三菱電機の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
家電から人工衛星まで12の分野で事業展開する三菱電機では、コーポレートステートメント”Changes for the Better"のとおり、「常により良いものをめざし、変革する」という姿勢を大切にしています。いずれの分野においても、携わる製品規模の大きさや公共性の高さは群を抜いており、社員が「自分の仕事が社会に貢献している」ということを実感できます。
変革への挑戦を支えているのは、その強固な経営体質と堅実な社風です。三菱グループの中核企業としてグループ全体を率いる三菱電機は、その安定性に加え、大企業ならではの年功序列や社員同士の付き合いといった風土があります。また、業務においても膨大な社内調整や事務処理を必要とするなど、「古きよき日本企業」の特徴を多く擁しています。
同時に、「自己申告制度」や公正な評価を実現する「苦情処理システム」などの人材育成制度も充実しており、社員一人ひとりを大切に育成する風土であることも大きな特徴です。
仕事の進め方については、組織的かつ保守的であるという口コミが寄せられています。社内の過去事例や競合他社の動きなどを意識して、慎重に検討を重ねた上で意思決定することが多く、コンプライアンスに対する意識も高いです。「事例研究をする」「計画を立てる」「石橋をたたいて渡る」といったキーワードも目立っており、もちろん採用面接の中でも、こうした企業カルチャーにフィットする人材かどうかを見極められます。
■選考は何次まで?
三菱電機の採用プロセスは、Webエントリー後、書類選考と2回の面接です。1次面接は職場社員と人事担当者、2次面接は職場や人事の役員・部長級5~6名が担当します。また、1次面接の際に筆記試験も実施されており、基礎学力が問われる内容ですので、事前の対策が必要です。選考プロセスの所要期間は、応募~内定まで2週間程度と、比較的短期間での選考が行われています。
三菱電機の主な募集職種は、エネルギー、公共事業、ITソリューションといった12の事業分野ごとに、「技術系職種」と「事務系職種」の大きく2つに分類されます。特に「技術系職種」は、その中でも「基礎・応用研究開発」「設計」「品質管理」「生産技術・設備」「工事計画・施工管理」「デザイン」等に細分化されています。また、事業所・研究所も全国数十箇所に広がっているため、各職種での勤務地・部門も多様です。
■面接内容の傾向は?
三菱電機の面接では、古きよき日本企業的なカルチャーフィットはもちろん、膨大な仕事量への耐性についても確認されます。「前職での残業時間」や「ストレス解消法」を確認されたり、「残業時間が多いが大丈夫か」と直接的に聞かれたりすることも多々あります。また、「これまでで苦労したこと」や「失敗したこと」についてのエピソードを求めらることも多く、そこでの対応方法や乗り越え方が重視されるようです。
このように、大組織の中で人間関係を良好に築きながら、その中で自分の成果を確実に出せる「タフさを備えた人材」かどうかを確認されることが大きな特徴と言えます。
三菱電機の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
三菱電機の面接攻略法(面接対策)
■三菱電機の「7つの行動指針」を理解した上で自己分析をする
三菱電機の面接を受ける上では、「7つの行動指針」を理解しておくことが不可欠です。
1. 信頼 社会・顧客・株主・社員・取引先等との高い信頼関係を確立する。
2. 品質 最良の製品・サービス、最高の品質の提供を目指す。
3. 技術 研究開発・技術革新を推進し、新しいマーケットを開拓する。
4. 貢献 グローバル企業として、地域、社会の発展に貢献する。
5. 遵法 全ての企業行動において規範を遵守する。
6. 環境 自然を尊び、環境の保全と向上に努める。
7. 発展 適正な利益を確保し、企業発展の基盤を構築する。
これは、三菱電機の企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの「7つの行動指針」に合致する人材であることをアピールしましょう。
例えば、現在の職場でどのようなチームワークを心がけているか、社内のみならず関係先・お客様と信頼関係を築くためにどのようなことに工夫しているかというエピソードは、「信頼」のアピールにつながります。また、現在41カ国・153社の関係会社を持つ三菱電機では、グローバル展開による地域・社会への「貢献」も重要な要素ですので、これを意識した志望動機を述べることも、大きなアピールポイントとなるでしょう。
「品質」「技術」「発展」について触れる際は、これまでの業務の中で綿密な計画を立て着実に遂行した事例を挙げると、社風とも絡めたアピールになります。そしていずれのエピソードについても、具体的な経験に基づき、自分の言葉で、論理的かつ誠実に伝える姿勢を見せることが「遵法」の人柄につながっていくでしょう。
■「なぜ三菱電機に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
三菱電機の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ三菱電機か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、三菱電機という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 株式会社日立製作所
- ソニー株式会社
- 富士通株式会社
三菱電機の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、三菱電機の採用面接を受ける前には、「7つの行動指針」に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「常により良いものをめざし、変革する」とともに、堅実で古きよき日本企業的な社風を意識した上で、どんな環境でも乗り越えられるタフさをアピールすることが求められます。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように応えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
27歳男性/物流サービス【結果:1次面接で不採用】
29歳男性/電気・電子回路設計【結果:入社】
24歳男性/機械設計【結果:入社】
27歳男性/電気・電子回路設計【結果:入社】
三菱電機の採用面接に向けて
三菱電機の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 堅実で安定した、古きよき日本企業的な社風を理解した上で、どんな環境でも「常により良いものをめざし、変革する」タフさを持つ人材であることをアピールする。
- 三菱電機の「7つの行動指針」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ三菱電機か」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。