることをアピールしていきましょう。
■「なぜ三菱倉庫に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
三菱倉庫の面接では、「なぜ三菱倉庫を選んだのか」という質問をされることがあります。ここでは面接官が「入社後の明確なビジョンを持っているか」「今までの経歴が当社の戦力になり得るのか」といった点を見るだけではなく、「当社について本当に理解しているか」を見極められています。
業界や職種理解のみにとらわれず、三菱倉庫という企業の経営理念、経営方針である「MLC2030ビジョン」をしっかり把握した上で、競合の比較対象になりやすい他社を研究していきましょう。一例として以下の企業をピックアップしますので、参考にしてください。
- 株式会社住友倉庫
- 三井倉庫株式会社
- 日本トランスシティ株式会社
三菱倉庫の採用面接で実際に聞かれた質問内容
企業研究を通じて、三菱倉庫が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているかが分かってきたのではないでしょうか。面接の場では、同社の経営方針である「常に顧客サービスを考え、安全と品質を提供していく」を意識し、「誠実で信頼される人間である」「周囲との調和をはかり、創造性・柔軟性を持ち業務ができる」人材であると印象づけられるよう、複数のエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接を受けた方が実際に聞かれた質問をご紹介していきます。これらに目を通した上で、「こうした問いにはどう答えるのが最適か?」など、シミュレーションしてみてください。
20代後半・男性/物流サービス【結果:入社】
20代前半・女性/企画営業【結果:最終面接で不採用】
20代前半・女性/営業事務・管理事務【結果:最終面接で不採用】
三菱倉庫の採用面接に向けて
三菱倉庫の採用面接を受けるにあたり、押さえておきたいポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下となります。
- 「お客様の価値向上に貢献する」という経営方針を意識して、これにマッチした人材であることをアピールする。
- 三菱倉庫の「MLC2030ビジョン」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ三菱倉庫なのか」に対する答えを明確にしておく。
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