Blacklineの企業概要
Blacklineは、決算業務プロセスのデジタル化と、決算早期化やリモート決算を実現するクラウド型決算プラットフォームです。
SAPやOracle、NetSuiteといったERPなどの経理財務システムを補完するために設計され、統合クラウドプラットフォーム上での決算業務管理と経理業務の自動化を可能にします。
Blacklineの利用により、業務の運用効率の向上やリアルタイムの可視化、統制およびコンプライアンスの改善を図ることができ、現在世界2,400社以上の企業で採用されています。
■創業者と米Blackline
創業者のテリース・タッカー(Therese Tucker)は、イリノイ大学でコンピュータ科学と数学の理学士号を取得。サンガード・トレジャリー・システムズの最高技術責任者を経て、2001年にBlackLineを設立しました。
BlackLineの初期の製品を設計し、2007年のクラウドへの移行を統括。2016年に会社をナスダックに上場させました。2021年にCEOを退任し、エグゼクティブ・チェア(会長)に就任しています。
2021年3月6日に公表された「BlackLine Investor Presentation」によると、BlackLineは世界130か国以上、3,400社以上の企業、FORTUNE500企業の46%、29万を超えるユーザーが利用し、ガートナーのレポートでも4年連続で市場リーダーと認められています。
■日本法人と代表者
日本法人の正式名称はブラックライン株式会社で、SAPジャパンやフィリップスで要職にあった古濱淑子氏が社長となり、2019年1月に営業開始しました。
2020年7月には日本CFO協会を含む10社1団体と「リモート決算推進共同宣言」を発表。ブラックラインを中心として、2021年3月までにリモートワークでの決算業務実現を後押しするキャンペーンを実施しました。
2021年2月に、セールスフォース出身の宮﨑盛光氏が新社長に就任。 東京オフィスは、赤坂のミッドタウンタワー18階にあります。
ブラックライン株式会社 代表取締役社長 宮﨑盛光
1998年3月法政大学卒。2008年12月にセールスフォース・ドットコム入社。エンタープライズ営業本部 常務執行役員を経て、2021年2月より現職。
Blacklineが可能にするソリューション
クラウド型決算プラットフォーム「Blackline」により、利用企業は次のようなソリューションを手に入れることができます。
■会計業務・経理処理の平準化と決算の早期化
会計業務・経理処理の平準化と決算の早期化を可能にするために、Blacklineが採用しているのは、コンティニュアス・アカウンティングという考え方です。
これまで決算カレンダーの短い期間で実施していた勘定照合や明細突合、修正仕訳の計上などの決算業務を、BlacklineはITの仕組みを利用して日々の業務の中に埋め込むことで平準化します。
その結果、決算業務で実施しなければならない作業量が少なくなり、より迅速により正確な財務報告が可能な組織になります。BlackLineは、コンティニュアス・アカウンティングを促進することが可能な決算プラットフォームとなっています。
■リモート決算・監査
リモート決算を行うには、全ての経理財務担当者がそれぞれ違った場所から協力し合い、業務全体の可視化しながら決算処理を完了させることが必要です。
Blacklineを利用することで、電子帳簿保存法への対応、電子承認、リアルタイムな決算タスクの可視化と進捗管理、外部の監査法人とのリモートでのコミュニケーションなどの対応が可能になります。
■経理業務高度化
高付加価値な業務として、高度な統計的手法を用いた財務データの分析が行われるようになり、より正確なデータを適時入手するニーズが高まっています。BlackLineは決算プラットフォームとして、財務データの正確性と適時性を高めることが可能なソリューションです。
■SSC(シェアードサービスセンター)業務集約
BlackLineを利用することで、仕訳入力や電子承認、勘定照合や企業間取引消去など、SSC(シェアードサービスセンター=グループ内の共通業務を集約的に請け負う専門組織)で行われていた業務プロセスを自動化することが可能です。
また、クラウドシステムは、すべての関係者に簡単にアクセスできるため、SSC責任者や本社経理責任者が業務の進捗状況を管理・監視するのにも役立ちます。
Blacklineの機能
上記のソリューションを実現するために、Blacklineには以下の機能が備わっています。
■タスク管理:決算に関わる全てのタスクを網羅
タスクを一元管理することで業務が効率化され、ワークフローにより合理化が推進されます。リアルタイムなダッシュボードとレポート機能が、決算業務の進捗状況を見える化します。
決算期の残業が当たり前になってしまった要因として、ERP内では対応できない決算業務が数多く存在することが挙げられます。(略)このような手作業をデジタル化することによって、経理担当者を煩雑な過去の数値の取りまとめ作業から解放することができるのです。
■仕訳入力:一元化と自動化
仕訳入力・確認、証憑の管理、承認プロセスなど、入力から転記に関する全ての業務をクラウドベースで一元管理します。
■マッチング:明細突合の自動化
入金消込だけではなく、グループ会社間取引の突合、POSとクレジットカードの突合、システム間のデータ突合などの様々な突合作業を自動化します。
■勘定照合:デジタル決算の実現
残高試算表の勘定科目別残高と、補助簿や明細内訳とを比較して差異を自動的に抽出。勘定照合プロセスの標準化と自動化を通じ、迅速かつ正確な決算を実現します。
- 勘定照合の効果:リモート決算・リモート監査に対応、勘定照合の標準化、財務諸表の正確性の向上、勘定照合の自動化、監査面の効果
■差異分析:変動の把握と分析の効率化
前期比較や予実差異の変動を自動検出し、増減や差異の分析に関わる工数を削減します。
■会社間取引:グループ会社間の取引管理を変革
グローバルなグループ全体のデータを一元管理し、ガバナンスの強化、取引明細の管理、勘定照合、ネッティングと決済、そしてレポート作成を容易に行うことを可能にします。会社間の組織の階層と関係性を定義し、取引内容の整合性を強化します。
Blacklineの導入事例
Blacklineは、世界的大企業から中堅企業、日本企業など、さまざまな業種や規模の企業で広く利用されています。
■セゾン情報システムズ
2019年12月よりBlacklineの「タスク管理」と「勘定照合」機能を導入。決算業務を担うBlackLineと、給与計算や経費精算、販売管理などの諸システム、および経営分析ツールのTableauなどを、自社のDataSpiderで連携するフローを構築。入金から監査、業績管理に至るまでの決算業務のDXを実現している。
BlackLineと他の会計ソリューションの決定的な違いは何だったのか。最大の差別化ポイントとなったのが、決算業務すべてをBlackLineのクラウド上で一元管理できる点だったという。「当初は会計システムのリプレイスを考えていたのですが、経理・決算業務そのもののデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するという概念は目から鱗でした。」(鷲尾氏)
■日本通運
2019年9月に「プロジェクトITS」を始動。3つの課題解決に取り組む。
- IFRS:決算期を従来の3月期から12月期に変更。海外会社のみ12月決算だったものをグループ全体で統一するとともに、国際会計基準(IFRS)に移行。
- TAX:国内での連結納税制度を導入し、海外税務ガバナンスを強化。
- SAP:各社個別対応から脱却し、グループ全体としての経理システムおよび経営基盤を次世代ERP製品のSAP S/4HANAをベースに統合。
「これだけの規模になると、どれだけ言葉で訴えても変革の必要性は伝わりません。そこで経理部発信で会社の仕組みを変えることで、グループ全体の仕事の在り方を変えていくことを目指します。これがやがては企業文化を変えることにつながっていくという思いを持ってプロジェクトに臨んでいます」(大槻氏)。
■THK(大手機械要素部品メーカー)
現在利用しているBlackLineのモジュールは3つ。
- タスク管理:決算に関わる全てのタスクを網羅してダッシュボードやレポートに可視化
- 勘定照合:勘定科目別残高と補助簿、明細内訳などを比較して差異を自動的に抽出して迅速かつ正確なデジタル決算を実現
- マッチング:入金消込やグループ会社間取引などにおけるさまざまな突合作業を自動化
THK 執行役員 経営戦略統括本部財務経理統括部 統括部長の中根建治氏は、次のように話す。「単純なスコアキーパーやブックキーピングといった役割は、現在ではRPAなどに置き換えて自動化することが可能となっています。こうしたテクノロジーの進化も踏まえつつ、これからの財務経理部門が担っていくべきなのは、経営サイドに対するより迅速な情報提供です。もとより財務経理部門には、全社の有用な情報が集まってきます。そうした情報をどう活用していくのか――。会社が将来どういう方向に進むべきなのかという洞察を分析とともに示していく羅針盤のような存在になる必要があります」
Blacklineの業績
Blacklineの業績はここ数期で急速に成長しています。各期の総収益(GAAP総収入)は以下の通りです。
- 2017年度:1億7560.3万米ドル
- 2018年度:2億2778.8万米ドル(前期比29.7%増)
- 2019年度:2億8897.6万米ドル(同26.9%増)
- 2020年度:3億5173.7万米ドル(同21.7%増)
なお、2020年度の3億5173.7万米ドルは(1ドル110円として)日本円で約387億円です。
2021年度の総収入は4億1,500万~4億2,000万米ドル台と前期比20%弱の成長を確保し、BlackLineに帰属するnon-GAAP純利益は2,400万~2,600万米ドル台になる見通しです。
Blackline(日本法人)の働く環境
採用サイトには「ブラックラインで働く理由」として、次の5つの項目を掲げています。
- グローバルスタンダードの優れた製品を扱える
- 日本法人は営業開始から3年目!個人の裁量が大きい
- リモートワーク対応、自由に働く場所を選べる
- 子育て家庭に嬉しい看護特別休暇
- SaaS事業経験の多いジャパンクラウド関連企業との繋がり(情報交換や研修等)
採用サイトには、Blacklineの社員インタビューが掲載されています。
カスタマーチームの石川部長の前職は、事業会社の経理担当。利用者としてBlacklineに大きな可能性を感じ、「20年以上の経理畑のキャリアから、ITコンサルタントへと大きなキャリア・チェンジ」を図ったそうです。
ブラックラインに入社して思ったことは、従業員がみなサポーティブであること。そして組織がフラットであること。(略)困ったことがあれば、みんなが助けてくれます。一般社員から役員クラスの方まで積極的にサポートしてくれるんです。
ファイナンシャルプランニング アンド アナリシス マネジャーの竹中さんも、20年以上経理に従事。以前勤めていたグローバルIT企業でBlacklineの導入プロジェクトに参加し、ユーザーとして約6年間活用していた経験を持ちます。
日本法人は設立まだ間もないので社員数は現在20名弱で、フラットな組織で合理的に迅速に決められる環境です。また、創立20年を迎える米国本社のマネジメントは日本のビジネスを理解して、日々サポートしてくれていますので、本社とも常に近い距離で進められます。
シニアセールスエグゼクティブの坪根さんは、外資系IT企業のアカウントマネージャとして「大手企業様のデジタルトランスフォーメーションや業務変革」に携わっていた経験を持っています。
ブラックライン日本法人は順調にお客様数を増やしており、これからも急成長していくことは間違いありません。一方で、お客様にご満足いただくために、ビジネスが確実に伸びていくために、まだまだ改善していかないといけないことがあると考えています。そのような課題感を社員全員が共有できており…
Blacklineの求人情報
2021年9月27日現在、採用サイトには以下の求人が掲載されています。給与などの詳細については、グローバルウェイ・エージェントまでお問い合わせください(登録フォームの備考欄に「Blacklineの件」と明記願います)。
- Account Executive / エンタープライズ営業
- Business Development Representative / インサイドセールス
- Customer Success Manager / 定着・活用支援コンサルタント
- Implementation Consultant / 導入コンサルタント
- SAP Value Architect (PreSales) / SAPバリューアーキテクト
- Solution Consultant (PreSales) / ソリューションコンサルタント
Blacklineでは英語が必要か?
Blacklineの採用サイトに掲載されている6つの職種のうち、Customer Success ManagerとImplementation Consultantの求人は全て英語で書かれていますが、残りの職種の求人は日本語で書かれています。
とはいえ、求人が日本語で書かれた職種でも英語力は求められており、以下の必須条件となっています。
・ベーシックな英語力(TOEIC500点以上):Account Executive、Solution Consultant(PreSales)
・グローバルチームとのコミュニケーションのための英語力(TOEIC700点以上):Business Development Representative
・TOEIC730点以上:SAP Value Architect
詳しいレベル感については、グローバルウェイ・エージェントまでお問い合わせください。(※登録フォームの備考欄に「Blacklineの件」と明記願います。)
Blacklineの採用面接で聞かれる質問
面接に際して、志望動機をまとめるためには「Can」「Will」「Must」についてよく考え、整理しておいた方がいいでしょう。念のため簡単に説明すると、
- Can:自分ができること(スキル、能力、経験、実績)
- Will:自分がしたいこと(意思、意欲、ビジョン)
- Must:自分がしなければならないこと(会社から要求・期待されると認識していること)
の3点を整理し、それらが重なったところで「自分の志望動機」を整理するということです。
なお、Blacklineの採用サイトには、ジョブごとの「RESPONSIBILITIES」(業務・任務)「REQUIREMENTS」(要件)「QUALIFICATIONS」(応募資格)が明記されています。「Can」「Will」「Must」を基に、書かれている要件を自分がいかにクリアしているかを説明する準備が必要です。
マネジャークラス以上の面接準備
マネジャー以上については「Can」「Will」「Must」は当然として、職務に応じた個別の質問が多くなっており、あらかじめ準備が必要です。詳しくは、グローバルウェイ・エージェントまでお問い合わせください。(※登録フォームの備考欄に「Blacklineの件」と明記願います。)
Blacklineへの転職を成功させるために
以上、Blacklineという会社について、概要をご説明させていただきました。
求人は、求められるスキルのハードルが高いのが特徴的です。しかし、仮に書類が通過したしたとしても、次の面接でつまづく方が多くいらっしゃいます。
面接の質問は、様々な内容が投げかけられます。あらかじめ面接対策をしないと、選考を通過する確率はかなり落ちます。限りあるチャンスを活かすためにも、ぜひ十分な準備を行ってから臨んでください。
Blacklineの採用面接に臨む前に
転職成功の確率をアップさせたい方は、ぜひグローバルウェイ・エージェントにご相談ください。私たちはCxOや役員から直接情報を共有してもらうことで、必要な候補者像を把握しており、上記以外の「候補者公開不可情報」や「過去の面接成功・失敗事例」を把握しています。
なお、スピーディな対応を行うために、登録フォームの備考欄に「Blacklineの件」と明記願います。費用は一切かかりません。ぜひご相談ください。
株式会社グローバルウェイのシニアコンサルタント。第二新卒で外資系人材紹介会社に入社。国内大手人材紹介企業でのキャリアコンサルティングを経て現職。