日立造船の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1881(明治14)年に創業した大阪鉄工所を前身とする日立造船。主な事業であった造船業を2002年に分離し、環境エンジニアリングの道へと舵を切りました。売上の約7割を占める環境・プラントセグメントは、海水淡水化プラントやごみ焼却発電プラントなどを主軸に事業を展開しています。2019年には、海が多い日本の国土的特徴と親和性の高い、洋上風力発電設備を1基納入するなど、最先端の技術と知見で環境事業への挑戦を続けています。
そんな日立造船の社風を知るべく口コミを見てみると「大きな仕事を任されるので達成感が大きい」「いろいろな業種と関わるので知識を得られる」など、仕事にやりがいを感じている社員が多いようです。また「管理職が社員のモチベーションを引き出そうとする姿勢が見える」「相談に乗ってくれる人が多い」など、風通しの良い社風が見えてきました。有給休暇取得率や各種手当についても高く評価する口コミが多く、健全な就労環境が整っている様子です。
一方、「ゴミ処理以外の事業が育っていない」「メイン事業以外は将来性に疑問を感じる」という口コミもあり、携わるプロジェクトによりやりがいの濃淡が少なからずあり、それに疑問を呈する人も見受けられました。
プロジェクトの多くが大規模だからこそ、ひとつの仕事にかかる時間やマンパワーは膨大なもの。常にその一翼を担っているという意識が、やりがいの鍵を握っていそうです。環境問題への「ソリューションプロバイダー」を目指す同社では、地球環境への貢献意欲が高い挑戦者が求められています。同社の行動規範は求める人物像を知る上でヒントになるのではないでしょうか。
1. 果敢に挑戦する
2. 真摯に対話する
3. 広く学び、深く考える
■選考は何次まで?
2020年4月現在、日立造船では、海外の環境プラント工事マネジメントや、都市ごみ焼却施設の工事管理・技術営業など複数のポジションで募集を行っています。コーポレートサイトの採用情報ページに明記されている、募集職種と必要資格を確認してみましょう。
応募は、履歴書と職務経歴書を人事部宛てに郵送します。書類選考の結果が通知された後の正式なフローは採用情報ページには明記されていませんが、口コミによると人事部および事業部の担当者や部長と1~2回の面接がおこなわれるようです。選考期間については、1週間で内定したという人から、3ヵ月かけて不採用となってしまった人まで幅があるようです。
■面接内容の傾向は?
口コミによると「同業他社とどこが違うと思うか」という質問があったようです。環境プラントの建設・施工を手がける企業が数ある中で、日立造船のどこに魅力を感じて入社を希望したかは、面接において最も大事な部分です。他社の特性や取り組みとの違いを把握し、自分の言葉にあらかじめ落とし込んでおくことをおすすめします。
さらに「あなたを採用したら会社にどんなメリットがあるか」と問われた面接経験者もいました。同社は中途採用において、即戦力となり、会社の常識にとらわれないアイデアをもつ人材を求めています。自身の長所と会社の方向性を照らし合わせた上で、どのように貢献できるかを考えてみるとよいでしょう。
また、前職を辞めた理由を問われたという口コミも見受けられます。中途採用面接において多い質問ですが、ポジティブな要素に重点を置くことで、新たな仕事への意欲のアピールにすることができるでしょう。
日立造船の面接攻略法(面接対策)
■日立造船の「Hitz 2030 Vision」を理解した上で自己分析をする
2017年、日立造船は2030年を見据えた長期ビジョン「Hitz 2030 Vision」を発表しました。約10年のスパンで売上高1兆円への到達と、営業利益率10%以上を目指すものです。
またダイバーシティマネジメントという観点からは、グローバル採用や中途採用を積極的に実施し、多彩な人材を取り込みます。これは施策のひとつでもあるグローバル化の推進とも密接で、全世界に広がる拠点でのビジョンの共有とスムーズな事業展開を目的としています。社内公用語を英語にする意向も示していることから、一人ひとりのグローバル人材としての活躍が期待されていることは明らかです。さらに各事業の位置づけと伸長の見込みを測定・再認識するポートフォリオマネジメントは今後も課題となり、大胆な変化への順応性が求められることが予測できます。
日立造船が一丸となって取り組んでいる長期ビジョンの内容をよく理解した上で、面接に挑みましょう。各セグメントの業績や財務データなどはIR情報のページに掲載されていますので、自分なりに分析をしておくとよいでしょう。
■「なぜ日立造船に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
中途採用面接において「なぜ日立造船なのか」を自分の中で明確にしておくことはとても重要です。面接官は、この質問によって「この人はどのような仕事がしたいのか」「なぜ当社を希望するのか」ということに加え、「当社をどれくらい理解しているか」を確認しようとしています。会社への適性を見極める上で根幹となるポイントでもありますので、十分な準備が必要です。
業界や職種を超えて日立造船を理解するには、競合他社についての研究も欠かせません。また、世界中をフィールドとするこの業界において、グループ会社や同業他社を含めた業界マップを一度頭に描き理解を深めておくことをおすすめします。具体的には、以下のような企業についてあらかじめ研究を進めてみてください。
- JFEエンジニアリング株式会社
- 株式会社荏原製作所
- 三菱重工業株式会社
- 栗田工業株式会社
日立造船の採用面接で実際に聞かれた質問内容
日立造船が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。日立造船の場合、「一人ひとりが大規模事業の一翼を担う」社風を意識し、「地球環境への貢献意欲が高い挑戦者」と印象づけられるよう、環境問題の解決への熱意を論理的に伝える準備をしておきましょう。そのためには長期ビジョンをよく理解し、これまでのキャリアの中で学び、取り組んできたことと照らし合わせる作業が有効です。
以下、実際に経験者が面接で聞かれた質問ご紹介します。これらを参考に、これまで磨いてきたキャリアを自身の言葉でPRできるよう、さまざまなエピソードを用意して対策を進めてください。
[20代後半・男性/建築・設備関連職] 【結果:二次面接で不採用】
[20代後半・男性/研究開発] 【結果:入社】
[20代後半・男性/プロジェクトマネージャー] 【結果:一次面接で不採用】
[20代前半・男性/プラント設計] 【結果:結果待ち】
日立造船の採用面接に向けて
日立造船の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 環境問題への「ソリューションプロバイダー」を目指す日立造船の方向性に照らし合わせて、「地球環境への貢献意欲が高い挑戦者」であることをアピールする。
- 長期ビジョン「Hitz 2030 Vision」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ日立造船か」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。