ダイキン工業の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
1924年に大阪で創業したダイキン工業。以来90年の歴史は、空調の歴史そのものであり、日本初のパッケージ型エアコンやビル用マルチエアコン等、幅広い商品を開発してきました。現在では、世界中の人々にとって快適で健康的な空間を実現するため、「空調」「化学」「フィルタ」を柱とした多彩な製品を、世界150ヵ国以上に展開しています。
ダイキン工業では、「人」「環境」「進取の精神」の3つを成長の源泉として掲げています。特に「人」については、「企業の競争力の源泉はそこで働く『人』の力である」「従業員一人ひとりの成長の総和が企業の発展の基盤である」という信念を持ち、「人を基軸に置く経営」が行われています。社員全員が最大の生きがいを感じ、持てる力を最大限に発揮して成長できるような環境づくりに力を入れており、口コミでも「活気にあふれた職場。みんなで何かをやろうという意識が強い」「いろいろなことに挑戦させてくれる。そういう人材を大事にしている」「社員ひとりひとりがオリジナリティを出して仕事に取り組んでいる」という声が多く見られます。
ダイキン工業の「人」を大切にする取り組みとして特徴的なのは、数多くの社内コミュニケーションを活発化するためのイベントです。各工場で開催される盆踊り大会は、地域住民との交流も兼ねて大々的に行われるほか、運動会やゴルフ大会、イチゴ狩り、餅つき大会など、季節折々のイベントも和気あいあいと行われます。こうした社風は、一部の社員からは「保守的」「体育会系」と評されることもありますが、「大阪の中小企業のような一面もある」「大企業然としておらず、自由な雰囲気」という声も見られ、その温かな社風は総じて満足度が高いと言えます。
また、ダイキン工業ではダイバーシティ施策にも力を入れており、特に女性活躍推進については先進的な取り組みが行われています。2016年には、厚生労働大臣が認定する「えるぼし」の最高位を取得、経済産業省と東京証券取引所が発表する「なでしこ銘柄」にも4年連続で選定されており、社員からも「会社も組合も、女性活躍推進を積極的に行っており、産休・育休制度はとても充実」という声があるなど好評判。また、「完全強制有給制度、休まないと上司に通達される」「残業を強制されることなく、快適」といった口コミも多く、全社員のワークライフバランスという観点でも満足度の高い環境だといえます。
人を大切にする働きやすい環境の中で、社員一人ひとりがやりがいを感じながら、持てる力を最大限に発揮する。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
ダイキン工業の中途採用プロセスは、書類選考・適性検査と、2回の面接です。1次面接は現場社員の課長・部長クラスが、最終面接は役員クラスが担当します。いずれの面接にも人事担当者が同席することが特徴です。
募集職種は、「研究開発」「機械系」「電気系」「生産技術」「品質管理」「組込ソフト・社内SE」「建築設備・計装」「化学」「事務・管理部門」の大きく9つに分かれます。それぞれの職種において、商品や専門分野、職層によってさらに細分化されるため、募集職種の全体像を把握した上で、「その中でもなぜその職種に応募したのか」という点を明確に説明できるようにしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
面接内容には、「人を大切にする働きやすい環境の中で、社員一人ひとりがやりがいを感じながら、持てる力を最大限に発揮する」という社風が大いに反映されています。
まず、「入社したらどんなことをやりたいか」「どんなクリエイティブなアイディアがあるか」「空調機の開発で新しいアイディアがほしい」というように、仕事に対するチャレンジ精神を問う質問が多く見られます。それと同時に、「あなたのやりたいことは、うちでは出来そうにないですよ」「望むような仕事が出来ない場合はどうしますか」というように、仕事に対して強い志とあきらめない精神を持っているかを確認する質問も目立ちます。これらを通して、どんな環境下でも「持てる力を最大限に発揮」できる人材であるかどうかが、総合的に評価されると言えます。
150カ国以上に事業展開するダイキン工業では、グローバルに活躍できる人材も高く評価されます。「英語はできるか?」「グローバルで、いかに活躍できるか?」という直接的な質問もあるほか、面接の途中で英語に切り替えられるケースも見られますので、しっかりと対策をしておきましょう。
ダイキン工業の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
ダイキン工業の面接攻略法(面接対策)
■ダイキン工業の「グループ経営理念」を理解した上で自己分析をする
ダイキン工業の面接を受ける上では、「グループ経営理念」と呼ばれる行動指針を理解しておくことが不可欠です。この「グループ経営理念」は、以下の10項目で構成されています。
1.「次の欲しい」を先取りし、新たな価値を創造する
2.世界をリードする技術で、社会に貢献する
3.企業価値を高め、新たな夢を実現する
4.地球規模で考え、行動する
5.柔らかで活力に満ちたグループ
1)しなやかなグループハーモニー
2)関係企業と刺激し合い、高め合う
6.環境社会をリードする
7.社会との関係を見つめ、行動し、信頼される
1)オープンである、フェアである、そして知ってもらう
2)地域に対して、私たちにしかできない貢献を
8.働く一人ひとりの誇りと喜びがグループを動かす力
1)一人ひとりの成長の総和がグループの発展の基盤
2)誇りとロイヤリティ
3)情熱と執念
9.世界に誇る「フラット&スピード」の人と組織の運営
1)参画し、納得し、実行する
2)チャレンジャーこそ多くのチャンスをつかむ
3)多彩な人材を糾合し、個人の力をチームの力に
10.自由な雰囲気、野性味、ベストプラクティス・マイウェイ
これは、ダイキン工業の企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの「グループ経営理念」に合致する人材であることをアピールしましょう。
10項目の「グループ経営理念」を分析すると、「先見性」「社会・環境・地域への貢献」「一人ひとりの力の結集」の3点が大切にされていることが分かります。これら3つの観点をバランス良く織り交ぜたエピソードを準備することで、ダイキン工業で活躍できる人材であることをアピールすることができます。
例えば、これまで携わったプロジェクトにおいて、どのようなニーズを把握し、それに基づいた社会貢献の道筋をどう思い描いてきたのか。そして、それを実現する過程でどのようにチームワークを意識し、自身の力も発揮してきたのかということについて、具体的に説明すると良いでしょう。
また、グループ経営理念の「柔らかで活力に満ちたグループ」「自由な雰囲気、野性味、ベストプラクティス・マイウェイ」からも分かるように、温かいコミュニケーションを大切にする社風であるダイキン工業では、こうした風土に合致する人材かどうかも重要な評価ポイントとなります。現在の職場で、チームのコミュニケーションを活性化させるために工夫したことや、全社を巻き込んだ大規模なイベントを主催したエピソード等があれば、積極的に紹介するとよいでしょう。
■「なぜダイキン工業に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
ダイキン工業の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜダイキン工業か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、ダイキン工業という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 三菱電機株式会社
- パナソニック株式会社
- 株式会社日立製作所
ダイキン工業の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、ダイキン工業の採用面接を受ける前には、「グループ経営理念」に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「人を大切にする働きやすい環境の中で、社員一人ひとりがやりがいを感じながら、持てる力を最大限に発揮する」という社風を意識して、先見性とチームワークを最大限に発揮しながら新しい価値を生み出し、社会・環境・地域、そして組織に貢献できる人材であることを印象づけられるよう、様々なエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
32歳男性/空調設計・設備設計【結果:入社】
42歳男性/購買・資材【結果:入社】
27歳女性/プログラマ【結果:1次面接で不採用】
23歳女性/広報【結果:入社】
ダイキン工業の採用面接に向けて
ダイキン工業の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「人を大切にする働きやすい環境の中で、社員一人ひとりがやりがいを感じながら、持てる力を最大限に発揮する」という社風を意識して、「先見性とチームワークを最大限に発揮しながら新しい価値を生み出し、社会・環境・地域、そして組織に貢献できる人材」であることを自分の言葉でアピールする。
- ダイキン工業の「グループ経営理念」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社について研究し、「なぜダイキン工業か」に対する答えを明確にしておく。
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東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。