武田薬品の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
業界をリードする企業「タケダ」は、1781年の創立以来、約240年にわたって高品質な薬を提供することにこだわり続けてきました。革新的な医薬品と治療法の創出に取り組み、医療に貢献してきたほか、国内最大手らしく製品数や研究開発のパイプラインも豊富です。
伝統ある会社であり、社内には昔ながらの「日本企業の縦社会」の雰囲気があり、ゴルフコンペなどの社内イベントも行われます。良い意味で社内の人と付き合う機会が多い一方、上司との付き合いの深さがそのまま評価につながるという声もあり、形式上の評価基準よりも”社内接待”が上手い人が評価されやすい傾向にあるようです。
近年は業界で最もグローバル意識が高い企業のひとつと言われていますが、伝統的な日本企業からグローバル企業への変革期ということもあり、社内では戸惑いが見られることもあります。派遣社員や中途社員の割合も増えており、新しい風が吹き込んで変革的な雰囲気がある一方で、伝統的な「タケダ」らしさが薄れてきているのではとの懸念もあるようです。
仕事を進める上では、チーム全体で協力し合って業務に取り組むことはもちろん、変革期を意識したイノベイティブな成果も求められるなど、社風が大いに反映されているといえます。面接でももちろん、こうした姿勢にマッチする人材であるかが見極められるでしょう。
■選考は何次まで?
武田薬品の選考プロセスは、書類選考と2〜3回の面接です。職種により異なりますが、面接官は2~5名であることが多く、人事部と応募部署の部長クラスが担当しています。採用までの選考期間は、概ね1ヵ月です。
募集職種は「研究職(ファーマシューティカル・サイエンス)」「研究技術職(ファーマシューティカル・サイエンス)」「研究技術職(ワクチン)」「開発職」「MR・総合職」「研究職(リサーチ)」「スタッフ職」「生産技術職・製造職」があります。研究技術職では特にグローバル意識が強く、英語スキルの確認もありますが、面接は日本語で実施されます。
■面接内容の傾向は?
武田薬品の面接では、転職理由や志望動機などのオーソドックスな質問に加えて、「前職で失敗した経験」「困難だったこと」「苦労したこと」のように、自身が苦境に立たされた時のことについて聞かれることが多いようです。特に、様々なドクターとコミュニケーションを取るMR職では、人付き合いの良さやプレゼンテーション能力、問題解決力などが求められるため、こうした質問への回答内容を重視される傾向があります。
面接の雰囲気は温和であり、丁寧な印象です。しかし回答に対して鋭く「なぜ」「なぜ」と深堀されることや、「あなたを動物にたとえるなら何ですか?」というような意表をつく質問が投げられることもありますので、落ち着いて対応できるように準備しておきましょう。
武田薬品の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
武田薬品の面接攻略法(面接対策)
■経営の基本精神と「タケダイズム」を理解した上で自己分析をする
武田薬品の面接を受ける上では、経営の基本精神、特に「タケダイズム」と呼ばれるビジョンについて理解しておくことが不可欠です。タケダイズムは「誠実」「公正」「正直」「不屈」の4つで構成されており、これをベースに「1.常に患者さんを中心に考える」「2.社会との信頼関係を築く」「3.レピュテーションを向上させる」「4.その上で事業を発展させる」といった基準で考え行動することが求められています。
これは、武田薬品の土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接で行動指針に合致する人材であることをアピールしましょう。
これまでの仕事の成果事例、特に困難な状況からの成功経験やピンチを回避したエピソード等は、自身の「誠実」な対応のアピールにつながります。面接で「『誠実』とはどういうことだと思いますか?」という質問が出るほど、タケダイズムの精神が大事にされているので、率直な考えをできる限り具体的に、自分の言葉で説明することが大切です。
また、どんな困難にもあきらめずに立ち向かったエピソードは「不屈」をアピールすることにつながります。その際、自分の主観やその時の感情だけでなく、周りの状況や求められる行動等に配慮した上で行動した面を盛り込むことで、「公正」についても示すことができるでしょう。
■「なぜ武田薬品に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
武田薬品の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ『タケダ』か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、武田薬品という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- アステラス製薬株式会社
- 第一三共株式会社
- 大塚製薬株式会社
武田薬品の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、武田薬品の採用面接を受ける前には、「タケダイズム」に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「社内でのチームワーク」と「変革期を意識したイノベイティブな成果」という社風を意識しつつ、周囲と連携しながら、どんな困難にも立ち向かってきたエピソードを紹介すると良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対応しておきましょう。
30歳男性/MR【結果:二次面接で不採用】
27歳女性/財務・会計関連職【結果:一次面接で不採用】
30歳男性/MR【結果:入社】
23歳男性/MR【結果:入社】
[20代後半・男性/代理店営業] 【結果:最終を辞退】
武田薬品の採用面接に向けて
武田薬品の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 伝統的な日本企業らしさと、グローバル化が進む革新的な側面を併せ持った社風を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 「タケダイズム」に基づいた行動指針を理解し、自分の体験を通して具体的にアピールできるように準備をしておく。
- 競合他社についても研究し、「なぜ武田薬品か」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
大学を卒業後、ビル衛生管理業務会社に入社。人事部で新卒採用を担当。選考会から内定者フォロー業務に従事。