キタムラの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
“「思い出」「きずな」「感動」をつくる”を軸として、写真ビジネスを中心に事業をおこなうキタムラ。「カメラのキタムラ」や「スタジオマリオ」の運営、Apple製品の修理サービス、スマートフォン事業など幅広い事業を手がけています。
2019年9月末現在、707店舗をもつ「カメラのキタムラ」は、1934年に高知県で「キタムラ写真機店」として創業した老舗写真用品チェーンです。1999年には競合に先駆けてインターネット事業を開始するなど、業界をけん引してきました。
ところが全国的な経済の滞留や個人消費の伸び悩みから、同社は「景気の先行きは不透明な状況が続いている」と発表しています。2018年には、当時の全店舗の約1割にあたる125店舗を閉店。同年、「TSUTAYA」で知られるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が同社のTOBをおこない、CCCの連結子会社となりました。これにより、キタムラの有する店舗ネットワークや写真のプリント技術、販売員の専門性などのノウハウと、CCCの有するライフスタイル提案力や店舗企画力の融合が加速。以降、収益と成長が見込める分野について事業構造改革を推進しています。
主に写真による思い出作りをサポートする仕事であることから、社員は「お客様に感謝されることにやりがいを感じる」という人が多いようです。社内は明るく朗らかでのびのびした雰囲気。風通しが良く、社員の意見が通ることもままあるようです。しかし、裏を返せば「意思決定を従業員に委ねる部分があり、1人あたりの責任は重い」と感じる人もいます。
カメラのキタムラに勤務する人からは「有給が消化できない」「繁忙期にはあたり前のように残業がありました」といった声が聞かれる一方、スタジオマリオでは「残業ゼロ」の取り組みをおこない、実際に2018年度の残業時間は1日あたりわずか9分という実績をあげています。店舗の種類や場所によって労働環境はかなり異なるようです。
そして全国展開するキタムラでは、転勤となることもあります。これに関しては、家賃補助や引越し費用の全額負担といった手厚い補助が用意されているため、安心してよいでしょう。女性スタッフが約9割を占めるスタジオマリオでは育児両立支援制度も整備されています。
同社の代表取締役社長は、「サービスが先、利益はあと。いつもお客さまを第一に考えて行動します」という言葉を理念として掲げています。「お客さまを第一に考えながら、自主性をもってのびのびと仕事にあたる」。こうした社風にフィットする人材かどうか、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
同社では現在、「スタジオマリオ」「アップル製品サービス」においてそれぞれ契約社員を募集しています。WEBから希望する店舗に応募したのち、採用担当者より電話またはSMSで連絡が来ますので、面接の日程を調整してください。面接後、1週間以内に合否の連絡が来ます。履歴書は採用後に提出します。
このほか、2020年4月下旬オープン予定の「新宿・北村写真機店(仮称)」のオープニングスタッフ(契約社員)の求人も出ています。こちらはWEB応募ののち郵送での書類選考があり、書類選考の合格者のみ面接に進むことが可能です。その後1週間以内に合否の連絡があります。
また、稀に正社員での中途採用の募集が出ることもありますので、採用サイトや求人サイトをこまめにチェックしてみてください。その場合はWeb応募による書類選考を経て一次面接、その後最終面接となります。
■面接内容の傾向は?
契約社員の面接は応募した店舗の店長が担当し、部長が担当することもあります。質問数は多くなく、全体を通して応募者の人となりを見るようです。「なぜ転職を考えたか?」「接客経験はあるか」という基本的な質問で仕事についての背景を探ったのち、「どんなテレビ番組を見るか」「最近の喜怒哀楽エピソード」といった質問で人物像を深堀していきます。
こうした質問からは、周囲とコミュニケーションがとれるか、お客さまのことを考えて仕事ができるかを判断されます。前職で接客の経験や取引実績などがあれば、具体的に伝えましょう。スタジオマリオに応募する場合は、子どもと接した経験があるとアピールポイントになるようです。
正社員の中途採用の場合は、面接が3回おこなわれたという声や、計算テストがあったという口コミも見られます。職種や店舗によって選考フローに差があるようですので、柔軟に対応できるよう心構えをしておきましょう。
キタムラの面接攻略法(面接対策)
■キタムラの戦略を理解した上で自己分析をする
先述のとおり、同社は継続的に業績の回復に取り組んでいます。面接を受ける際には、収益力向上に注力する同社の戦略を理解しておくことが必要です。同社の掲げる戦略は、以下の6つの柱から成り立っています。
1.カメラ専門店として「新品×中古でもっとカメラは楽しくなる!」ことを提案する
2.イメージング商品の拡充
3.EC事業の拡大
4.スタジオマリオの魅力の向上
5.戦略的再配置による出店の推進
6.Apple正規サービスプロバイダ認定店のサービスの向上
このように同社の戦略は多岐にわたり、さまざまな面から経営の立て直しを図っていることがうかがえます。コーポレートサイトにはこれらの項目についてさらに細かく記載がありますので、面接の前に必ず確認しておいてください。
また、同社は好調なインターネットでのサービスによって店舗数減をカバーしようとしています。カメラの買い替え時に下取りを請け負う「トクトク交換サービス」の利用数が増えたほか、ECにおける在庫管理の精度向上、納期改善により売上が向上しました。
このような実績を踏まえたうえで、業績回復に貢献できる人材であることをアピールしましょう。
■「なぜキタムラか」を語るための他社研究も忘れずに
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜキタムラなのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「接客業に向いているか」「カメラ業界に興味があるのか」といった点はもちろん、「本当に同社の特色を理解しているのか」ということです。
業界や職種の枠を超えてキタムラという企業について理解するためには、競合となりやすい企業についても調べておく必要があります。他社との違いを明らかにしたうえで、「なぜキタムラなのか」について、説得力のある答えを用意しておきましょう。例として、以下のような企業との違いを調べてみてください。
- 株式会社ヨドバシカメラ
- 株式会社スタジオアリス
- シュッピン株式会社
キタムラの採用面接で実際に聞かれた質問内容
キタムラが目指している方向性や、どういった人材が求められているのか、企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。
キタムラの採用面接を受ける前には、戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「お客さまを第一に考えながら、自主性をもってのびのびと仕事にあたる」という社風を意識して、「今までの経験を生かし、業績の回復に貢献できる人材」であると印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。このような質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策をしておきましょう。
[30代前半・男性/ショップスタッフ] 【結果:入社】
[20代前半・女性/フロアスタッフ] 【結果:二次面接で不採用】
[20代後半・男性/店長] 【結果:面接中止】
[20代前半・女性/店長] 【結果:二次面接で不採用】
キタムラの採用面接に向けて
キタムラの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- お客さまを第一に考えながら、自主性をもってのびのびと仕事にあたる社風の中で、今までの経験を生かし、業績の回復に貢献できる人材であることをアピールできるよう具体的なエピソードを用意する。
- キタムラの戦略を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜキタムラなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかり準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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