日本製鉄の採用面接前に知っておきたいこと
■日本製鉄の採用面接前に知っておきたいこと
国内最大手の鉄鋼メーカーである日本製鉄は、2012年、旧新日本製鐵と旧住友金属工業の合併により誕生。合併当初の社名は「新日鐵住金」でしたが、2019年4月、「日本製鉄」に商号を変更しました。旧新日本製鐵は1901年に完成した官営八幡製鉄所から歴史を刻み、「鉄は国家なり」という言葉とともに日本の高度経済成長を支えてきたことから、名実ともに伝統ある名門企業だと言えるでしょう。現在は、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカーへ」というスローガンを掲げ、世界第3位の粗鋼生産量(2018年ランキング)を誇っています。
同社の口コミには、「年功序列」「男性社会」「官僚的」「エリート意識が高い」「旧官営八幡製鉄所からのDNAを受け継ぐ」など、名門企業ならではの保守的な社風を思わせるコメントが並びます。合併会社ゆえに出身母体によるカラーの違いもあるようで、「旧新日鐵側は上司と部下とのコミュニケーションが活発。旧住金側は完全なトップダウン型」という口コミも。また、部署対抗のスポーツイベントなどレクリエーションも盛んで、社内の付き合いに関しては体育会系な一面もあるようです。こうした社風が合うかどうかは、応募者にとっても採用側にとっても重要なポイントとなります。
仕事の面では、「若いうちから金額的にも社会的影響力のある大きな案件を任される」「自分のやりくりでサプライチェーンが大きく左右されるため、非常にやりがある」など、基幹産業としてのやりがいの大きさが口コミから伝わってきます。
また、製鉄所の場合は3交代勤務が原則ですが、「24時間ラインが動いているので休みにも電話がかかってくることがある」といった口コミが散見され、こうした環境であることを踏まえる必要があるでしょう。加えて、製鉄所の多くは地方にあるため、その土地に愛着を持てるかどうかも大事なポイントです。
面接にあたっては、仕事の意義はもちろんのこと、こうした社風や労働環境を踏まえたうえで自己分析をおこなってみてください。
■選考は何次まで?
選考フローは職種やポジションによって異なりますが、書類選考やWEBテストの後に、複数回(2〜4回程度)の面接がおこなわれるのが一般的です。また職種によっては、面接の前に工場見学会や研究発表会がおこなわれ、感想などを聞かれるという情報もあります。
2020年3月現在、転職エージェントを通じて製鉄所の求人があります。時期によってはコーポレートサイトでも中途採用の募集がおこなわれますので、こまめにチェックし情報を逃さずキャッチしましょう。
■面接内容の傾向は?
質問内容自体は一般的なものが中心です。中でも「志望動機」は重視される傾向にありますので、しっかり対策を講じておきたいところ。企業研究をおこなったうえで、企業の目指すところと自分の強みやキャリアビジョンを重ね合わせ、入社後にどんな価値を発揮できるのか語れるとよいでしょう。面接経験者からは、「堂々と面接に臨む」「要点をかいつまんで話す」「聞かれていることをよく理解する」といったアドバイスがあります。
また、「圧迫面接だった」と感じた人も見受けられますので、本番で動じないよう心構えが必要でしょう。落ち着いて対応するためにも、業界研究や企業研究、自己分析はしっかりとおこなっておくことが肝心です。
日本製鉄の面接攻略法(面接対策)
■日本製鉄の中期経営計画を理解した上で自己分析をする
日本製鉄では、2018年〜2020年の中期経営計画の中で、「つくる力を鍛え、メガトレンドを捉え、鉄を極める」ことを通じ、「総合力世界 No.1 の鉄鋼メーカー」に向けて進化を続け、社会の発展に大きな役割を果たしたいとしています。
具体的には、中長期的に取り組むべき課題として、「社会・産業の変化に対応した素材とソリューションの提供」「グローバル事業展開の強化・拡大」「国内マザーミルの“つくる力”の継続強化」「鉄鋼製造プロセスへの高度ITの実装」「持続可能な社会の実現への貢献(SDGs)」という5つのテーマを設定し、それに対して以下の施策を打ち出しています。
① お客様価値の創造(ニーズを先取りした商品開発・マルチマテリアル化)
② 高級鋼輸出・現地生産拡大、鉄源から製品の現地生産化
③ 安定生産・能力フル発揮、最適生産体制の構築
④ 高度IT技術開発、日鉄ソリューションズとの連携
⑤ 温暖化ガス削減、革新的技術開発
そして経営資源の積極投入により成長の実現を目指す考えで、国内設備に関しては、2017年中期計画に対し3年間で約3500億円増の約1兆7000億円を投資する計画です。また、「人」の強化として年間1100人程度の採用をおこなうとしています。
同社の面接にあたっては、この中期経営計画を理解したうえで、自分の価値を発揮できる領域について訴求する必要があるでしょう。
■「なぜ日本製鉄に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接では、「なぜ日本製鉄か」という質問に説得力をもって答える必要があります。面接官はこの質問によって、「応募者がどんな仕事をしたいのか」「それがここで実現できるのか」「社風にフィットした人材か」を確かめると同時に、応募者がしっかり企業研究をしたうえで応募しているかを確認するのです。その業界や職種の魅力だけでなく、日本製鉄でしか実現できないことを見つけ出し、訴求することが大切になります。
そのためには、以下のような競業他社についても研究をおこなったうえで、「なぜ日本製鉄か」について語れるようにしておきましょう。
- JFEスチール株式会社
- 株式会社神戸製鋼所
日本製鉄の採用面接で実際に聞かれた質問内容
日本製鉄が目指している方向性や、どういった人材が求められているのか、分かってきたのではないでしょうか。
日本製鉄の場合、日本の経済成長を支えてきた歴史や基幹産業としての誇りから、その社風は「官僚的」「保守的」といった声があります。こうした社風にフィットするかどうかは個人の考えや姿勢によるところが大きいものの、優秀な集団の中で国の産業を支える仕事を通じて得られるやりがいは決して小さくないでしょう。
面接にあたっては、「“総合力世界No.1の鉄鋼メーカー”の実現に向けて、ともに前進できる人材」だと印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくことをおすすめします。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[20代後半・男性/カウンターセールス] 【結果:二次面接で不採用】
[20代後半・男性/システムエンジニア] 【結果:入社】
[30代前半・女性/会計関係職] 【結果:入社】
日本製鉄の採用面接に向けて
日本製鉄の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 名門企業ならではの社風や基幹産業としての仕事の意義を理解し、こうした環境で能力を発揮できる人材であることをアピールする。
- 中期経営計画を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜ日本製鉄か」に対する答えを明確にしておく。
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