アドバンテストの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
半導体検査装置メーカーの最大手、アドバンテスト。1954年、タケダ理研工業として創業し、1985年に現社名へと変更しています。人類史上、もっとも精密な製品といわれる半導体。アドバンテストでは、半導体の製造ラインに使われるテスターの研究・開発・製造を一貫しておこない、半導体メーカーに提供しています。
それでは、アドバンテストの経営理念を確認してみましょう。
半導体という先端技術をテスターという先端技術で支える。その実現には「本質を究める」ことが重要だとし、行動指針にも盛り込んでいます。デジタル革命により、クラウド上のデータ量は爆発的に増加しています。追い打ちをかけるように5Gの実用化にともない、データ量はますます増大していくものと予測されています。また、高機能な演算チップが必要になる環境が加速され、より試験項目が増えるため、テスターの重要性がますます高まるともいわれています。
このような事業環境から、「最先端のグローバル企業と製品開発できるのでやりがいがある」「業界トップの会社で技術力が磨けるのは面白い」といった、自社の技術力に関する満足度の高い口コミが散見されます。残業時間が管理されていることや有給休暇が取得しやすいことから、プライベートな予定が立てやすいという声も。充実した福利厚生制度をあげる向きもあり、総じて働きやすい環境が整備されているといえるでしょう。
一方、縦割り組織であり「事業部によっては、まるで別会社」といった話や、年功序列の風潮が強いとの口コミからは組織体制がやや膠着している様子がうかがえます。技術系企業のため、女性社員が少ないことも特徴のひとつですが、近年は女性の管理職登用も増えているようです。同じ理由から「社内恋愛で結婚したいという希望はもたない方がよい」との口コミもありました。
経営理念を理解し、顧客価値創造を体現するため、各自の持ち場で本質を究めていく。面接では、こうした側面にマッチした人材かどうかを判断されるでしょう。
■選考は何次まで?
コーポレートサイトの採用ページには「機械設計開発職」の募集が掲載されています(2020年5月現在)。また、転職サイトには「総務」や「法務」も募集されていますので確認してみましょう。いずれも東京丸の内の本社勤務となっています。群馬R&Dセンタでも「機械設計~周辺装置との接続設計」を募集しています。詳しくは転職サイトで確認しておくとよいでしょう。
「機械設計開発職」は、上流フェーズから下流の実験フェーズや分析フェーズまで経験することが可能なポジションです。将来的にリーダーとしてチームを統率していくキャリアパスを描くことができるようです。
面接経験者の口コミによると、エントリー後、書類選考、2~3回の面接が標準選考フローとのこと。一次面接は、担当業務の上司、二次面接には役員が8人との情報や三次(最終)面接は役員9人との面接だったという情報が寄せられています。安定企業であり、採用枠も限られているため、慎重に人選しているものと考えられます。1対複数面接官でも臆することなく対応できるよう、シミュレーションしておきましょう。
コーポレートサイトの新卒採用ページには「職種フロー」や「社員インタビュー」「プロジェクトストーリー」が掲載されていますので、入念に目を通しておきましょう。
■面接内容の傾向は?
面接経験者からの情報によると、「当社の強みや弱みは何だと思いますか?」といった質問や志望動機など、オーソドックスな質問をされる傾向にあるようです。なかには、当時の社長から「あなたの出身大学からは修士課程終了者しか採用したことがないが、当社をなぜ志望したのか?」との口コミもありました。胆力を試される質問には、瞬時に意図を読み取り、求められる回答を提示できるよう、研究しておいた方がよいでしょう。
逆質問をする場合は、コーポレートサイトや会社案内に書かれている当たり前の質問をするのではなく、面接官が聞いてほしいと思うような質問力が求められます。ともに働きたいと思えるような、相手の印象に残るエッジの効いた質問を考えておきましょう。
アドバンテストの面接攻略法(面接対策)
■アドバンテストの中期経営計画を理解した上で自己分析をする
同社では、2020年度を最終年度とする中期経営計画(2018~2020年度)に取り組んでいます。
はじめに、中期経営計画のベースとなるグランドデザインを確認しておきましょう。アドバンテストの事業領域は、半導体の量産市場におけるテスターやテスト関連ですが、前後の工程、さらにはクラウド領域のソフトウェア、データアナリティクス分野のテクノロジーを取り込むことによってビジネス機会を拡大したいとしています。
今後の半導体市場の主役は、端末ではなくデータそのものになっていくとされ、価値の源泉となるデータを扱う半導体は社会インフラの働きをもつようになり、さらなる信頼性が求められるでしょう。高い信頼性の担保には、慎重なテストが求められることによるテスター需要の高まりが予測されています。
事業別売上高は、半導体製造装置の年度ごとのアップダウンを考慮し、市場成長率0%の保守的シナリオと成長率4%のベース・シナリオを策定しています。それぞれ売上高目標は、ベース・シナリオで2500億円、保守的シナリオでは2300億円を掲げています。事業別では、(いずれも対2015~2017年度)半導体テスト市場で500億円、メカトロニクス関連事業では100億円、サービス他では100億円の増収をそれぞれ見込んでいます。
最後に事業戦略として、部品テストシステムでは5Gなどへの対応、メカトロニクス関連ではテスタビジネスを活かせる市場シェア、統合ソリューションの探究をおこない、サービス他では半導体バリューチェーン拡大のためM&Aやアライアンスを拡充し、事業拡大を目指したいとしています。
以上、グランドデザインや中期経営計画を理解した上で自己分析に落とし込み、これらの中でどのように活躍できるのか、具体例をあげてアピールしてみましょう。
■「なぜアドバンテストに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
採用面接では、「なぜ当社を志望したのか」と問われるものと想定しておいた方がよいでしょう。この質問では志望動機も尋ねていますが、「当社を本当に理解して応募したのか」という観点からも確認しています。そのためには、「なるほど」と納得させる理由を伝える必要があります。
アドバンテストに関するさまざまな情報を集め分析することは最低限必要ですが、それ以上に他社研究が重要です。他社を研究することで、アドバンテストという企業のポジションや業界における影響力が明確になるため、より同社を理解できるようになるでしょう。世界的な半導体テストメーカーとして市場を二分する企業と、5Gビジネスでの競合企業を調べておきましょう。
- テラダイン 株式会社
- アンリツ 株式会社
アドバンテストの採用面接で実際に聞かれた質問内容
アドバンテストに関する研究を通して、同社の中長期戦略や経営理念に基づく方針が見えてきたのではないでしょうか。
このようにアドバンテストの採用面接を受ける前には、中長期経営戦略に基づいた自己分析や競合する他社研究を踏まえた志望動機の整理がポイントとなります。そして面接の場では、「経営理念を理解し、顧客価値創造を体現するため、各自の持ち場で本質を究めていく」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。このような質問をされたらどのように答えるか、自分なりの回答を考えながら面接対策をしておきましょう。
[20代前半・男性/プロジェクトマネージャー] 【結果:内定を辞退】
[30代前半・男性/プログラマ] 【結果:二次面接で不採用】
[20代後半・男性/SE] 【結果:二次を辞退】
アドバンテストの採用面接に向けて
アドバンテストの採用面接を受けるにあたって、押さえておきたい重要なポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「経営理念を理解し、顧客価値創造を体現するため、各自の持ち場で本質を究めていく」という社風に合致する人材であることをアピールする。
- アドバンテストのグランドデザインと中期経営計画を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜアドバンテストなのか」に対する答えを明確にしておく。
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