クラレの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
大手化学メーカーとして、機能樹脂、化学品、人工皮革、合成繊維、光学関連製品、メディカル製品などを製造・販売するクラレ。特に、高機能樹脂ポバールとそれを加工した各種フィルムを強みとしています。世界No.1となる製品を複数有し、なかでも液晶に使用されるポバールフィルムは世界シェア約80%を誇ります。全体の売上に占める海外比率も年々上昇し、2001年の30%から2019年には68%となりました。
そんな同社の口コミには、「若いうちから自分の自由にさせてもらえ、面白みややりがいは大きい」「仕事は裁量が大きく、非常にやりがいがある」といった声が目立ち、若いうちから裁量を与えて仕事を任せる社風のようです。
一方で、「想像よりも好きにやらせてもらえるが、オーバーロードの感が否めない部分も多い」という声も一部に聞かれます。ただ、こうした過負荷な状態も徐々に改善されてきているようです。過去の口コミには残業時間の多さに言及するものが目立つものの、「最近はいろんな意味でコンプライアンス遵守意識が全社的に広がっているため、サービス残業が横行していることはない」という口コミからは、働き方改革が進んでいることがわかります。「社内の風通しも良く、非常に仕事はしやすい環境」という口コミもありました。
日本の化学メーカーは保守的だと言われることも多く、同社も日本的経営の要素が強く残っています。しかし、近年はグローバル企業としての変化も見られ、年功序列から成果主義へと移行してきているようです。
日本的経営からの脱却の動きが見られるクラレの面接では、年齢や社歴に関係なく主体的に仕事に向き合う意欲を示せるよう、具体的なエピソードを用意して臨みましょう。
■選考は何次まで?
職種やポジションによって異なるものの、書類選考後に2〜4回程度の面接がおこなわれることが多いようです。内定までの期間はおおむね1カ月程度ですが、それ以上の期間を要する場合もあるようですので、在職中の場合には先方と調整しながら進めたほうがよいでしょう。
2020年7月現在、コーポレートサイトに設けられた採用ページには、中途採用の求人が複数掲載されています。勤務地は、いずれも地方事業所です。応募を希望する場合には、採用担当までメールで問い合わせてください。また、同社の案件を扱う転職エージェントも複数存在し、こちらは東京本社勤務の求人もあります。現状、東京本社勤務を希望する場合には、こうしたサービスを利用しての応募が近道でしょう。キャリコネにも情報が掲載されていますので、参考にしてみてください。
■面接内容の傾向は?
一般的な内容が中心です。エントリーシートの内容をもとにした質問が予想されますので、自分で書いたことについては具体的に説明ができる状態にしておく必要があります。応募職種にかかわる経験やスキルについては、実務でどの程度使えそうなのかという点を踏まえて整理をしておきましょう。実際に面接を経験した人の口コミには、「自己PRと志望動機については、エントリーシートに書いたことと矛盾が出ないように、寝言に出るほど練習しておいてください」というアドバイスがありました。
面接は和やかな雰囲気のなかですすめられることが多いようです。面接官は、「この人と一緒に働きたいか」という視点で対話をしています。背伸びをするのではなく、これまでの経験やスキルを誠実に伝えることを心がけましょう。
クラレの面接攻略法(面接対策)
■クラレの中期経営計画『PROUD 2020』を理解した上で自己分析をする
クラレの面接を受ける前に、同社の中期的な方向性を把握しておきましょう。
同社では、2026年までの10年間の長期ビジョン「Kuraray Vision 2026」を策定し、以下のような「ありたい姿」を描いています。これを実現するために基本方針として定めたのが、「既存事業における競争優位の追求」「新たな事業領域の拡大」「グループ総合力強化」の3つです。
上記3つの基本方針に「環境への貢献」を加えた4つを戦略の柱として、中期経営計画『PROUD 2020』を策定しました。この計画の名称には、2026年に100周年を迎える企業として、「当社グループを取り巻くすべての人が、誇りに思える(PROUD)会社」を目指すという意味が込められています。各戦略にもとづいた具体的な取り組みは下図のとおりです。
当計画の最終年度となる2020年度は、世界経済の成長鈍化が予想され、同社の事業環境に対しても逆風が続くことが想定されます。そのため同社では、当初掲げた業績目標の達成は困難な状況にあるとみています。そうした状況の中、主要戦略の具体的施策を確実に実行すると同時に、設備投資を実施した事業の早期収益化や買収した活性炭事業におけるシナジー効果など、キャッシュフローの創出に注力する方針です。また、市場環境の変化によっては戦略の修正をおこない、2021年からの次期中期経営計画につなげていくとしています。
コロナ禍によって世界経済が不透明な環境にあっては、中期経営計画の内容を理解するにとどまらず、進捗状況にまで目を配る必要があります。その上で、同社の今後の方向性を把握し、即戦力として貢献できる点を積極的にアピールしたいところです。
■「なぜクラレに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
中途採用面接にあたっては、「なぜクラレか」という質問に対する回答を明確にしておくことが重要です。面接官は回答を通じて、「応募者はどのような仕事をしたいのか」「それはクラレで実現可能なのか」ということに加え、「クラレについてどれくらい理解しているのか」を確認しようとしています。同社の事業内容や特徴について知っておくことはもちろん、業界での位置づけも把握しておきたいもの。そのためには、他社研究が不可欠です。
競合となりうる企業と比較しながら各社の事業規模や特徴をつかめば、同社の独自性やポジショニングがより鮮明に見えてくることでしょう。以下を参考に他社研究をすすめてみてください。
- 東レ株式会社
- 旭化成株式会社
- 東洋紡株式会社
- 帝人株式会社
クラレの採用面接で実際に聞かれた質問内容
クラレのカラーや中期的な方向性、求める人物像などが具体的に把握できたのではないでしょうか。
採用面接を受けるにあたっては、キャリアの整理をはじめ、中期経営計画を理解した上での自己PR、熱意の伝わる志望動機の作成といった対策が重要です。その際、ニッチ分野で圧倒的なシェアを誇る同社において、どんなことを成し遂げたいのかを伝えられるよう、具体的なエピソードを用意しておくことをおすすめします。そして、「一緒に働きたい」と思われるような気持ちの良いコミュニケーションを心がけて面接に臨みましょう。
以下に、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。面接対策の仕上げとして、質疑応答のシミュレーションをしておきましょう。
[20代後半・女性/海外営業] 【結果:二次面接で不採用】
[30代前半・男性/技術関連職] 【結果:結果待ち】
[10代後半・男性/技術関連職] 【結果:内定を辞退】
クラレの採用面接に向けて
クラレの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- ニッチ分野で圧倒的なシェアを持ち、若手にも裁量を与える社風のなかで、年齢や社歴に関係なく主体的に仕事に向き合う意欲を示す。
- 中期経営計画『PROUD 2020』を理解し、これに沿った自己分析をおこなうことで有益な自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜクラレなのか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。