日本TCSの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズは、三菱商事系のシステム関連会社数社が統合した「アイ・ティ・フロンティア」、インドのムンバイを本拠とする同国最大手のIT企業「タタ コンサルタンシー サービシズ」の日本法人など3社が合弁し、2014年に誕生しました。金融機関、製造業、小売業ほか、多岐にわたる業界・業種に対し、ITサービスやコンサルティングの提供をおこなっています。
合併前からいずれかの企業に在籍していた社員は、異なる企業文化の合流を経験し現在に至ります。「合併後は窮屈さを感じる」「インド企業との合弁で提案力は強化されたが、社員同士の一体感を感じられなくなった」「英語力を発揮したかったが、無関係な部署に配属された」など、実情を吐露する口コミが散見されました。インドのビジネスカルチャーと、日本の大手商社特有の保守的な企業風土は大きく異なるため、戸惑いを感じる人もいるようです。
しかし別の角度から見ると、グローバルなプロジェクトを手がけることで蓄積した世界最高水準のノウハウと、日本市場や顧客に対する豊富な知見という両社の持つ強みのシナジーにより、ビジネスの幅は拡大しています。世界的な有名企業の案件を担当できることや、先進の技術を扱えること、グローバルスタンダードの考え方を身につけられることをやりがいとし、仕事に打ち込む社員が多くいることも分かりました。
カルチャーの大きく異なる数社が融合した環境の中で、先進の技術を用いてグローバルな仕事に携わる。このような社風にフィットし、即戦力の一人として活躍できるかどうかを面接では見極められます。
■選考は何次まで?
2021年5月現在、同社では営業職、インフラ関連職、エンジニア、IoT関連職、人事などの分野で、多種多様な職種の中途採用を募集しています。中には、各業界向けコンサルタントなどの積極採用職種もあります。コーポレートサイトの採用情報ページに一覧が掲載されているので、チェックしてみましょう。
選考フローは、「オンラインエントリー情報をもとにした書類選考→2~4回の面接→内定」となっています。多国籍の社員が入り交じる同社では、社内会議をはじめとして業務で英語を多用するため、面接も英語で実施される可能性があります。選考期間は2週間~3ヶ月とケースごとに幅があるので、随時確認が必要です。
なお、同社の求人情報はキャリコネにも数多く掲載されています。エージェント経由での応募となるので、活用してみるのもひとつの方法でしょう。
■面接内容の傾向は?
同社では、職種ごとにそれぞれ求められる資格やスキル、経験が異なります。面接においては、まず記載されている必須条件に適合しているかという点を確認されるでしょう。「前職での経験を詳しく教えてください」「英語は得意ですか」「どのようなシステムを作りたいですか」などの質問が想定されます。
また、人事部との面接の際、転職理由を深く追及されたという口コミがあり、少しでもマイナスな要素があれば指摘されたとのことです。そのため、一度自身の経歴や実績をポジティブに捉え直し、説明方法を丁寧にシミュレーションしておくとよいでしょう。
職種によっては、長期海外出張やインドでのプロジェクト参加、夜勤などの可否について問われることもあるようです。募集要項には隈なく目を通し、勤務条件についてあらかじめ理解しておくことが必須でしょう。
日本TCSの面接攻略法(面接対策)
■TCSのPurposeとValuesを理解した上で自己分析をする
同社の面接を受けるにあたり、全世界のTCSで共有されているPurpose(存在意義)とValues(価値観)をあらかじめ理解しておくとよいでしょう。
このPurposeを追求するため、日本TCSでは「Gateway to Globalization(グローバリゼーションへの入り口)」と「Catalyst for Technology-led Business Innovation(テクノロジーによるデジタル変革の促進剤)」を独自の経営ビジョンとして設定しています。日本特有のビジネスカルチャーや顧客の細やかなニーズに対応することを、目標達成における不可欠なステップとして位置付けていることがよく分わかるビジョンです。
また、上記のバリューに基づきイノベーションの創出を図る同社は、最先端のデジタル技術を幅広く世の中のために役立てることを目的に、数々の取り組みをおこなっています。例えば、デジタル技術が飛躍的に向上・浸透した、「第4次産業革命」とも呼ぶべき現代のビジネス変革を支援するために立ち上げた「TCS Pace™」、研究機関・企業・研究員が連携するイノベーションネットワーク「TCS COIN™」などです。
こうした最新の動向には常にアンテナを張り、個人的なキャリアビジョンや経験・実績を関連付けて志望動機を構築することをおすすめします。ビジネス変革の推進に、即戦力として参画できる人材であることをアピールしましょう。
■「なぜ日本TCSに転職したいのか」の明確化には他社研究を
面接に臨むにあたり、「なぜ日本TCSなのか」という質問に対して確固たる意思表示ができるように、準備しておきましょう。面接官はこの質問を通し、「どのようなキャリアを積んできたのか」「当社でそれを活かせるのか」などにくわえ、「当社をどの程度理解できているか」を見極めます。
同社について理解を深め、志望動機を固めるには、競合他社についての研究が有効です。ソリューションに向けたアプローチや顧客の多様性、技術力やネットワークなど、さまざまな観点で比較検証を進めると、日本TCSの独自性をこれまで以上に明らかにすることができるでしょう。具体的には、以下のようなシステムインテグレータについて研究してみてください。
- 日本アイ・ビー・エム株式会社
- アクセンチュア株式会社
- 富士通株式会社
日本TCSの採用面接で実際に聞かれた質問内容
企業研究をすることで、同社の求める人材像や方向性について理解が深まってきたのではないでしょうか。
同社の場合、「カルチャーの大きく異なる数社が融合した環境の中で、先進技術を用いてグローバルな仕事に携わる」社風を意識し、「多様な顧客のビジネス変革を支援できる意欲と技術を有する即戦力」であると自身を売り込めるよう、具体的な実績やエピソードを用いて戦略的にアピールしましょう。
以下に、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。自分ならどのように答えるかシミュレーションするなど、面接対策をすすめてください。
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社の面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
[30代前半・男性/システムコンサルタント] 【結果:結果待ち】
[50代前半・女性/プロジェクトマネージャー] 【結果:入社】
[40代前半・女性/人事] 【結果:最終を辞退】
[20代後半・男性/ITコンサルタント] 【結果:入社】
日本TCSの採用面接に向けて
日本TCSの中途採用面接に向けて押さえておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3点です。
- 「カルチャーの大きく異なる数社が融合した環境の中で、先進技術を用いてグローバルな仕事に携わる」社風を意識し、「多様な顧客のビジネス変革を支援できる意欲と技術を有する即戦力」であると印象付けられるよう、戦略的にアピールする。
- 日本TCSのPurposeとValuesを理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についてもよく研究し、「なぜ日本TCSなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらを意識して面接準備を整え、当日は短い面接時間の中で自身の経験や実績、入社後のビジョンを思う存分アピールしましょう。
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