日経の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
日本経済新聞社(以下、同社)は、1876年に4ページ構成の物価情報紙の発行会社として設立されました。現在では「日本経済新聞(以下、日経新聞)」に加え、マーケティング情報紙「日経MJ」や産業・企業情報専門紙「日経産業新聞」などを発行するメディア事業に加え、出版や文化、教育など多角的な事業展開をしています。主要サービスである日経新聞の主な読者層は40代のビジネスパーソンで、ホワイトカラーや経営・管理職が大きな割合を占めることが特徴です。
近年では、若年層の読者層確保やスマートフォンの普及を背景に、デジタル版の購読者確保に注力しています。具体的には電子版のアクセスがピークになる時間帯での記事公開、速報記事の即時公開など、デジタルファーストな取り組みをおこない、読者数を年々増やしています。
また、デジタル版の拡大に加え、データを活用したビジネスにも注力しています。国内外750以上の媒体の記事専門情報が検索可能な「日経テレコン」やマーケットデータを提供する「日経NEEDS」といった、長年蓄積した経済情報を活用したサービスを展開しており、データの収集と活用・分析を今後の成長の柱としています。
そんな同社の口コミからは、プライドを持ち自社メディアに向き合う社風が伺えます。「影響力の多いメディアなのでプロ意識を持って真剣に向き合う人が多い」「日本最大のビジネス媒体に携わる面白さを感じる」といった口コミからは、約450万もの読者を抱え企業活動にも影響の大きい事業を擁する同社ならではの社風が見受けられます。面接では、このような社風にフィットする人材かどうかが見極められるでしょう。
■選考は何次まで?
口コミによると同社の面接回数は2〜3回で、一次面接は人事担当者、それ以降の面接で配属部署のリーダーや責任者クラスが担当する場合があるようです。
同社の採用情報は、ホームページのキャリア採用に詳細が記載されています。2020年4月現在は、記者・専門記者やエンジニア、広告営業など幅広い職種の応募を公開しています。応募時には、職務経歴書とエントリーシート、顔写真の提出が必須で、エントリーシートの内容は職種ごとに異なるため間違いがないように注意しましょう。また、面接では、エントリーシートの内容に即した質問も想定し、提出した内容を保存し齟齬がないように面接対策をしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
同社の面接では、転職理由や志望動機といったオーソドックスな内容に加え、既存サービスへの改善点や自分なりの意見が求められる場合があるようです。面接官はこのような質問によって、同社や日経新聞をはじめとした同社のサービスについての理解度、入社後のことをイメージできているかどうかということを判断しています。同社がデジタル版やデータ活用に注力していることを前提に踏まえ、面接前にサービスに一通り目を通し、実業務で提案するようなつもりで考えると良いでしょう。
また志望動機については、他の新聞社やマスコミと比較検討した上でなぜ同社なのか、と他社研究をしていることを前提とした質問もあるようです。日経新聞や日経MJなどに加えて、五大紙やビジネス系の専門誌にも一週間〜一月分目を通しておくと、同社の特徴や強みについての理解をより深めることができ、説得力をもって志望動機を伝えることができます。
日経の面接攻略法(面接対策)
■日経の基本理念を理解した上で自己分析をする
同社の面接に臨む前に、基本理念について理解しておきましょう。基本理念の全文はホームページに記載がありますが、大別すると次の3つを重要視しています。まず1つ目は「迅速・的確・公平な情報によって経済と民主主義の発展に貢献すること」、2つ目は「知る権利によって真実を追求すること」、3つ目は「社会やマーケットに影響力のある事業であることに責任を持つこと」です。これらからは、企業の株価や経済活動に大きな影響力のある日経新聞や日経平均株価・JPX日経インデックス400を提供する同社だからこそ、中立的で正しい情報を責任を持って届けるという考えが読み取ることができます。
また、同社は日経新聞の紙面づくりにおいて基本理念に基づいた「クオリティー・ジャーナリズム」という考えを掲げ、政府や自治体・企業の重要除法を独自取材して読者に価値のある情報を届けることを強みとしています。2018年に連載されていた「データの世紀」では、個人情報の取り扱いやIT企業によるデータの独占状態について報じ、大きな話題となりました。他、都市開発に警鐘を鳴らす「限界都市」や介護・医療現場の問題を報じる「漂流する社会保障」といった、社会問題を独自の切り口で報じる連載記事も併せて読み、基本理念が具体的な記事にどう落とし込まれていることかを自分なりに整理することをおすすめします。
このように基本理念を理解した上で自己分析を行い、面接での自己PRにつなげましょう。
■「なぜ日経に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
同社でよく聞かれる質問の一つに「なぜ日経か」と、志望動機を問うものがあります。面接官は、この質問を通じて、同社への志望度や理解度を判断しています。この質問に対して明確な回答を答えられるように、同社の理念や事業内容を把握しておくとともに、日経新聞や日経MJ、日経産業新聞などに一通り目を通しましょう。
併せて、競合他社となりうる企業およびメディアを調査し、回答の納得性をより高めることも大切です。五大紙といわれる読売新聞・朝日新聞・産経新聞・毎日新聞に加え、ビジネスに特化したネットメディアについても調べておくことをおすすめします。具体的には、下記のようなメディアを調べましょう。
- 株式会社メディアジーン(ビジネスインサイダージャパン)
- 朝日インタラクティブ株式会社(Cnet Japan)
- 株式会社ニューズピックス(Newspicks)
- 株式会社翔泳社(Biz Zine)
日経の採用面接で実際に聞かれた質問内容
同社の企業研究を通じ、企業の方向性や特徴・強みや、どのような人材を必要としているかが分かってきたのではないでしょうか。ビジネスパーソンに支持される「日経新聞」を中心にデータ活用や人材育成など多角的に事業を展開する同社では、基本理念を理解した上で責任感とプライドを持つことのできる人材が求められます。
同社の募集職種は多岐にわたりますが、それぞれの職種の立場から同社について分析して自己PRをおこない、面接での受け答えを通じて「日本経済新聞社の次の10年に必要な人材」だと印象付けられるように準備をしておきましょう。下記に、過去の面接で実際にあった質問内容をご紹介します。内容に目を通し、面接のイメージを具体的に持てるようにしましょう。
[30代前半・男性/プログラマ] 【結果:入社】
[30代前半・男性/代理店営業] 【結果:二次を辞退】
[30代前半・男性/プログラマ] 【結果:入社】
日経の採用面接に向けて
同社の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
以上3つのことを中心にしっかりと面接の準備をし、当日は自分の言葉で「同社にとって必要な人材である」とアピールできるようにしましょう。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。