【年収研究シリーズ】積水ハウスの年収・給与・ボーナス・報酬について、ただ額面に注目するだけではなく、高い理由や、デメリット、同業他社や、年代、職種間での比較を通じて実態に迫ります。転職先決定の判断材料にご活用ください。
いざ、家を建てるとなったら、やはり気になるのはハウスメーカー各社の実績ではないでしょうか。その点において日本一のみならず、国内だけにとどまることなく世界一を獲得しているのが、積水ハウスなのです。テレビCMでもおなじみの「積水ハウスの歌」が耳や頭に焼き付いているケースもあるくらい、高い知名度を有した企業です。
積水ハウスは、2017年度の国内販売戸数ランキングでは2位以下に大きく差をつけ、揺るぎない第1位に立っています。これは例年どおりの安定した結果です。ランキング上位のハウスメーカーは、中位のハウスメーカーに対して約1.6倍、下位のハウスメーカーに対して約12倍もの違いのあるランキングとなっていることからも、積水ハウスの強さがよくわかります。
また積水ハウスがはじき出した、累計建築戸数238万戸という数字は、世界No.1を誇る実績でもあります。この世界の頂点といえる実績と、これまでの顧客基盤をベースとして、さらなる前進を続けているのが積水ハウスです。
また積水ハウスは年収が高いことでも有名で、3000社を超える上場企業の中でも常に上位に位置しています。
では一体どれくらい高いのか、高い理由はなにか、年収の高さ以外のメリットやデメリットはあるのかなどに迫っていきましょう。
積水ハウスの平均年収は799.5万円
まずはじめに積水ハウスの平均年収を見ていきましょう。積水ハウスの平均年収は799.5万円です(積水ハウス有価証券報告書)。キャリコネに投稿された給与明細を参考に積水ハウスの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で450〜500万円、30歳代で640〜690万円、40歳代で830〜880万円という結果がでました。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ1.62倍の額です。
■積水ハウスの平均年収推移
積水ハウス・5年間の平均年収・平均年齢・従業員数(単体)の推移
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
積水ハウスの平均年収は前年を上回り799.5万円でした。
過去5年間では2番めに低い額になりました。
積水ハウスの年代別平均年収と中央値
■積水ハウスの年収中央値は30代で662.4万円
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
積水ハウスと競合他社の平均年収を比較
積水ハウスの競合や同業界である大和ハウス工業、住友林業、積水化学工業の4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、積水ハウスが799.5万円、大和ハウス工業が884.2万円、住友林業が872.3万円、積水化学工業が897.2万円です。
この4社の中で最高額は積水化学工業の897.2万円で、最低額が積水ハウスの799.5万円。その差はおよそ98万円で、そこそこの差があります。
この比較企業の中では積水ハウスは4番目に位置します。
積水ハウスの競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください
積水ハウスの年収が高い理由
平均年収が高い理由となるのは、やはり昨年までの5期連続となった最高益の更新と、8期連続の増益という好業績でしょう。その背景にあるのは、積水ハウスが掲げる4つの事業柱によるシナジーです。4つの事業柱とは、戸建て住宅業と賃貸住宅業の「請負型ビジネス」や、リフォーム事業と不動産フィー事業の「ストック型ビジネス」、分譲住宅事業やマンション事業などの「開発型ビジネス」、そしてオーストラリアや中国、米国市場などの市場へ進出する「国際ビジネス」を指します。
2017年度の売上高においては、戸建住宅の受注減少により減収となった請負型ビジネスを、賃貸住宅リフォームが堅調に推移したストック型ビジネスが補填しました。また営業利益率が大幅に伸長した開発型ビジネス、またアメリカとオーストラリアでの事業が順調に進み伸長した国際型ビジネスが、マイナスもしくは低伸長の請負型ビジネスとストック型ビジネスをカバーしました。このように4つのビジネスモデルでバランスのとれた収益体制をとっているのが特徴といえるでしょう。
積水ハウスで年収が高い職種は?
■ハウスメーカーは"売ってなんぼ"の世界
積水ハウスでは、成果がもっとも反映されるのは営業職です。営業職は戸建て住宅1棟の契約につき、契約時と着工時、そして引き渡し時という3つのフェーズで手当が付きます。住宅の単価が高ければ、それに比例して手当額も高くなり、複数契約によって受注額の合計が高ければ、その分の手当額も増えるというわけです。たとえばアパートの営業では、1億円の3階建てを売れば手当の合計額が80~100万円となるようです。さらにチーム手当などもあり、チームに成果が出ると10~20万円の手当が別途支給されます。
その一方で技術職は、支店業績による特別手当を除くと成果に対する手当はありません。積水ハウスの賞与は年3回ですが、うち1回は支店の業績によるものであり、その年によってない場合もあれば、支給されない支店もあります。
キャリコネに寄せられた給与明細を見ると、世代間での違い、同年代・同職種なのになんでこんなに差が生まれるのかの理由がチェックできます。
積水ハウス社員の給与明細(キャリコネ)
20代のうちから高い水準で推移!
20代・コンサルティング営業(非管理職)の
給与明細
30代・コンサルティング営業(非管理職)の
給与明細
賞与の有無で、年収にグンと差がつく!
20代・コンサルティング営業(賞与なし)の
給与明細
20代・コンサルティング営業(賞与あり)の
給与明細
年収の高さばかりに目を奪われがちですが、就職・転職を検討するにあたり気をつけなければならないことはないのでしょうか。
積水ハウスで働く上の懸念点・課題
■営業部門は平日が休み
住宅の営業職を目指すなら織り込み済みかもしれませんが、住宅の営業職の場合は当然ながら休日は平日のみであることは留意しておく必要があります。積水ハウスは週休2日制ではありますが、土曜と日曜が休みとなるのは本社や支社、工場などに限ってのことで、営業部門の休日は火曜と水曜休みが基本となります。もしプライベート最重視の意向があるならば、非常に働きにくい環境といえるでしょう。
また営業職以外にも該当することですが、たとえ休日でも社用の携帯電話で担当顧客の対応をしなければならないこともあり、常に社用電話を気にする生活になるかもしれません。これは入社後のモチベーションにも大きく影響することになるでしょう。
積水ハウスには年収以外にメリットはある?
ここまで積水ハウスの年収面を見てきました。ただ就職先、転職先として年収の高さだけで決めることはできません。その他にメリットは無いのでしょうか?
積水ハウスでは、さまざまな働き方改革に取り組んでいます。たとえば3歳未満の子供を持つ約1400人の男性社員を対象に、育児休暇を1か月以上取得するように義務付けました。これによって、優秀な若手社員を確保することができ、仕事と家庭の両立を後押しすることにもつながることでしょう。
また2015年より、スマートホリデイという制度も導入しています。この制度は孫休暇や子ども休暇、ボランティア休暇など多彩なテーマを設けて、さまざまな価値観を持つ社員に対応するというものです。スマートホリデイを1つのきっかけとして、従業員一人ひとりの人生において、大切にしていることを上司や仲間が理解し、円滑なコミュニケーションへとつながることも期待されています。
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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