ケアサービスの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
介護寝具の消毒・乾燥事業をおこなう「サンセルフ福原」から、在宅介護部門として1991年に独立したケアサービス。現在、東京23区を中心に100ヶ所以上の事業所を擁し、居宅介護支援や訪問介護・看護、デイサービスの運営など幅広いサービスをおこなっています。さらに、被介護者が亡くなった際に湯かんや保清、化粧などをおこなう「エンゼルケア」を介護の到達点とし、一貫して手がけていることも業界における同社の大きな特長です。
同社では、ケアマネジャー、ヘルパー、看護師、ドライバーなどさまざまな職種の従業員が活躍しています。口コミやインタビューからは、利用者一人ひとりの病状や心情を把握する必要のあるデリケートな職務に対し、社員は常に強い責任感を持って臨んでいることがわかります。またエンゼルケア事業においては、故人と家族の最後の時間に立ち会う上で、「依頼者の期待に応えなければという想いが、初めはプレッシャーだった」という声も。同時に、「利用者にありがとうと言われたときほど嬉しいことはない」「ご遺族に感謝されたとき、疲れがすべて吹き飛んだ」などの声も多く、緊張感と大きなやりがいが入り混じる中で仕事に励む様子が伝わってきます。
過去の口コミからは「残業が多い」「体力勝負」「人手不足」といったコメントも見受けられます。しかし、「お客様一人ひとりの尊厳」と「全従業員とその家族の幸せ」の追求を企業理念に掲げる同社は、従業員の経済的安定や自己実現も重要事項ととらえ、職場環境の改善や研修・資格支援制度の充実を図っています。
従業員一人ひとりが高いホスピタリティーとチームワークを発揮して利用者に接する。面接では、このような環境の中で、責務を全うして高齢化社会を支えていける人材であるかを見極められます。
■選考は何次まで?
2021年6月現在、同社では東京23区を中心とした各エリアで、さまざまな職種の中途採用を募集しています。介護やエンゼルケアの現場職員にくわえ、大田区にある本社でも、高齢者施設の入居相談や営業をおこなう事業開発スタッフの募集をおこなっています。
基本的な選考プロセスは、「ウェブまたは電話での応募→面接→事業所見学(希望者)→採用」というものです。本社採用やドライバーなど、職種によっては面接が2回実施される場合もあります。また、経歴やブランクなどを不問とする場合が多いものの、資格や免許を要する職種も存在します。各職種の応募要件や選考フローなどの詳細については、コーポレートサイトの採用ページにて事前によく確認してください。
■面接内容の傾向は?
同社の面接では突飛な質問は少なく、一般的な介護福祉業界の面接を想定した対策をしておくとよいでしょう。「介護職を目指す理由は?」「どのような介護職員になりたいか?」などの質問が予測されますので、自身の志望動機を誠実に語れるよう準備しておくことが大切です。
また、口コミを見ると「自分と会社の意見が違う場合、どう対応するか?」「両親に介護が必要となった場合どうしようと考えているか?」などの質問をされた人もいるようです。こうしたやりとりからは、仕事をする上での信条や介護に対する姿勢が引き出されます。同業種からの転職の場合は自身の経験に基づき、業界・職種に対する考えや、日常業務の中で大切にしていることを言語化できるように準備しておくとよいでしょう。自身の人間性が伝わるような具体的なエピソードを交えるのも効果的です。
ケアサービスの面接攻略法(面接対策)
■ケアサービスの経営戦略を理解した上で自己分析をする
ケアサービスの面接を受けるにあたっては、前述した企業理念から同社の価値観を知っておくとともに、経営戦略を理解し事業としての方向性を把握しておくことも重要です。
日本社会においては、高齢化により介護関連事業の需要が高まる中、介護従事者の確保と定着が急務となっています。また、行政による介護報酬の見直しからサービス単価が引き下げられたことや、コロナ禍でサービス利用を控えるケースが増加したことなど、業界全体がさまざまな経営課題を抱えています。
こうした厳しい状況の中、同社は2024年3月期をゴールとし、「成長拡大」と「品質向上」の両輪で収益基盤の強化を図る経営計画を策定しました。この戦略の軸となるのは、今後高齢化が進行する東京23区エリアの事業所と人材の配置を見直し、効率化・最適化を図る「ドミナント戦略」です。また、同社が強みとするエンゼルケアまでの一貫サービスの枠組みを「シニア向け総合サービス事業」として捉え直し、事業の拡大を狙います。また、新たな事業の創出を試みるほか、国内のみならず中国でもエンゼルケア事業を展開していくとしています。
これらの取り組みの推進にともない、チームビルディングの強化に注力しながら人材育成をおこない、離職率の改善に努める考えも示している同社。面接までに、こうした業界動向と同社の施策を理解し、自身のキャリアビジョンに落とし込んでおくとよいでしょう。その上で、自己実現と社会貢献の両方の観点から志望理由を整理し、前向きに仕事に携われる人材であることをアピールできるように、自己分析を深めておきましょう。
■「なぜケアサービスに転職したいのか」の明確化には他社研究を
面接を受ける上で肝要なのは、「なぜケアサービスなのか」について説得力のある回答を用意しておくことです。面接官はこの質問により、候補者の介護業界への志望理由や適性にくわえ、同社への理解度を確かめ、方向性を同じくして取り組んでいける人材かを見極めています。
企業理解を深める上で有効なのが、他社研究です。日本の高齢化を支える介護業界には多くの企業が存在します。介護に携わる志には共通する部分が多いはずですが、各社の理念が反映された経営方針や取り組みはさまざまです。それらを研究することで、ケアサービスの特性を把握し、志望動機の構築につなげてください。
以下、研究対象の一例として、日本で高いシェアを持つ介護関連企業、または該当部門を持つ企業を挙げていますので、参考にしてください。
- 株式会社ニチイ学館
- SOMPOケア株式会社
- 株式会社ツクイ
- 株式会社ベネッセMCM
ケアサービスの採用面接で実際に聞かれた質問内容
企業研究を通じ、同社の理念や経営戦略について理解が深まってきたのではないでしょうか。
同社の場合、「従業員一人ひとりが、高いホスピタリティーとチームワークを発揮して利用者に接する」環境の中で、「自己実現と社会貢献の両方から介護職を考え、前向きに仕事に携われる人材」であると印象付けられるよう、自身のキャリアを振り返ってさまざまなエピソードを用意しておくとよいでしょう。
以下、面接経験者の口コミの中から、実際に聞かれた質問例をご紹介します。面接対策の一環として、自分ならどのように回答するかシミュレーションをしてみてください。
株式会社ケアサービスの面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
[20代後半・男性/人事] 【結果:二次を辞退】
[30代前半・女性/介護・ケア関連職] 【結果:入社】
[30代前半・男性/その他] 【結果:一次面接で不採用】
[20代後半・女性/人事] 【結果:一次面接で不採用】
ケアサービスの採用面接に向けて
ケアサービスの中途採用面接に向けて、重要なポイントをご紹介してきました。面接対策として押さえておきたいのは、以下の3つです。
- 「従業員一人ひとりが、高いホスピタリティーとチームワークを発揮して利用者に接する」環境の中で、「自己実現と社会貢献の両方から介護職を考え、前向きに仕事に携われる人材」であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを用意する。
- ケアサービスの経営戦略を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についてもよく研究し、「なぜケアサービスなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらのポイントを意識して面接対策を講じ、当日は自分らしい素直な言葉で仕事への意欲を伝えるように心がけましょう。
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