【年収研究シリーズ】JTの年収・給与・ボーナス・報酬について、ただ額面に注目するだけではなく、高い理由や、デメリット、同業他社や、年代、職種間での比較を通じて実態に迫ります。転職先決定の判断材料にご活用ください。
「たばこはすべて有害」、そんな世の中に打ち立てられた概念に立ち向かうべく、取り組みを続けている会社があります。それは、JT(日本たばこ産業)です。
JTが2018年11月に発表した研究結果によると、従来の紙巻きたばこから加熱式たばこ(プルーム・テック)に切り替えることで、禁煙した場合と同等の健康効果が期待できるといいます。つまり加熱式たばこは、喫煙によって体内に取り込まれる物質質量が少ないということです。もし今後も調査を続け、加熱式たばこによる健康リスクが著しく低減されることが立証されれば、たばこを巡るこれまでの論争に大きな分岐点が訪れるかもしれません。
JTは1985年に日本たばこ産業株式会社法によって設立されて以来、たばこの他に医薬品、食品、飲料の製造と販売を行う会社となりました。たばこの製造においては、現在においても国内で独占しています。
またJT(日本たばこ産業)は年収が高いことでも有名で、3000社を超える上場企業の中でも常に上位に位置しています。
では一体どれくらい高いのか、高い理由はなにか、年収の高さ以外のメリットやデメリットはあるのかなどに迫っていきましょう。
JTの平均年収は897.8万円
まずはじめにJTの平均年収を見ていきましょう。JTの平均年収は897.8万円です(JT有価証券報告書)。キャリコネに投稿された給与明細を参考にJTの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で530〜580万円、30歳代で740〜790万円、40歳代で930〜980万円という結果がでました。正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)で、比較して約1.82倍の額です。
■JTの平均年収推移
日本たばこ産業・5年間の平均年収・平均年齢・従業員数(単体)の推移
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
JTの平均年収は前年を上回り897.8万円でした。
過去5年間では最高額になりました。
JTの年代別平均年収と中央値
■JTの年収中央値は30代で761.2万円
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
JTと競合他社の平均年収を比較
JTの競合や同業界である三菱食品、味の素、マルハニチロの4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、JTが897.8万円、三菱食品が655.7万円、味の素が1046.5万円、マルハニチロが705.2万円です。
この4社の中で最高額は味の素の1046.5万円で、最低額が三菱食品の655.7万円。その差はおよそ391万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではJTは2番目に位置します。
JTの競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください
JT社内で年収が高い職種・役職は?
JTの年収は在籍している年度の業績と、役職による差が大きいようです。夏期と冬期の年2回支給される賞与は5~7か月分で、前年比による業績に連動して差が出てきます。
また昇給は定期的にありますが、その額は年間にして5000円から1万円ほどで、報酬の急激な上昇があるというわけではありません。では、ずっと昇給の幅が同じ程度で続くかというとそうではなく、管理職に昇格すると報酬の大幅な増加が見込めるようです。その一方で役職に就かない場合は、ある一定のところで昇給が頭打ちとなる可能性もあります。管理職に昇格すると、その年収額は1000万円を超えることが期待できると考えてよさそうです。
キャリコネに寄せられた給与明細を見ると、世代間での違い、同年代・同職種なのになんでこんなに差が生まれるのかの理由が確認できます。
JT(日本たばこ産業)社員の給与明細(キャリコネ)
20代と30代で、驚くほどの差が!
20代・営業管理(非管理職)の
給与明細
30代・営業管理(非管理職)の
給与明細
賞与の有無で、年収に差が!
20代・営業(賞与なし)の
給与明細
20代・営業(賞与あり)の
給与明細
年収の高さばかりに目を奪われがちですが、就職・転職を検討するにあたり気をつけなければならないことはないのでしょうか。
JTの見落としがちな留意点、課題は?
懸念点といえば、やはり安定した利益の源泉ともいえる国内市場の縮小でしょう。現在の国内たばこの販売本数は、1996年のピーク時と比較して約6割も減少しているのです。また、たばこ増税についても見逃せません。たばこの製品価格のうち税負担率は6割を占めますが、10月からのたばこ税が増税され、たばこ1箱あたり20円の増税が課されることになりました。
このような影響を受け、たばこの販売数量はますますの減少が予想されています。そのようななか、JT含め大手3社は品質やブランド維持のため、たばこ1箱あたり20~40円ほどの価格引き上げを設定しているのです。こうした値上げが、よりたばこの消費を減らすのではと懸念されています。
JTには年収以外にメリットはある?
ここまでJT(日本たばこ産業)の年収面を見てきました。ただ就職先、転職先として年収の高さだけで決めることはできません。その他にメリットは無いのでしょうか?
たばこの国内市場は厳しさを増し、海外市場でも先進国の総需要は減少しています。そこで次なるカギは、新興国への進出でしょう。紙巻たばこの市場は成熟市場と新興市場とで、異なる特徴をもちます。成熟市場では経済成長が限定的であること、また増税や規制の強化、そして人口構造の変化などの影響を受け、需要は減少傾向にあります。その一方で新興国市場において、人口の増加と経済成長に伴って、アジアと中東、そしてアフリカを中心に総需要が増加しているのです。
JTはこうした新興国開拓に向けて、すでに動き出しています。2017年のフィリピン、インドネシアのメーカー買収に加えて、2018年8月にはバングラデシュにおいて第2位であったたばこメーカーの買収を決めました。今後は、JTのグローバルメーカーとしての挑戦が、たばこの国内市場減少を支える大きな要となるでしょう。
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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