MSDの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1891年に創業され、125年以上にわたり世界のヘルスケアを牽引してきた米国メルクの日本企業であるMSD。同社は、2010年に万有製薬株式会社とシェリング・プラウ株式会社が統合し誕生しました。そのため、外資系でありながら内資系の雰囲気も持ち合わせており、組織は年功序列型でしたが、近年では年齢や性別に関係なく実力主義の組織へと変化しています。
ダイバーシティ&インクルージョンにも力を入れており、女性の活用にも積極的です。女性管理職を増やすことにも積極的で、やる気があり能力もある女性にはキャリアアップを目指せる環境が整っています。時短勤務やフレックス制度も整っており、様々なライフスタイルに合わせて働くことができます。
MR(医薬情報担当者)から本社勤務への道も開かれていますが、語学力が必須となっています。語学に自信がありそれを活かして働きたい方には、魅力的な環境といえるでしょう。一方、米国本社の影響力が強いため、組織や施策も米国本社の意向を汲むことが多く、組織改編も頻繁に行われる傾向があります。
「人々の生命を救い、生活を改善する革新的な製品とサービスを発見し、開発し、提供すること」をミッションとする同社。創業者の息子で、創世期に社長を務めたジョージ・W・メルクは「医療品は人々のためにあるのであり、利益のためにあるのではないことを決して忘れてはならない」という考え方を掲げています。実際に同社で働く社員からは、「人々の健康を支えている仕事に誇りを持っている」という口コミが寄せられており、企業の目指す姿が社員まで深く浸透していることがうかがえます。また、「自己アピールがしっかりでき、リーダーシップがある人物が出世しやすい」といった口コミも見られることから、統率力、実践力が求められる社風であると言えるでしょう。
「人々の健康を支えていることへの社会的意義に誇りを持ち、リーダーシップがある人物が好まれる」。そんな社風にフィットしている人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
MSDの選考は書類選考→面接を複数回→内定という流れです。1次面接ではHiring Manager、2次面接では関連部署の担当者やマネージャー、3次面接では担当部署のマネージャーが面接官という口コミが多く見受けられました。部署によっては米国本社の社員がマネージャーとなる場合もあるので、英語面接の準備は必須です。本社勤務では英語スキルが求められるので、複数回ある面接の中で1回は英語面接があると考えておくと良いでしょう。
内定までは1か月から3か月程度です。米国本社社員との面接では、時差の関係もありスケジュール調整に時間がかかることもあるため、時間に余裕を持って転職活動を行うことをおすすめします。
中途採用では、採用サイトのリンク先からグローバルでのリクルーティングサイトへ移行します。現在、薬事領域やクリニカルリサーチ領域、オンコロジー領域等で、幅広く募集が行われています。
■面接内容の傾向は?
同社の中途採用の募集は、グローバル研究開発部門やメディカルアフェアーズといった部署が多く、領域は主にオンコロジー部門となっています。したがって、求められている人材は、高い専門的知識を持ち合わせた即戦力となり得る人材です。募集要件も、薬学、医学、生物学の学士または修士を持ち、専門的知識を有することとなっているポジションが多く、面接でもその専門性を問われることになります。
自分の知識やこれまでの経験がどのように同社に活かせるのか、これまでのキャリアを整理し、適確に説明できるようにまとめておきましょう。
そのほかに、現在、主力となっている製品はもちろん、パイプラインについても調べ、自分の知識、スキル、経験がどのように同社に貢献できるかを述べられるようにしておくことも重要です。エピソードを交え面接官の印象に残るようにしましょう。
MSDの面接攻略法(面接対策)
■MSDの中長期戦略を理解した上で自己分析をする
2019年4月に発表された第56期決算公告によると、2018年の売上は3497億円、2.5%減となりました。主な原因は、薬価改定やC型肝炎領域での市場縮小、競争激化となっています。今後は、オンコロジー領域にリソースを注力し、他領域からのシフトを進めていくとしました。これに沿って中途採用も進められており、現在、オンコロジー領域では多くの募集がありますが、そのほかの領域では募集はほぼありません。決算公告は毎年4月に発表されるため、2019年の決算状況について近いうちに発表されるでしょう。応募を考えている方は、関心を持ち情報を収集するようにしましょう。
同社は豊富なパイプラインを持っていることも特徴のひとつです。現在、日本国内のパイプラインとして、HPVワクチンなど3製品を申請中です。治験第Ⅲ相はオンコロジー領域を中心に13製品、上市を目指しています。
面接では、人々の健康を支えていることへの社会的意義に誇りを持ち、リーダーシップのある人物が好まれるという社風を意識した志望動機を述べることも強いアピールポイントとなります。
■「なぜMSDに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
同社の面接では「なぜMSDなのか?」という質問をされることがあります。この質問では「本当にやりたい仕事は何か」「当社の仕事内容とマッチしているか」「過去の経歴を活かせるか」を確かめると同時に、「当社について本当に理解しているか」を見極められています。同社の事業内容や戦略だけでなく、競合他社についても情報収集をして対策を練っておくと安心です。具体的には、下記のような企業について調べておくとよいでしょう。
- ファイザー株式会社
- 武田薬品工業株式会社
- ノバルティスファーマ株式会社
MSDの採用面接で実際に聞かれた質問内容
MSDが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。MSDの場合このように、同社の採用面接を受ける前には、中期経営計画に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして、面接の場では、人々の健康を支えていることへの社会的意義に誇りを持ち、リーダーシップがある人物が好まれるという社風を理解し、同社へ貢献していける人材であると印象付けられるように様々なエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[30代後半・男性/MR] 【結果:最終を辞退】
[20代前半・女性/MR] 【結果:入社】
[30代前半・男性/MSL] 【結果:結果待ち】
MSDの採用面接に向けて
MSDの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 人々の健康を支えていることへの社会的意義に誇りを持ち、リーダーシップがある人物が好まれるという社風を理解し、それに合致した人材であることをアピールする。
- 中長期戦略を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜMSDなのか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。