JR九州の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
日本国有鉄道の分割により1987年に発足した同社、九州地方を中心に、別府温泉や博多をはじめとする人気の観光地を結んでいます。旅行客の利用が多いことから、JRグループの中でも特に観光事業に注力しており、日本初のクルーズトレイン「ななつ星」やホテル事業、「マチナカ」開発などの事業でも飛躍を見せています。
国鉄時代を含めると70年以上もの歴史があるため、「古風な考え方は否めない」「施設の設備が不十分」「女性採用数が少なく、男性社会だ」などの口コミからも、まだ古い体制が抜け切れていない様子がうかがえます。一方で、「ボーナスが大幅に下がることや、給与支払いが遅れることはない」など、大手ならではの安定した給与体制が整っていることもわかります。
鉄道好きにはたまらない仕事ですが、「人の命に関わるためミスは許されない」「事故やトラブルの際はどうしても仕事量が多くなる」などの声も見られます。お客様の命を預かるという重要な任務や仕事量の多さに、強いプレッシャーや責任感を感じている従業員も多いようです。
これらから、同社は「安全第一で誠実なサービスを提供し、活気溢れる地域づくりに貢献する」社風であることがわかります。この社風に合致し、長く勤めていける人材であることをアピールしましょう。
■選考は何次まで?
2020年7月現在、中途採用では客室乗務員の募集をおこなっています。しかしコロナ禍の影響により、まだ完全なる再開には至っておらず、募集は少ない状況にあるようです。キャリア情報を登録しておくことで、適したポジションがある場合に個別オファーを受けることもできるため、希望職種で現在募集していない場合は登録しておきましょう。
選考フローの詳細は掲載されていませんが、口コミによると適性検査と4回程度の面接おこなわれるようです。面接回数の多さから、採用までには1〜2カ月程度の期間を要するうえ、本社に何度も足を運ぶ必要があります。根気と粘り強さが求められますので、環境を整えて臨むようにしましょう。
■面接内容の傾向は?
質問は一般的なものが中心となりますが、「どのように会社に貢献するか」など、入社後のビジョンやキャリアプランについても尋ねられます。具体的な目標を伝えられるよう、自己分析や企業研究をしっかりおこなっておきましょう。
また、「心に残る列車の旅は?」「九州の良いところは?」など、列車に関する知識や九州の魅力に関する質問もされます。九州の観光地や列車の種類・役割などについても学んでおくとよいでしょう。中には「社長の名前を知っているか」と確認された人もいます。同社に関する知識も求められるようですので、コーポレートサイトにもしっかり目を通しておいてください。
接客業がメインとなるため、清潔感や人柄、笑顔も重視されます。面接では身だしなみに気をつけ、「愛社精神が強く、自主的に学び、真面目に仕事に取り組む人材」であることをアピールしましょう。
JR九州の面接攻略法(面接対策)
■JR九州の「中期経営計画 2019-2021」を理解した上で自己分析をする
面接を受けるにあたり、同社の「中期経営計画2019-2021」を理解しておきましょう。
この中期計画では、2030年長期ビジョンへつなげるための3つの取り組みを掲げています。
●更なる経営基盤強化
メインとなる鉄道事業以外において、従来のセグメント区分を大きく変更します。今まで別々だったホテル事業と不動産事業を統一し、「駅ビル・ホテル事業」として持株会社を設立。収益や費用を一本化することで、より合理的に損益を認識できるとしています。
●主力事業の更なる収益力強化
主力事業=鉄道事業の改革を図るべく、インターネット予約システムの導入や他交通業者との連携、外国人観光客向けの情報発信などをおこないます。さらに、駅ビルのリニューアルやまちづくり、博多駅空中都市構想などを実現させることで、大幅な増収を見込んでいます。
●新たな領域における成長と進化
自動運転や運行管理のAI化、5Gを活用した建設の省力化など、新技術を導入。また、九州で培ったノウハウや強みとなる事業を国内・海外に展開し、鉄道事業の拡大と変革を目指します。
増益や事業拡大はもちろんのこと、博多を中心とした街の発展や観光事業に力を入れるなど、九州の活性化に務める同社。この方向性を把握し、自らも貢献していけることをアピールできるとよいでしょう。
■「なぜJR九州に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接を受けるにあたっては、「なぜJR九州なのか」という質問に対する回答を明確にしておく必要があります。面接官はこの回答から、「同社についてどれくらい理解しているか」「理念や社風に合致した人材か」「経歴やスキルを同社で活かせるのか」などを見極めたいと考えているでしょう。
同社の特徴や業界での位置づけなどを把握し、より理解を深めるためには、他社研究をおこなうことが必要不可欠です。以下に競合となりうる企業をあげましたので、他社研究の参考にしてみてください。
- 東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)
- 西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)
- 東海旅客鉄道株式会社(JR東海)
- 四国旅客鉄道株式会社(JR四国)
JR九州の採用面接で実際に聞かれた質問内容
他社研究や企業研究を通じて、同社が求める人材像のイメージが掴めてきたのではないでしょうか。「安全第一で誠実なサービスを提供し、活気溢れる地域づくりに貢献する」社風であることを理解し、これに合致した人材であることをアピールできるよう、さまざまなエピソードを準備しておきましょう。
ここからは面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。どのように答えると好印象を与えやすいのか、しっかりとシミュレーションしておきましょう。
[20代後半・男性/技術関連職] 【結果:入社】
[20代前半・男性/施工管理] 【結果:入社】
[20代後半・男性/人事] 【結果:二次面接で不採用】
[20代前半・男性/その他] 【結果:入社】
JR九州の採用面接に向けて
JR九州の採用面接を受けるにあたって、押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「安全第一で誠実なサービスを提供し、活気溢れる地域づくりに貢献する」社風であることを理解し、愛社精神が強く、自主的に学び、真面目に仕事に取り組む人材」であることをアピールする。
- 「中期経営計画2019-2021」を理解し、これに沿った自己分析をおこなうことで有益な自己PRにつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜJR九州なのか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。