【面接対策】YKK APの中途採用面接では何を聞かれるのか

YKKグループにおいて、ファスナー事業と並び中核事業としての役割を担うYKK AP。「AP」とは「Architectural Products」の略で、建材を意味します。住宅・ビル・ファサードといった幅広い領域に建築用製品を提供する、業界のリーディングカンパニーです。

そんな同社の口コミには「保守的」「古き良き日本の大企業」「安定感は抜群」といったコメントが寄せられ、変化よりも安定を求める人に適した社風かもしれません。大企業ということもあり、福利厚生に対する満足の声も多数聞かれます。ワークライフバランスに関しては部署によるところが大きいようです。比較的自由に休みを取れる部署がある一方、営業に関しては「残業が多い」「激務」「土日も顧客対応をする場合がある」という口コミが散見されました。こうした社風にフィットするかどうかは、採用側が見極めたい大事なポイントです。自らの価値観や行動様式が同社の社風とフィットするかどうかを再確認しておきましょう。

また、YKKグループには、「善の巡環」というYKK精神が存在します。この精神を反映させたのが、「失敗しても成功せよ／信じて任せる」「品質にこだわり続ける」「一点の曇りなき信用」という3つのコアバリューです。同社ではこのコアバリューが重視され、具体的な実践例をまとめた「コアバリューブック」を全社員が携帯しているといいます。面接では、3つのコアバリューに沿った行動を取れる人材であるかが見極められるでしょう。

同社グループの採用サイトからエントリーが可能です。その内容にもとづき書類審査がおこなわれ、2週間以内に結果がメールにて通知されます。書類審査を通過した場合の流れは以下の通りです。

適性検査→1次面接→2次面接→必要書類の提出→内定→入社

なお、このプロセスはモデルケースのため、応募部署やポジションによって多少異なる場合がありますのでご注意ください。入社時期に関しては応相談となっており、在職中の場合でもある程度柔軟な対応が可能です。

同社では2020年6月現在、各種営業職などで中途採用を実施しています。勤務地もさまざまなので、詳しくは採用サイトで確認してください。採用サイトには、キャリア社員のインタビューやアンケートなどが掲載されていますので、事前に目を通しておくと入社後の具体的なイメージをつかめるでしょう。

「転職の動機」や「志望動機」などは必ずと言っていいほど聞かれます。前職での不満を並べるのではなく、前向きな転職と捉えてもらえるように考えを整理する必要があるでしょう。口コミによると、応募者の話をしっかり聞いてくれる和やかな面接官が多いとのこと。リラックスして臨めるように、事前準備には万全を期したいところです。

また、同社は海外にいくつもの工場を抱えているため、職種によっては海外勤務の可否について問われます。自分のキャリアプランはもちろん、家族の状況なども踏まえ、クリアに答えられるようにしておきましょう。

なかには、「結婚観」や「趣味」について聞かれた人も。こうした質問では、回答内容そのものよりも、話し方・表情などから人柄やコミュニケーション力を見ている可能性があります。特に、営業職など人と接する職種の場合には、双方向の気持ちの良いコミュニケーションを心がけてください。

面接を受ける前に、同社の今後の方向性を理解しておきましょう。

YKKグループでは、2017年度から2020年度を対象期間とした「第5次中期経営計画」を策定しています。そのなかで、YKK APの役割として「高付加価値化と需要創造によるAP事業の持続的成長」という事業方針を策定。下図にある7つの事業・業務領域での重点施策に取り組むとしています。

また、2020年度については、国内住宅事業において、窓の高断熱化と耐風シリーズの提案によって需要の創造や差別化につなげたいとしています。そのほか、エクステリアで家一棟トータルコーディネイトをおこなったり、省施工の提案を強化させたりする方針です。また、リノベーション市場では、樹脂窓・耐震フレーム・耐風シャッターを通じて新たな需要を獲得していきます。さらに、ビル事業では、個別防火の商品・供給力・提案営業を強化することで拡販につなげたい考えです。

面接にあたっては、第5次中期経営計画への理解を通じてグループ内での立ち位置を把握し、グループとしての成長を描ける広い視野を持つことが大切でしょう。その上で、自分の経験やスキルを活かせる分野を訴求し、同社の成長に寄与できる人材であることを印象づけたいところです。

選考を通じて聞かれる質問のひとつに「なぜYKK APなのか」というものがあります。面接官はこの質問により、「入社への熱意」「社風にフィットした人材か」「中期経営計画に合致した人材か」といった点を判断します。

この質問に答えるためには、同社の事業内容や中期経営計画などを理解するとともに、競合他社についても情報収集をおこなう必要があります。事業についてはもちろん、組織文化や風土、目指す姿にそれぞれ違いがあることがわかるでしょう。少なくとも以下のような企業について情報収集をおこなって、理解を深めてください。そして、「なぜYKK APを選ぶのか」について自信を持って語れるよう準備を進めましょう。

• 株式会社LIXIL
• TOTO株式会社
• 三和シヤッター工業株式会社
• 三協立山株式会社

企業研究を通じて、YKK APが求める人材像が明確になってきたのではないでしょうか。

YKK精神とそれに基づいたコアバリューを大切にするYKK AP。この経営哲学への共感は、同社への転職を考える上でとても重要なポイントです。同時に、グループ全体の中期的な方向性や同社の経営計画をしっかりと理解し、成長に寄与できる人材であることを積極的にアピールしましょう。

以下に、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問に対し、自分ならどう回答するかシミュレーションしながら面接対策を進めてください。

YKK APの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

• YKK精神や3つのコアバリューを理解し、これに沿った行動をとれる人材であることをアピールする。


• 「第5次中期経営計画」を理解し、これに沿った自己分析をおこなうことで有益な自己PRにつなげる。


• 競合他社についての理解を深め、「なぜYKK APなのか」に対する答えを明確にしておく。