三菱重工の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
国内最大の重工メーカーとして、多種多様な製品を手掛けている三菱重工業(以下、三菱重工)。その歴史は130年余りと古く、日本の防衛、エネルギー、航空、社会インフラを支えてきました。近年では、三菱重工業が開発を主導するスペースジェット(旧MRJ)の実用化に注目が集まっています。また、三菱UFJ銀行、三菱商事と並んで三菱グループの御三家と称され、その社風には三菱のDNAが受け継がれています。
口コミには、「学歴重視」や「年功序列」というキーワードが散見されると同時に、「三菱独自の言葉使いや慣用句がある」というコメントも見られ、歴史ある大企業であるがゆえの企業風土も残っているようです。
一方で、コーポレートサイトには「新卒・キャリア採用に処遇面の区別はありません」と記されているとおり、「中途採用でも、新卒採用との差はないように感じる」といった口コミも見られ、企業風土が変わりつつあることがうかがえます。実際、コーポレートサイトには採用担当者メッセージとして、これからのグローバル競争を勝ち抜くためにはキャリア採用人材による企業風土改革が必要だと書かれています。
■選考は何次まで?
まず、コーポレートサイトからエントリーし、書類選考と募集部門による面接がおこなわれます。書類選考の結果は、合否によらず、エントリーから通常2週間から3週間程度でメール連絡があります。書類選考を通過した場合には、募集部門による面接がおこなわれます。コーポレートサイトに面接回数は記載されていませんが、役職を変えて2回の面接がおこなわれたという口コミもあります。
三菱重工のキャリア採用は、技術職を中心に様々な部門で数多くの職種が募集されていますので、コーポレートサイトで情報を確認しておきましょう。なお、同時に複数職種の応募はできないことになっていますので注意してください。ただし、応募した職種で結果が判明した後に別の職種に応募することは可能です。また、応募の際に必要要件を満たしていない場合でも、職務経歴や専門性を考慮して総合的に判断されるので、応募自体をあきらめる必要はありません。
■面接内容の傾向は?
口コミによると、全般的に、質問でのやり取りを通して面接官とのコミュニケーションを取れるかどうかが見られる傾向にあります。「趣味について聞かれた」という人は「一方通行でない対話をすることで、心を通わせることができれば理想的」と振り返ります。面接官と言えど人間なので、人として心の通った気持ちの良いコミュニケーションを取れることが大切です。和気あいあいとした雰囲気に持っていくためにも、オーソドックスな質問については事前に回答を整理して準備しておくと落ち着いて対応できるでしょう。
一方、技術職においては、「大学の研究と企業の研究の違いとは」「1週間の間だけ好きなだけお金を使えるとしたら、あなたは何に使いますか」といった質問もあります。このような質問によって論理的思考力を見る傾向にあるので、普段から論理的に考えて話すトレーニングを積んでおきたいものです。
また、「軍需産業にかかわることについてどう思うか」「風車のどこが好き」というこの会社ならではの質問も多く見られます。他の会社にはない特殊で重要な製品を扱っているだけに、時事問題や応募部門に関わる情報には常にアンテナを張り、自分なりの考えをまとめておく必要があります。
三菱重工の面接攻略法(面接対策)
■三菱重工の中期経営計画(2018事業計画)を理解した上で自己分析をする
面接に臨む前におさえておかなければならないのが中期経営計画です。三菱重工では、「2018事業計画」として2018〜2020年までの戦略を策定しています。
近年、グローバル競争を勝ち抜くために積極的な事業再編と組織体制の改革が進めてきた三菱重工は、その集大成として2019年からグローバル・グループ経営に移行しました。『パワー』『インダストリー&社会基盤』『航空・防衛・宇宙』という事業ドメインを中心に、デジタル化や環境への配慮といったメガトレンドを大きく意識した戦略を構築しています。そうした中、長年の懸案であるMRJ事業体制の抜本強化と火力事業の構造転換を図り、グローバル水準の持続性と成長力を有する企業体を実現したい考えです。
また、2018事業計画は「持続的な成長軌道の第一歩」と位置づけられ、グローバル経営体制のもと、組織効率化と人材育成を進めることが明確に謳われています。今後は、グローバル人材はもとより、新たな組織体制の中で積極的に行動し、企業風土を変革していける人材が求められていると言えるでしょう。採用面接に臨むにあたっては、このような点をしっかりと理解し、自己分析に落とし込んでおくことが必要です。
■「なぜ三菱重工に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
三菱重工の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ三菱重工なのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった側面に加えて、「本当に当社のことを理解しているのか」という点です。
同じ業界や同じ職種が存在する中で「なぜ三菱重工なのか」という問いに答えるためには、三菱重工の理解を深めることはもちろんですが、競合となりうる企業との違いを明らかにしておく必要があります。そのためには他社研究が欠かせません。少なくとも、以下のような企業についてはしっかりと調べておく必要があります。
- 川崎重工業
- IHI
三菱重工の採用面接で実際に聞かれた質問内容
三菱重工が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。
三菱重工の場合、三菱の看板を背負った歴史ある大企業であるがゆえに、「三菱重工流の仕事のやり方」が存在すると言います。これまでは新卒採用で会社に育てられた人材がこのようなやり方を踏襲するかたちで仕事を進めていましたが、マーケットのグローバル化に伴って、これまで以上に海外事業展開や技術開発のスピードが加速しています。そのため、新卒をじっくり育てていくだけでは競争に勝ち抜くことはできず、即戦力となりうる優秀な経験者の活用が急務になっていると言えます。また、新たなグローバル・グループ経営に相応しい企業風土を醸成してくれるような行動力あふれる人材が求められています。「積極的に行動できる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[30代前半・男性/研究開発] 【結果:入社】
[30代前半・男性/生産・製造技術] 【結果:入社】
[20代前半・男性/研究開発] 【結果:一次面接で不採用】
[40代前半・女性/管理関連職] 【結果:二次面接で不採用】
三菱重工の採用面接に向けて
三菱重工の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 古き良き「三菱」の歴史や文化を理解する一方、外の世界で身に付けたものの見方や価値観を具体的なエピソードを持って語れるようにしておく。
- 三菱重工の中期経営計画を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ三菱重工で働きたいのか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。