三菱自動車の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
140年余りの歴史を持つ三菱自動車工業(以下、三菱自動車)。その古い歴史は、1870年に岩崎彌太郎によって『海運会社九十九商会』が創設された事から始まりました。その後、1917年に三菱合資会社の造船部門が『三菱造船株式会社』として独立。同年に日本で初めての量産乗用車”三菱A型”の製作が開始されました。1970年6月には三菱重工業株式会社から自動車部門として独立し、今の社名である『三菱自動車工業』となりました。
そんな三菱自動車は、「上下関係が体育会みたいなところがある」「内部の理屈に固執することや外部の情報・理論を取り入れるのが苦手」「飲み会なども多く職場を離れての付き合いもある」など良くも悪くも長い歴史を持つ日本の大企業にみられる、古い風土が伺える口コミが多数みられます。「三菱の自動車以外は工場内に駐車ができない」など、三菱自動車独自のルールも設けられており、ここにも大企業ならではの古い歴史が背景にあることが伺えます。
一方で、大企業ゆえに仕事が細分化されており、部署内のチームも細かく作られています。少人数やそこまで規模の大きくないミッションを持つような組織であれば、チャレンジ精神を持つ人材や成長意欲が高い人材には若くても、早々に裁量権のあるポジションを任される事があります。また「個々の仕事の範囲が広い」という口コミからは、一部の部品だけではなく自動車という大きな製品全体を見通した仕事ができることが分かります。「自動車製造においてこの部分は自分が担当した」「自分の手がけたプロジェクトを通じて発売になった」と成果が見える環境は、社員のやりがいにも直結しているようです。
福利厚生においては、大企業ならではの手厚さがあり、「カフェテリアプラン活動に対し、年間合計7万5千円の補助が出る」「食費補助がある」「独身寮や社宅があるから助かる」など満足度が高い事が伺えます。
「伝統と長い歴史を持つ大企業の特色を強く残す風土の中で、幅広い業務に対し自身を成長させ、挑戦する姿勢を持つ」こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
三菱自動車の中途採用プロセスは、「書類選考」→「WEB適正試験」→「1次面接(応募先部署責任者1名及び人事担当者1名)」→「最終面接(役員1名及び人事担当者)」の流れで行われます。
採用に向けて各ステップに合った面接準備が必要な事はもちろんですが、「回数が多く、選考と選考の間の期間も長く空く」という口コミが多数みられ、モチベーションをしっかり維持し続ける事も面接を受ける上で肝となります。
募集している職種は、『技術系』と『事務系』に大きく分けられます。
『技術系』では、「開発」「生産技術」「設計」「実験」「研究」「品質保証」「生産管理」の7つの分野があります。一方『事務系』では、「経営企画」「商品企画」「経理」「海外営業」「デザイン」「財務」「人事」「総務」の8つの分野で募集がなされています。
勤務地や所属部署によって、更に細分化される為、各職種の違いを理解したうえで、「技術系(もしくは事務系)の中でもなぜその職種・分野を希望したのか」という問いに対して、相手を納得させる事ができるように、動機を明確にしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
三菱自動車の面接は、自己PRや志望動機などスタンダードな内容に加えこれまでの経験や業務を問う質問が多くみられます。
これまでの経験や業務は、希望部署によって深く掘り下げられることもあるので、それが三菱自動車でどのように活かされるのかを相手に伝わるよう明確にしておくことがポイントです。
また、「大変な仕事でも楽しめますか?」「当社に入社してどのように貢献できますか?」など入社後に関しての質問は、どのステップでも聞かれたという声が多く、どんな局面でも向上心を持ち、技術に磨きを掛け、時代をリードする新しいサービスや商品を提供できる人材であるかを見極められます。
前職で関わった企画やプロジェクトで、大変だった事やそれをどの様に乗り越えたのかなどの経験談を交えながら、三菱自動車にマッチする人材である事をアピールしましょう。
中には、「三菱の車のどこが好きなの?」という直感的なことを聞かれることもあります。可能であればあらかじめショールームやイベントなどで、三菱自動車と他社の自動車を乗り比べ違いを把握する、カタログやコーポレートサイトを比較して各社の違いや強み・弱みをキャッチアップしておくと面接時に活かされるでしょう。
三菱自動車の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
三菱自動車の面接攻略法(面接対策)
■三菱自動車の企業活動の指針を理解した上で自己分析をする
三菱自動車の面接を受ける上では、企業活動の指針である”三菱グループ三綱領”を理解しておくことが不可欠です。”三菱グループ三綱領”では、以下3つの企業活動の指針が設定されています。
●「所期奉公」=期するところは社会への貢献
事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献する。
●「処事光明」=フェアープレイに徹する
公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、透明性を堅持する。
●「立業貿易」=グローバルな視野で
全世界的、宇宙的視野に立脚した事業展開を図る。
企業活動の指針である『三菱グループ三綱領』は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの『三菱グループ三綱領』に合致する人材であることをアピールしましょう。
コーポレートサイト内に「新しい時代の到来に向けて、これまで培ってきた技術にさらに磨きを掛けるとともに、時代をリードする新しい価値を提供することで、もっと豊かなクルマ社会を実現させます。」というブランドメッセージがあります。このことから、三菱グループ三綱領の中でも”「立業貿易」=グローバルな視野で”という、世界を含めた広い視野で先々を見据えることが出来る人材であることを経験談を交えて伝えることにより、面接官に採用した時のイメージを定着させることができるでしょう。
また”「所期奉公」=期するところは社会への貢献”においては、コーポレートサイト内のビジョン・ミッションにも「社会の持続可能な発展に貢献します」と記されています。そのため、目先だけではなく、広い視野を持ち、先を長く見据え、企画・行動をしてきた経験を意識しながら伝え、三菱自動車が求めている人材であることをしっかりアピールしましょう。
■「なぜ三菱自動車に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
三菱自動車の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ三菱自動車か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、三菱自動車という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- スズキ株式会社
- ダイハツ工業株式会社
- 本田技研工業株式会社
三菱自動車の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、三菱自動車の採用面接を受ける前には、企業活動の指針である”三菱グループ三綱領”に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「伝統と長い歴史を持つ大企業の特色を強く残す風土の中で、幅広い業務に対し自身を成長させ、挑戦する」という社風を意識して、「向上心があり、チャレンジ精神を持つ人材」であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[32歳・男性/研究開発] 【結果:入社】
[30歳・女性/海外営業] 【結果:最終面接で不採用】
[23歳・男性/企画営業] 【結果:最終面接で不採用】
[30歳・男性/システムエンジニア] 【結果:入社】
三菱自動車の採用面接に向けて
三菱自動車の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「伝統と長い歴史を持つ大企業の特色を強く残す風土の中で、幅広い業務に対し自身を成長させ、挑戦する姿勢を持つ」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- 三菱自動車の企業活動の指針である”三菱グループ三綱領”を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社について研究し、「なぜ三菱自動車か」に対する答えを明確にしておく。
グローバルウェイ エージェントについてお知りになりたい方はこちらのサイトをご覧ください。こちらからでも登録できます。
「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
経営コンサルティング会社で採用コンサルやデータ分析を行いながらライターとして活動中。得意分野はスタッフ採用と教育。