今回取り上げるのは、日本はもちろんアジアでの化粧品売上高No.1。トイレタリーや医薬品なども手掛け、120以上の国と地域で活躍する株式会社 資生堂です。
2022年08月09日
【年収のひみつシリーズ】平均年収はどれくらい?年棒それとも月給制?ボーナスは年何回?などの給与体系についての素朴な疑問を、取材データや口コミの内容を通じてお答えします。
今回取り上げるのは、日本はもちろんアジアでの化粧品売上高No.1。トイレタリーや医薬品なども手掛け、120以上の国と地域で活躍する株式会社 資生堂です。
まずはじめに資生堂の平均年収を見ていきましょう。資生堂の平均年収は705.8万円です(資生堂有価証券報告書)。キャリコネに投稿された給与明細を参考に資生堂の年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で460〜510万円、30歳代で640〜690万円、40歳代で800〜850万円という結果がでました。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ1.43倍の額です。
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2021年12月期 | 705.8万円 | 38.9歳 | 11.2年 | 4260人 |
2020年12月期 | 658.5万円 | 38.8歳 | 11.3年 | 4309人 |
2019年12月期 | 716.5万円 | 39歳 | 11.9年 | 3961人 |
2018年12月期 | 731.3万円 | 39.7歳 | 14年 | 3497人 |
2017年12月期 | 723.9万円 | 40.8歳 | 16.2年 | 2937人 |
出典:資生堂・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
資生堂の平均年収は前年を上回り705.8万円でした。
過去5年間では2番めに低い額になりました。
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 477万円 | 27.8万円 | 114.1万円 | 429.3万円 |
30代 | 659.2万円 | 37.9万円 | 157.8万円 | 593.28万円 |
40代 | 819.1万円 | 46.8万円 | 196.2万円 | 737.19万円 |
50代 | 968.5万円 | 55.1万円 | 232.1万円 | 871.65万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
実際の給与明細を見比べると、目安では見えてこなかった驚きの現実が!
資生堂社員の給与明細(キャリコネ)
年齢に伴って年収も増加
20代技術職(非管理職)の 給与明細
30代技術職(非管理職)の 給与明細
職種が違うと同年代でも差が出る
20代広告宣伝職(非管理職)の 給与明細
20代営業職(非管理職)の 給与明細
資生堂の年収は、基本給与・年3回の賞与・諸手当から構成されています。
賞与は、会社や部門の業績と個人の評価に基づいて算出されます。年収に対しての割合が少なくないため、賞与の額により年収が大きく変動すると感じている社員もいるようです。
手当は一律ではなく、当てはまる条件によって差異がでます。例えば、住宅手当は結婚して2人住まいの場合月9万円。また、転勤の際は外部物件を社宅扱いで借りることができ、自己負担は月々1.8万円で済みます。
資生堂は年功序列型の賃金体系になっています。管理職に昇格すると1000万円台に到達します。
営業職の場合、新卒5年目で年収は450万円前後ですが、その3年後となる新卒9年目では、同じく役職のない場合であっても650万円となっており、徐々に増加していくことがわかります。
これは、年功序列の一面があるため、40歳前の管理職就任に至るまで昇給は抑え気味という傾向によるようです。
口コミには年収の実態を如実に表す証言がありました。
資生堂社員の口コミ(キャリコネ)
化粧品業界の給料としてはそこそこ
「給料は少し物足りないが需要市場からみればこんなものかもしれない。一方で 女性のための福利厚生は整っている。さすがに資生堂というだけあって、その利点… 」
年収はメーカーの中で中の上
「給与の基本ベースが低めに設定されているが、年収は残業時間によると思う。査定に関しては個人的には妥当性は高いと思う。しかし所属する部署の…」
資生堂の競合や同業界であるコーセー、マンダム、花王、ファンケルの5社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、資生堂が705.8万円、コーセーが768万円、マンダムが771.2万円、花王が789.3万円、ファンケルが615.8万円です。
この5社の中で最高額は花王の789.3万円で、最低額がファンケルの615.8万円。その差はおよそ174万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中では資生堂は4番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
花王 | 789.3万円 | 40.5歳 | 17.4年 | 8508人 | 8729.13億円 |
マンダム | 771.2万円 | 42.2歳 | 17年 | 643人 | 361.02億円 |
コーセー | 768万円 | 41.3歳 | 16.2年 | 796人 | 858.53億円 |
資生堂 | 705.8万円 | 38.9歳 | 11.2年 | 4260人 | 2750.63億円 |
ファンケル | 615.8万円 | 40.6歳 | 12.4年 | 897人 | 870.89億円 |
資生堂の競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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