NTTデータ経営研究所の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1991年に設立、事業を開始したNTTデータ経営研究所。NTTデータグループならではの堅固な事業基盤を強みに、官公庁や企業向けのコンサルティングを展開しています。調査研究や政策提言といったシンクタンク機能も有し、レポートや刊行物も数多く手がけるなど、小規模ながらコンサルティングファームとして業界で確固たるポジションを築き上げました。
そんな同社の口コミから見えてくるのは、自主性を重んじる個人主義色の強い企業風土です。「自分から進んで仕事ができる」「コンサルタントはそれぞれが個人事業主のようなもの」といった声が多く上がります。社員には執務用の個人スペースが与えられ、裁量労働制が導入されているなど、個人が自分の裁量のもとで仕事を進められる環境があることがうかがえます。「実力があれば出世コースに乗れる」「実力主義が徹底されている」との意見もあり、能力と自主性が評価に結びつく風土も醸成されているようです。
一方、こうした自主性を重んじる社風については「指示がなければ仕事が進められない人にはデメリットが大きい」「悪く言えば放任主義」との声もあります。能動的かつ意欲的に業務に取り組める人に適した環境だと言えるでしょう。さらに、長時間労働に言及する口コミも多く見受けられます。成果を出すための負担が大きいことから、女性が子育てと両立しながら働くのは難しいという現状があるようです。
しかし、「NTTデータ案件の企画段階から携われる」「仕事の規模が大きく、やりがいもある」といった声は多く、システム開発の上流工程を担う業務やNTTデータ関連の大きなプロジェクトへの参画にやりがいを感じる社員が多いことが分かります。
「個人主義的な社風で、実力と自主性を重んじる」。こうした社風にフィットし、着実に成果を出せる人物であるかどうかは、面接時に採用側が見極めたいポイントです。自身の性格や志向分析も含めた事前対策をおこない、面接に備えましょう。
■選考は何次まで?
NTTデータ経営研究所では2021年3月現在、コンサルタント職およびスタッフ職で中途採用をおこなっています。その選考プロセスは以下のとおりです。
1. コーポレートサイト内の採用情報ページより応募
2. 書類選考
3. 複数回の面接
4. 最終面接
5. 内定
面接の回数についてはサイト内に明記されていません。しかし、口コミでは「面接は5回あった」という人も見受けられるため、選考には時間がかかる場合もあります。また同社の採用情報ページによると、本人の承諾を得たうえで、選考の途中でリファレンスチェックが入ることもあるようです。心づもりをしておくとともに、応募書類と前職・現職での業務内容情報を見比べておき、差異がないようにしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
口コミによると、NTTデータ経営研究所の面接では、コンサルタントとして必要な資質と思考力を重視する傾向があるようです。「現場の要望とシステムにあまりにもギャップがある場合、あなたならどうするか?」「当社の新たな事業としてどのようなものが考えられますか?」といった質問をされた人が見受けられます。
その他にも「なぜ」「どのように」という切り口の問いが多く、コンサルタントとしての提案力や対応力、思考力が問われるでしょう。仕事における自分の強みに加えて、これまでのキャリアの中で業務上の難局やトラブルにどのように対応してきたかを整理しておくと役立ちます。考えを理論立てて展開できるよう、話し方を工夫してください。
また、内定を獲得した人に共通しているのが、入社後のビジョンや志望動機について明確かつ前向きに回答できている点です。「入社したら何がしたいのか」を整理し、意欲的な答えを用意しておきましょう。
同社では理性を重視するため、「面接は硬い雰囲気がある」との口コミも見られました。臆せず自分をアピールできるよう、自己分析と企業研究を徹底し、事前に質疑応答のシミュレーションもおこないましょう。
NTTデータ経営研究所の面接攻略法(面接対策)
■NTTデータ経営研究所のミッションを理解した上で自己分析をする
面接を受けるにあたっては、NTTデータ経営研究所のミッションを理解し、自己分析に落とし込んでおきましょう。
上図のように「IT-BRAINS for Info-Future」を企業ミッションとして掲げる同社。豊かな社会づくりへとつながる変革に、情報技術の面から取り組み、顧客企業や社会全体の「真のパートナー」となることを目指しています。こうしたミッションのもと同社が貫いているのが、事業環境の変化に対してスピーディーかつ的確に対応できる、高付加価値のナレッジとインテリジェンスを生み出すことに重きを置く経営姿勢です。
そのための事業分野は調査研究や戦略コンサルティングのみならず、社会発展のための構想・企画立案まで多岐にわたります。業務にあたる場合も、社会情勢や経済環境にまで考えを巡らせ、社会貢献の意識をもって取り組む姿勢が求められます。
さらに同社では上のような行動規範が定められ、社員はこれらを遵守しながら仕事を進めます。個人主義的な社風を大いに反映した職場環境が特徴的な同社ですが、ひとりのプロフェッショナルとして成果を出すだけでなく、チームワークや協業の姿勢も重視されるでしょう。個人としての努力を成果に結びつけた経験だけでなく、周囲との連携で成果を挙げたエピソードも積極的にアピールできると有利です。
■「なぜNTTデータ経営研究所に転職したいのか」の明確化には他社研究を
中途採用面接では志望動機について問われることが多く、NTTデータ経営研究所も例外ではありません。実際に同社の面接口コミを見ると、志望動機についてポジティブで明確な回答をした人が内定を勝ち取っています。志望動機を聞くことで、企業理解の深度だけでなく、入社後の仕事に対する意欲やビジョンも計ることができるため、面接官が重視するポイントでもあります。
志望動機を効果的に整理するためには、「他社と比較して、NTTデータ経営研究所の独自性はどこにあるのか」という視点からも企業研究をおこない、「この会社で自分は何をしたいのか」を明確に伝えることが重要です。以下のようなコンサルティングファームについても研究し、比較することで、同社独自のミッションや事業方針を把握しておきましょう。
- 株式会社野村総合研究所
- 株式会社日本総合研究所
NTTデータ経営研究所の採用面接で実際に聞かれた質問内容
NTTデータ経営研究所の求める人物像や方針が具体的に見えてきたのではないでしょうか。
同社の採用面接を受ける際には、「実力と自主性を重んじる個人主義的な社風」を意識して、「事業環境や社会情勢を視野に入れたうえで、周囲とのチームワークを発揮しつつ、プロフェッショナルとして着実に成果を上げられる人材」と印象づけられるエピソードをいくつか用意しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。面接対策のひとつとして、自分ならこれらの質問にどのように答えるか、ぜひシミュレーションしてみてください。
株式会社NTTデータ経営研究所の面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
[20代後半・男性/経営コンサルタント] 【結果:面接中止】
[30代前半・男性/経営コンサルタント] 【結果:一次面接で不採用】
[20代前半・女性/経営コンサルタント] 【結果:一次面接で不採用】
[20代後半・男性/コンサルタント] 【結果:入社】
NTTデータ経営研究所の採用面接に向けて
NTTデータ経営研究所の採用面接を受けるにあたって、その社風やミッション、行動規範など、押さえておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、次の3つです。
- 「実力と自主性を重んじる個人主義的な社風」を意識して、「事業環境や社会情勢を視野に入れたうえで、周囲とのチームワークを発揮しつつ、プロフェッショナルとして着実に成果を上げられる人材」であることを、具体的な経験談を交えてアピールする。
- NTTデータ経営研究所のミッションと行動規範に沿った自己分析をおこない、有効な自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究することで、「なぜNTTデータ経営研究所なのか」という質問に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備をおこない、面接当日はNTTデータ経営研究所で成し遂げたいビジョンや仕事への意欲などを、論理的かつ誠実な言葉で伝えましょう。
大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。