アルバックの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1952年創業のアルバック。創業者である電気技術者・石川芳次郎氏が、松下幸之助をはじめとする財界人たちの支援を受けて設立した同社は、いわば当時のベンチャー企業でした。国内トップクラスの真空技術をさまざまな業界のメーカーへと提供し、革新的な産業機器の製造に貢献してきました。
アルバックの事業領域は、フラットパネルディスプレイ(FPD)から半導体製造装置、一般産業用装置、材料に至るまで、多岐にわたります。顧客企業のニーズに合った製品提供により、産業と化学の発展に寄与することを目指して事業展開しています。
そんなアルバックの口コミから浮かび上がるのは、穏やかでアットホームな企業風土です。「せかせかした人が少なく、ゆったりしている」「のんびりしている」といった声が多く聞かれるほか、季節ごとにさまざまな社内イベントがあるなど、社員同士の交流が奨励されており、和気あいあいとした雰囲気があるようです。経営方針のひとつに「自由闊達な組織」を掲げる同社では、男女の別による扱いの差は少なく、社内の風通しもよいとのこと。充実した福利厚生を評価する口コミも多く、社員を大切にする企業であることがうかがえます。
また、「普段目にすることのない真空装置の製造に関われるのは貴重な経験」など、真空装置という、産業機器にとって重要な製品を扱うことにやりがいを感じる社員も多いようです。個人の裁量に任される部分が大きく、専門性の高い技術に触れられるため、成長の機会に恵まれた環境と言えそうです。
しかし、「評価は年功序列」(口コミより)で、体質の古さは否めません。「声と態度が大きい人が出世しやすい文化」「パフォーマンス自体は評価されない」といった意見のほか、上司や部署によって評価や労働環境が異なることに不満を抱く口コミも見受けられました。実力主義の評価制度を望む人には適さないでしょう。
古い体質は残るものの、穏やかでアットホームな環境の中でやりがいをもって製品づくりに取り組む。こうしたアルバックの社風にフィットし、周囲と協働して成果をあげられる人材であるかどうかは、応募者側・採用側どちらにとっても重要なポイントです。自分の性格や志向だけでなく、希望する働き方のスタイルなども洗い出しつつ対策を進めましょう。
■選考は何次まで?
2021年5月現在、アルバックではプロセスエンジニアや電気設計などの技術系職種、経理や法務といった事務系職種で中途採用をおこなっています。ほとんどの職種において、選考フローは以下のようになっています。
1.採用ページ(職種別の募集要項)経由で応募
2.書類選考
3.Web適性検査
4.1次面接
5.2次面接
6.役員会による採用決裁
7.内定
選考の進み方によっては、面接は3回になることもあるとのこと。また、上述のように1次面接前には適性検査を受ける必要があるため、事前に必ず対策をしておきましょう。
職種ごとの募集要項には、必要となるスキルや経験、求める人物像などについて明確に記載されています。よく目を通したうえで、「自分の希望する職種において何が求められるのか」に焦点を当て、自己PRを準備しましょう。
■面接内容の傾向は?
口コミによると、アルバックの面接では、人物理解に重点を置く傾向が見られます。
志望動機について深く問われることが多いほか、趣味や行動パターンについて聞かれた人、「電車の中での化粧についてどう思うか?」と聞かれた人が見受けられました。自己分析と企業研究は綿密におこない、自分がなぜ就職先としてアルバックを選んだのか、明確に説明できるようにしておきましょう。さらに「物事の判断基準」「これまでの成功体験・失敗体験」など、自分を形成する要素を項目ごとに整理しておくと役立ちます。
また、「業務の中には過酷なものもあるがやっていく自信はあるか?」「生産技術と開発で仕事はどのように違うか?」といった、実際の業務にからんだ質問をされることもあるため、自分の応募する職種で必要となる素養について考えをまとめておくとよいでしょう。
アルバックの面接攻略法(面接対策)
■アルバックの中期経営計画「Breakthrough 2022」を理解した上で自己分析をする
面接を受けるにあたって、アルバックの中期経営計画「Breakthrough 2022」(2021年6月期~2023年6月期)を理解しておく必要があります。
スマホ用OLED分野で苦戦するなどFPDが大幅に売上減、半導体メモリも投資の反動を受けて売上減少したことに加え、コロナ禍の影響により、前中期経営計画は未達に終わりました。これを踏まえて策定された今中期経営計画は、上図のような基本方針となっています。
「選択と集中を基本とする開発投資」「体質転換」を主な取り組み課題とし、研究所の統合や開発テーマの絞り込みのほか、プロセス重視だった開発姿勢を製品開発重視にすることで企業としての体質転換を図ります。
数値目標は上図の通りです。この3年間の取り組みの中で利益率を高め、再度成長することを目指す同社。中途採用においても、その目標達成に貢献できる人材を求めていることが推測されます。組織の一員として業務に取り組みたいという意欲を積極的にアピールしましょう。
■「なぜアルバックに転職したいのか」の明確化には他社研究を
中途採用面接では志望動機について掘り下げられることが多く、アルバックも例外ではありません。同社の面接口コミには、志望動機に関するものが多く見受けられます。入社後の仕事に対する意欲やビジョンはもちろん、企業理解の深度も計ることができる志望動機は、面接官が重視するポイントです。
志望動機を効果的なものにするためには、「他社とアルバックはどう違うのか」という視点からも企業研究をしておくことが必要です。以下のような企業についても研究し、さまざまな角度から比較することで、同社独自のカラーや経営方針を把握しておきましょう。
- 東京エレクトロン株式会社
- キヤノンアネルバ株式会社
アルバックの採用面接で実際に聞かれた質問内容
アルバックの求める人物像や経営方針が具体的に見えてきたのではないでしょうか。
アルバックの採用面接を受ける際には、「古い体質は残るものの、穏やかでアットホームな環境の中でやりがいをもって製品づくりに取り組む社風」を意識して、「再成長に向け、事業に貢献すべく積極的に業務に取り組める人材」と印象づけられるようなエピソードを用意しておくとよいでしょう。
以下、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。自分ならこれらの質問にどのように答えるか、ぜひシミュレーションしてみてください。
株式会社アルバックの面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
[20代後半・男性/生産・製造技術] 【結果:一次面接で不採用】
[20代後半・男性/制御設計] 【結果:最終面接で不採用】
[20代後半・男性/研究開発] 【結果:入社】
[20代後半・男性/財務] 【結果:三次面接を辞退】
アルバックの採用面接に向けて
アルバックの採用面接を受けるにあたって、その社風や中期経営計画など、押さえておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「古い体質は残るものの、穏やかでアットホームな環境の中でやりがいをもって製品づくりに取り組む社風」を意識して、「再成長に向け、事業に貢献すべく積極的に業務に取り組める人材」であることを、具体的なエピソードを交えてアピールする。
- アルバックの中期経営計画「Breakthrough 2022」に沿った自己分析をおこない、有効な自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究することで、「なぜアルバックなのか」という質問に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備をおこない、面接当日は、アルバックで実現したいビジョンや仕事への意欲などを、自分らしい誠実な言葉で伝えましょう。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。