【面接対策】いちよし証券の中途採用面接では何を聞かれるのか

独立系中堅証券で対面型営業を主体とするいちよし証券。特に、個人に向けた堅実な販売姿勢には定評があります。同社では、個人金融資産の安定的な成長を追求するために、個人のお客様向け商品についての原理原則（いちよし基準）を設け、これに基づいた金融商品の販売をおこなっています。これを支えているのがクレドと呼ばれる同社の経営理念や行動指針です。顧客を中心とした証券会社となることで、“今までの日本にない証券会社”を目指しています。

口コミにも、「コンプライアンスを守り、お客様に無理をさせなくてもそれなりに営業ができる会社」「リスクの低い商品を提案する、対面で対応するというコンセプトは他の証券会社にはない考え方で素晴らしい」などのコメントが見られます。しかし、ノルマに対するプレッシャーはあるようで、「とにかく営業はノルマ至上主義」「営業ならそれなりの手数料成績を求められる」といったコメントも。営業には心身のタフさが求められるようです。

一方、社内の人間関係は風通しが良いようで、「仕事中は厳しいが、仕事が終わると先輩や後輩と飲みに行ったり、休日もスポーツを一緒にする」「年に一度、組合のバーベキュー大会がある」という口コミが見られました。

面接にあたっては、事業内容はもちろん社風についても理解し、仕事に対するタフさを備えていることが重要だといえるでしょう。

基本的な選考フローは以下のとおりです。面接回数は応募ポストや状況によって異なる場合がありますので注意してください。

1. 書類選考
2. 一次面接（人事担当者）
3. 二次面接（人事研修部長）
4. 最終面接（役員）
5. 内定

応募はコーポレートサイトの中途採用ページからエントリーするか、履歴書・職務経歴書を人事部あてに郵送します。書類選考の結果は、合否に関わらず連絡が届きます。内定後、入社日は応相談となっていますが、1カ月前後で入社するケースが多いようです。

また、同社の案件を扱うエージェントもあるので、相談をしてみるのもよいでしょう。キャリコネにも求人情報が掲載されています。参考にしてみてください。

基本的には、志望動機、転職理由、キャリアビジョンといった質問が中心のようです。同社の証券コードや社長の名前を問われたケースもあるので、細部までしっかりチェックしておきましょう。

また、質問の回答を通して、論理的思考力や精神力を見られる傾向にあるようです。たとえば、同社でよく聞かれる質問のひとつに「いちよし証券を色でたとえると？」というものがあります。面接官は、回答そのものよりも、その回答に至るまでの思考や説明する際の論理展開を見ているものと思われます。営業職にとって、顧客に論理的な説明をする能力は必須といえるでしょう。日頃から、こうしたスキルを磨くトレーニングをしておくことをおすすめします。

コンプライアンスや倫理観に関する質問もあるといいます。ある場面を想定して「あなたならどうしますか？」と問われた場合は、「なぜそう思うのか」を論理的な説明を交えて、自分の言葉で伝えるようにしましょう。

面接を受ける前に、中期経営計画「アタック3」を理解しておきましょう。

金融・証券界の「ブランド・ブティックハウス」の構築を経営目標とする同社は、2020年4月～2023年3月の3年間を対象とした中期経営計画「アタック３」を策定しました。同計画では、預り資産３兆円という数値目標を掲げています。また、ROE15%程度、主幹事会社数80社に加え、新たにコストカバー率という指標を取り入れました。これは、売買手数料中心から信託報酬やラップフィーを中心としたビジネスへの転換を後押しすることが目的です。

預かり資産の拡大に向けた戦略として、顧客ニーズに沿ったポートフォリオの提案と状況変化に応じたアフターフォローへの注力をあげています。そのほか、アドバイザーの役割の明確化、法人部門の連携強化とビジネス拡大、本社・管理部門やシステム部門のサポート力と生産性の向上を目指します。また、人材育成に向けて研修体制を充実させるとともに、グループ会社との連携も強化していく方針です。

2023年に向けた戦略を理解することは、志望動機を整理する上で重要なポイントです。同計画の達成に向けて、自分がどう貢献できるのかを整理し、具体的にアピールしていきましょう。

面接では、「なぜ、いちよし証券なのか」という質問に対して明確な回答を準備しておきましょう。面接官はこの質問により、「入社への熱意」「社風にフィットした人材か」「中期経営計画に合致した人材か」といった点を判断します。

意志をしっかり伝えるためには、同社の事業内容や中期経営計画を理解するとともに、競合他社についても情報収集をおこなう必要があります。事業内容はもちろん、組織文化や風土、目指す方向性に違いがあることがわかるでしょう。少なくとも以下のような企業については情報収集をおこなって、理解を深めてください。そして、「なぜ、いちよし証券を選ぶのか」について説得力のある答えを見出しておきましょう。

• 東洋証券株式会社
• 丸三証券株式会社
• 岩井コスモ証券株式会社
• 藍澤證券株式会社

いちよし証券が目指している方向性や、必要とされる人材像が分かってきたのではないでしょうか。クレドを源泉とした考え方をもとに、顧客の立場で資産を管理・運用するいちよし証券。独自の路線で他社との差別化を図る一方で、証券業界特有の営業に対する厳しさもあるといいます。クレドや中期経営計画をしっかりと把握し、冷静さとタフさを兼ね備えた人材であることをアピールしたいところです。これまで困難を乗り越えた経験について、具体的なエピソードを交えて伝えられるとよいでしょう。

ここからは、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。

いちよし証券の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

• クレドとそれに基づいた“顧客第一主義”の営業方針を理解すると同時に、心身のタフさを備えた人材であることをアピールする。


• 中期経営計画「アタック３」の内容を理解し、これに沿った自己分析をおこなうことで有益な自己PRにつなげる。


• 競合他社についての理解を深め、「なぜ、いちよし証券なのか」に対する答えを明確にしておく。